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記憶つなぐ光 神戸ルミナリエ開幕

記憶つなぐ光 神戸ルミナリエ開幕
2009年12月04日
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幻想的な輝きを放つ東遊園地の光の壁掛け「スパッリエーラ」=神戸市中央区、西畑志朗撮影

 阪神大震災からまもなく15年を迎える街に、今年も無数の光が浮かび上がった。神戸市中央区の旧外国人居留地で3日開幕した「神戸ルミナリエ」。訪れた人々は点灯直前にやんだ雨にぬれた光の彫刻を見上げ、震災の記憶をつなぐ決意を新たにした。(小野大輔、清野貴幸、笹井継夫)


 午後5時45分。来場者は会場西側の入り口であった点灯式で、震災の犠牲者に黙祷(もく・とう)した。市立明親小学校の児童111人が復興を願う歌「しあわせ運べるように」を合唱した後の午後6時、鐘の音を合図に光の回廊「ガレリア」などが次々と瞬いた。
 被災者ら約90人でつくる「いのりのとき合唱団」が初めて録音に参加したオリジナル鎮魂歌が流れる中、被災者や仕事を終えた会社員らが光の芸術に見入った。
 「1回目のルミナリエを見て、『神戸が元気になれる』と希望を持てたことを思い出します」。10年ぶりに足を運んだ吉田美紗子さん(67)=神戸市東灘区=は言葉を詰まらせた。震災の朝、散歩中に激しい揺れに襲われた。伏せると、目の前の地面が真っ二つに割れた。震災後の生活はつらかったが、互いに助け合った近所の人たちの優しさが記憶に残る。「あの時の気持ちを忘れず、みんなで手を取り合って生きていけたら」
 自営業辻本勝さん(53)=大阪市港区=は震災当時、神戸市中央区の会社の営業所に4日間泊まり込み、神戸市役所のパソコンの復旧作業に携わった。「震災の年に被災者が立ち上がって始まったルミナリエを通し、人の心の強さに心を打たれた。これからも続けてほしい」。祖父が壊れた自宅の下敷きになって亡くなった女子高校生(17)=西宮市=は「来て良かった。これからも祖父に見守っていてほしい」と話した。
 主婦中川道代さん(38)=同=は、光に包まれた1歳と3歳の娘を見つめながらつぶやいた。「ルミナリエを通じて子どもたちに生きるということの大切さを教えたい」



◆恒例宝くじ 400万枚販売
 神戸ルミナリエが開幕した3日、恒例の「ルミナリエ宝くじ」(1枚200円)が発売された。閉幕の14日まで、会場の東遊園地(神戸市役所南側)と近畿各府県の宝くじ売り場で計400万枚が販売される。収益の一部は神戸ルミナリエの運営費に充てられる。
 当たりがその場で分かるスクラッチくじで、50万円の1等16本▽3万円の2等500本▽1万円の3等1千本▽2千円の4等4万本▽1千円のルミナリエ賞16万240本▽200円の5等40万本。


(※同じ記事が『阪神大震災15年』のコーナーにも掲載されております。ご了承ください)
by momotaro-sakura | 2009-12-04 10:35 | ブログ