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角界また不祥事…招待席に暴力団、親方2人処分へ

角界また不祥事…招待席に暴力団、親方2人処分へ

09年7月の大相撲名古屋場所。土俵に最も近い部分が「維持員席」
Photo By 共同
 昨年7月に行われた大相撲名古屋場所で、木瀬親方(40=元幕内・肥後ノ海)と清見潟親方(64=元幕内・大竜川)が手配した入場券を指定暴力団山口組系弘道会の幹部らが入手し、場所中の15日間に延べ50人以上が観戦していたことが25日、分かった。観戦した席は本来は転売禁止とされる後援者向けの“招待席”。愛知県警は2人から任意で話を聴き、日本相撲協会も27日の理事会で処分することを検討している。

 愛知県警は木瀬親方と清見潟親方が暴力団幹部らに便宜を図った可能性もあるとみて任意で話を聴いた。2人はいずれも「暴力団に(入場券が)渡るとは知らなかった」と説明したという。

 木瀬親方はこの日、岐阜県に出張中だった。一方の清見潟親方は東京都内の自宅で本紙の取材に応じ「4、5年前から木瀬親方に頼まれて、お茶屋さんを通じチケットを渡していた。暴力団関係者に渡っていたことは知らなかった。責任を感じていますし、(相撲協会の)処分は受けます」と神妙に話した。

 県警によれば暴力団幹部らが入手し観戦していたのは、土俵下に設けられた「維持員」向けの特別席。相撲協会は一定額の寄付金などを納めた法人や後援者らを「維持員」と認め、本場所中のたまり席(通称砂かぶり)を15日間で合計300席割り当てている。原則として維持員以外の使用はできないが、事前に使用しないことが明らかな場合には、関係者が転売するケースもあるという。

 入場の際には維持員の証明書と入場券が必要で、親方らは入場券を販売する「茶屋」と呼ばれる相撲案内所に、15日間通しで観戦できる維持員名義の入場券数枚を手配するよう依頼。入場券は親方から複数の人物を介し弘道会幹部に渡ったとみられる。幹部は証明書も何らかの方法で入手したもようだ。

 相撲協会の陸奥広報部長(元大関・霧島)はこの日「きょうのところは話すことはありません。あすにも検討し、対応させていただきます」と話しており、27日の定例理事会(東京・両国国技館)に2人を呼び処分を協議する見通しだ。

 山口組6代目組長は元弘道会会長で、現在刑務所に服役中。土俵下はテレビ中継に映ることから、県警は弘道会幹部らがテレビ放送を通じて自分たちの姿を組長に見せようとしたのではないかとみている。

 ≪初場所でも…≫警視庁などによると今年1月の初場所(両国国技館)でも指定暴力団住吉会系組長が特別席で観戦し、案内員に注意され一般観客席に移動していた。この事は相撲協会の理事会でも報告されていた。警視庁はテレビを通じて服役中の組員に姿を見せる目的だったとみて、維持員席の券の入手経緯などを調べている。相撲協会では、今年から維持員の入場券の裏側に転売禁止の文言を追加。券面に記名欄を設けるプランも検討していた。

 ◆木村瀬平(きむら・せへい=本名・坂本直人)1969年(昭44)9月23日、熊本県熊本市出身の40歳。日大から幕下付け出しでデビュー。肥後ノ海のしこ名で活躍し最高位は前頭筆頭。02年九州場所で引退。03年12月に三保ケ関部屋から独立し、幕内・清瀬海、十両・臥牙丸らを育てた。

 ◆清見潟一男(きよみがた・かずお=本名・和田一男)1946(昭21)1月21日、兵庫県加古川市出身の64歳。現役時代は大竜川のしこ名で活躍。敢闘賞2回、最高位は前頭筆頭。79年夏場所限りで引退し、現在は三保ケ関部屋の部屋付き親方。

 ◆相撲界最近の不祥事 

 ▼07年6月 愛知県犬山市の時津風部屋宿舎で序ノ口力士、斉藤俊さん(当時17)が稽古終了後に急死。前時津風親方(元小結・双津竜)の指示で兄弟子らが暴行を加えていた事実が発覚し、社会問題化。

 ▼08年8月 ロシア出身の幕内・若ノ鵬が大麻所持で逮捕。相撲協会から解雇される。

 ▼同年9月 大麻に関する抜き打ち尿検査で、幕内・露鵬、十両・白露山のロシア人兄弟が陽性反応を示し、理事会で解雇処分を受ける。2人は力士としての復帰を求め、現在も係争中。

 ▼10年1月 横綱・朝青龍が東京都内で泥酔し、知人に暴行したと週刊誌が報道。朝青龍は騒動を起こした責任を取って2月に引退。5月に警視庁から任意での事情聴取を受けた。

 ▼同年3月 幕下格行司の木村林之助が長男の背中を蹴って軽いケガを負わせたとして、傷害の疑いで逮捕された。

 ▼同年5月 大関・琴光喜が野球賭博に染まり、口止め料1億円を恐喝されたと週刊誌が報道。


[ 2010年05月26日 ]
by momotaro-sakura | 2010-05-26 07:15 | ブログ