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民主、政権運営に自信…参院補選2勝

民主、政権運営に自信…参院補選2勝
 25日の参院神奈川、静岡両補選は、民主党が完勝し、政府・与党は今後の政権運営に自信を見せている。

 来年夏の参院選での単独過半数の獲得も視野に入れるが、川崎市長選などで民主党の推薦候補が落選するなど勢いの持続に不安要素を抱えた。一方、自民党は政権転落のショックからいまだ脱し切れていないことが明らかとなり、党再生への展望は開けないままだ。

 「この勝利は間違いなく国民の民主党への期待の表れだ」

 平野官房長官は25日夜、都内で記者団に安堵(あんど)の表情を見せた。

 民主党は今回、2補選を高支持率で発進した鳩山政権の勢いが持続できるかどうかの戦いと見なし、2勝を至上命令とした。

 鳩山政権は発足から1か月が過ぎ、米海兵隊の普天間飛行場の移設問題など、衆院選の政権公約(マニフェスト)に盛り込まれた政治課題でぎくしゃくする場面が散見されるようになり、民主党は世論の風向きが変化することを懸念していた。閣僚や党幹部らを支援に投入する総力戦の態勢を組み、首相も20日に両選挙区に遊説に入り、「必ず皆さん方の気持ちに応えるよう政権を運営していく」と訴えた。

 目標通りに2勝を果たし、民主党側は「臨時国会の論戦に主導権を握れる」と自信を見せている。同党は、政権公約の扱いや、鳩山首相の資金管理団体の偽装献金問題への野党の厳しい追及を予想しているが、「建設的な政策論争を望む声が補選の結果に表れている」(民主党幹部)とし、政権支持の民意をたてに批判をかわせると見込む。

 民主党は、提出法案を12本程度に絞り込んだ臨時国会を無難に乗り切り、来年度予算案の編成に全力を挙げたい考えだ。ただ、政権公約に掲げた政策の財源を赤字国債の増発に頼らない形で確保する算段が付いていないことや、普天間飛行場の移設問題など課題は山積しており、政権運営の前途は楽観を許さない状況だ。

 ◆自民、「衆院選ショック」引きずる◆

 一方、自民党は2補選を「党再生の第一歩」と位置づけ、谷垣総裁を先頭に党幹部が何度もてこ入れを図っただけに、2敗は谷垣執行部に痛手となった。

 大島幹事長は25日夜、敗因を「『衆院選で非常に大きな敗戦をした』との思いが両選挙区にあり、エンジンがかかるのが少し遅れた」と語り、衆院選の惨敗ショックから地方組織が立ち直れていない影響があることを認めた。

 自民党は今回、衆院議員の大量落選、業界・団体の不活発な動き、公明党の自主投票という“三重苦”を抱えた選挙戦となった。

 今回のような低投票率は本来、組織選挙に強いとされた自民党に有利に働くはずだが、こうした効果は見られず、同党の戦力ダウンを裏付けた形だ。谷垣氏らは遊説で党再建への決意を訴え、有権者の期待感を呼び起こすことを狙ったが、それも不発に終わった。

 執行部は「臨時国会こそが反転攻勢の正念場になる」とし、国会論戦を通じて巻き返しを図ろうと懸命だ。2009年度補正予算の見直しについて「景気に悪影響を及ぼす」と論陣を張る準備を進めているほか、民主党の政権公約の実施状況も厳しくただすことにしている。

 また、政権が「脱官僚」を掲げながら、日本郵政の新社長に小沢民主党幹事長と親密な元大蔵事務次官を起用したことや、首相や小沢氏の政治資金問題についても、政権批判の柱に据える方針だ。(政治部 古川肇、青山健一、黒見周平)

(2009年10月26日08時01分 読売新聞)

by momotaro-sakura | 2009-10-26 08:33 | ブログ