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富士通社長人事 8人抜き、若返り図る

富士通社長人事 8人抜き、若返り図る


富士通の新社長に内定し、記者会見で間塚道義会長兼社長(左)と握手する山本正己副社長(22日、東京・港区で)=吉川綾美撮影 富士通が22日発表した山本正己執行役員常務(56)が8人抜きで次期社長に就き、副社長にも新たに50歳代の4人を起用する人事は、経営陣の若返りで、経営刷新を社内外にアピールするのが狙いだ。

 社長を兼務していた間塚道義会長(66)は会長業に専念する。ただ、今回の人事は、執行役員の入れ替えにとどまり、経営を監督する取締役会には、手を付けなかった。

 3代前の社長の秋草直之相談役(71)は依然、取締役として影響力を保持しているとの見方もあり、6月末までに決定する取締役の人事に注目が集まりそうだ。

 社内の指名委員会で山本氏を社長に選んだ理由について、間塚氏は記者会見で、急激な事業環境の変化に対応できる柔軟性に加え、「若さも大変重要な要素だと思っている」と説明した。

 富士通では昨年9月、前任の野副州旦(のぞえくにあき)社長(62)が病気療養を理由に突然退任し、間塚氏が一時的に社長を兼務する“異常事態”が続いていた。当初は、2人いる代表権のある副社長からの順送り人事も検討されたが、結局は、常務の抜てき人事で決着させた。

 富士通では、秋草相談役が取締役に残る一方で、2代前の社長の黒川博昭氏(66)や野副氏は取締役を退任している。記者会見で、間塚氏は「(秋草氏に)ああしろ、こうしろと言われたことはない」と影響力を全面的に否定したが、秋草氏の「院政」を指摘する声は根強い。


新社長に就任する山本正己(やまもとまさみ)氏 56
技術畑「攻めの姿勢で」
 変化の激しい情報通信産業での生き残りをかけて、富士通のかじ取りを任されたのは、時代の変遷に対応してきた技術者だった。間塚氏から18日に社長就任を打診されると、一瞬迷ったが、数分後には、「責任を全うします」ときっぱり答えた。

 入社して最初の15年間は、日本語ワープロとしてヒットした「オアシス」の開発を担当。今でも、富士通が開発した独自の入力方法「親指シフト」への誇りは強い。その後もパソコン、携帯電話、企業向けサーバーを手がけ、常に最先端のIT(情報技術)機器を担当してきた。

 富士通の事業は、システム構築など情報サービス部門に重心を置いているが、「人との接点となるパソコンや携帯電話は、今後も重要」と強調する。

 大学時代は、剣道部に所属した。座右の銘の「心技体」を胸に、海外市場の開拓に「攻めの姿勢で臨む」と緊張した面持ちで語った。(三宅隆政)

(2010年1月23日 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2010-01-23 12:00