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北朝鮮:力道山ファミリー重用 総書記義弟の復権が影響?

北朝鮮:力道山ファミリー重用 総書記義弟の復権が影響?
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力道山にかかわる主な家系図(敬称略) 【北京・西岡省二】日本プロレスの父、力道山の娘婿や家族が最近相次いで北朝鮮指導部の有力ポストに着任している。いずれも金正日(キム・ジョンイル)総書記の義弟である張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党部長に近い人物で、一時失脚していた張氏が最近復権したことで取り立てられたらしい。北朝鮮は9月、力道山の弟子であるアントニオ猪木さん(66)に平壌事務所開設を許可しているが、この背景にも力道山の親族の台頭がある可能性がある。

 力道山の娘婿、朴明哲(パク・ミョンチョル)氏(68)と2人の妹たち。明哲氏は権力中枢の国防委員会に参事として入り、「やり手」とされる妹の朴明善(パク・ミョンソン)氏(推定67歳)は副首相に登用された。下の妹は、張氏の妻で金総書記の妹、金慶喜(キム・ギョンヒ)氏が部長を務める労働党軽工業部の副部長を務めている。

 明哲氏は、02年の釜山アジア大会で選手団を引率した北朝鮮体育界の大物で、北朝鮮五輪委員会委員長や体育相などを歴任。娘のヘジョンさんは、重量挙げ女子代表監督として釜山アジア大会に参加し、女子53キロ級で優勝したリ・ソンヒ選手の指導にあたった。

 明哲氏が参事となった国防委員会は、北朝鮮の最高権力機関。北朝鮮の憲法は、国防委員長を「国家の最高指導者」と定めており、金総書記が務めている。同委参事は、権力中枢にきわめて近い存在だ。

 妹の明善氏は90年代から内閣対外奉仕局長を務め、同局の組織拡大で功績があったとされる。

 兄妹は張氏に近く、張氏が04年に失脚した後、明哲氏と明善氏は当時の職を解かれたことが分かっている。張氏はその後復権して政権中枢にカムバック。歩調を合わせるように、明哲氏の国防委参事就任が今年2月に判明、9月には明善氏が副首相に指名された。

 政権に近い関係者によると、明哲氏は国防委参事に任命された際、金総書記から「左遷先で墓地を探したか?」と声をかけられたという。「墓地を作れるほど現地で苦労したという意味で、一種のねぎらいの言葉」(同関係者)とされ、明哲氏は喜びの表情を浮かべたという。また、明善氏については「対外奉仕局傘下の農場や平壌ナマズ工場の設置を将軍様(金総書記)に提案するなど、仕事好きなやり手女性」(同)との評価がある。

 兄妹3人の父親である朴ジョンホ氏は、故金日成(キム・イルソン)国家主席に近い存在で、対南工作で功績があったといわれている。北朝鮮は、革命や対南工作で功績を上げた人物の子孫を重用することが多い。

 ◇力道山(1924~63年)
 本名・百田光浩。日本植民地時代の朝鮮半島咸鏡南道(今の北朝鮮)生まれ。朝鮮名は金信洛(キム・シルラク)。40年に日本に渡って角界に入り、引退後にプロレスラーに転身した。角界での大陸巡業の際に一時帰郷し、その際にいいなずけとされた女性との間にできた娘が、朴明哲氏の妻金英淑(キム・ヨンスク)氏。

英訳
by momotaro-sakura | 2009-11-29 13:02 | ブログ