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シロイヌナズナ

シロイヌナズナ
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シロイヌナズナ
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シロイヌナズナ
分類
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 : フウチョウソウ目 Brassicales
科 : アブラナ科 Brassicaceae
属 : シロイヌナズナ属 Arabidopsis
種 : シロイヌナズナ A. thaliana

学名
Arabidopsis thaliana
和名
シロイヌナズナ(白犬薺)
英名
Thale Cress, Mouse-ear Cress
シロイヌナズナ(白犬薺、学名:Arabidopsis thaliana)は、アブラナ科シロイヌナズナ属の一年草。植物のモデル生物として有名。

目次 [非表示]
1 特徴
2 モデル生物としてのシロイヌナズナ
3 ギャラリー
4 外部リンク


特徴 [編集]
ユーラシア大陸から北アフリカ大陸原産の越年草である。日本においては帰化植物で、北海道から九州の海岸や低地の草地に分布する。生活型はロゼット型で、花茎は高さ10-30 cmに達する。長日植物で、花期は4-6月。茎頂に総状花序を出し、花は白色で花弁を4枚持ち、多数つく。大抵は自家受粉によって種子をつくり、長角果の果実をつける。葉や茎には毛があり、ロゼット葉は2-5 cmほど、茎葉は2 cm前後の長楕円形である。

モデル生物としてのシロイヌナズナ [編集]
2000年12月に植物としては初めて全ゲノム解読が終了した。ゲノムサイズは1.3億塩基対、遺伝子数は約2万6000個と顕花植物では最小の部類に入る。染色体は5対である。

ゲノムサイズが小さいこと、一世代が約2ヶ月と短いこと、室内で容易に栽培できること、多数の種子がとれること、自家不和合性を持たないこと、形質転換が容易であることなど、モデル生物としての利点を多く備えているため、研究材料として利用しやすい。多くの変異系統が維持されており、日本国内では理化学研究所バイオリソースセンターやかずさDNA研究所などで、cDNA 情報の公開、変異株の収集・維持・配布を行っている。

国際宇宙ステーションでも生育実験を目的として栽培されていたが、給水設備の不調により、2008年6月、スペースシャトルディスカバリーにて地球に持ち帰られることになった。

ギャラリー [編集]

シロイヌナズナ(植物体全体像)花の拡大
シロイヌナズナ (果実と花)
越冬時の葉の状態
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ウィキメディア・コモンズには、シロイヌナズナに関連するマルチメディアがあります。 外部リンク [編集]
ウィキスピーシーズにシロイヌナズナに関する情報があります。植物遺伝子材料カタログ理研 BRC 実験植物開発室



シロイヌナズナ

シロイヌナズナ_e0009760_10382887.jpg

シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)はアブラナ科の一年草で、日本では北海道~九州に分布し、海岸や草地に生える目だたない植物であるが、現在、研究の実験用モデル植物として現代植物学をひっぱる大きな推進役となっている。研究者間では属名のアラビドプシスでよばれることが多い。この植物は、種子をまいてから次の代の種子を収穫するまでの期間が6週間と短いうえに、全遺伝情報のゲノムサイズが種子植物の中ではひじょうに小さく(約1億3000万塩基対)、さらに化学物質の処理によってさまざまな変異体を比較的簡単につくることができる。これらのことから、シロイヌナズナは、どの遺伝子が、形態などの分化のどこの段階で、何を制御しているのかをしらべるのに、とてもよい材料なのである。こうして、1980年代半ばからシロイヌナズナは研究のモデル植物として広くとりあげられるようになり、2000年12月には日欧米の国際共同プロジェクトによって、高等植物としてははじめてシロイヌナズナの全ゲノムの塩基配列が決定された。解析の結果、2万5000個あまりの遺伝子をもつことがわかり、それらの中にはイネ、コムギ、ダイズなどの主要作物と共通する重要な遺伝子が多数ふくまれていると考えられている。これらの研究成果によって、植物の形態形成などは遺伝子でかなり説明することができるようになった。まさに、現代植物学はシロイヌナズナの研究によって最新のゲノム科学をつきすすんでいる。2001~10年については、日欧米の国際共同研究として「2010年プロジェクト」がたちあがっている。このプロジェクトでは、シロイヌナズナのゲノム上のすべての遺伝子の発現のようすや、すべてのタンパク質の挙動のようすをしらべるといった大規模な解析が予定されている。

G.A. Maclean/Oxford Scientific Films


関連項目

かずさDNA研究所; シロイヌナズナ; 植物学; 植物
by momotaro-sakura | 2009-12-03 10:32 | ブログ