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「東大生ノート」が年間1600万冊も売れたワケ

2009年12月3日 12時00分
「東大生ノート」が年間1600万冊も売れたワケ
SMBCコンサルティングが発表した2009年のヒット商品番付で、原監督と並んで前頭の筆頭に挙がっているのが「東大生ノート」。太田あや氏が東大生に取材して集めたノート200冊を紹介した本「東大合格生のノートはかならず美しい」(文藝春秋)の出版にあわせ、著者と出版社、文具メーカーのコクヨS&Tが共同で調査を行い、東大に合格した受験生のノートを参考に新製品を開発。こうして生まれた「ドット入り罫線ノート」が、1年で1600万冊を売り上げたという。

「東大生ノート」と聞けば、「現役東大生が授業中にとっているノート」と思いがちだが、ヒットしたのはあくまでも「東大に合格した受験生」が、受験勉強の際に作ったノートを参考にした商品だ。

実際のところ、それほどノートをとることに熱心でない現役の東大生は少なくない。特に語学や必修科目に関しては、クラスごとに「シケ対」(試験対策委員の略)が編成され、彼らが分担してノートをとり、「シケプリ」(試験対策プリントの略)と呼ばれるまとめノートを作って配布するシステムが確立されている。テスト前にみんなこれを使って準備するため、シケプリにミスがあるとクラス全員同じ問題で不正解になる...とは、東大教員歴20年の知人の話。とはいえ、東大生はそれでも総じて「ノートをとる方」なのだという。

彼は他の某有名私大でも講義を持っているが、こちらの学生はほとんどがノートをとらないとか。「ノート持込可」の試験でもノートを持参せず、点も取れない学生がやたら多いのだそう。他の大学でも似た問題があるようで、入学したての1年生にはまず「ノートのとり方」なる講義を行うところもあるらしい。

そういえば、上記の「東大生ノート本」は、書店ではビジネス書のコーナーにある。同じコーナーには、「『結果を出す人』はノートに何を書いているのか」「A6ノートで仕事を超仕組み化しなさい」など、ノートの使い方を指南する本がずらりと並んでいるではないか。ノートの使い方がわからずに悩むのは、実は卒業して社会人になってからなのか。一見ごく普通のノートがヒットしたのにはこうした背景があるのかも。

(『シゴトの計画』編集部)



by momotaro-sakura | 2009-12-03 14:02 | ブログ