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希土類元素(きどるいげんそ、rare earth elements、レア・アース)

希土類元素(きどるいげんそ、rare earth elements、レア・アース)は、スカンジウム 21Sc、イットリウム 39Y、ランタン 57La からルテチウム 71Lu までの17元素からなるグループである(元素記号の左下は原子番号)。周期表で表すと、第3族のうち(第4周期から)第6周期までの元素である。なお、希土類・希土とは、希土類元素の酸化物である。

これらの元素は化学的性質が互いによく似ている。性質を若干異にするスカンジウムおよび天然に存在しないプロメチウム以外の元素は、ゼノタイムやイオン吸着鉱などの同じ鉱石中に相伴って産出し、単独で分離することが難しい。そのため、混合物であるミッシュメタルとして利用されることも多い。金や銀などの貴金属に比べて地殻に存在する割合は多いが、単独の元素を分離精製するのが難しいため2007年の現在でも「Rare=稀」な元素である[1]。



分類 [編集]
希土類元素のうちスカンジウムとイットリウム以外の15元素はランタノイドである。

明確な定義はないが、希土のうち原子番号の小さいものを軽希土、大きいものを重希土と呼ぶ。中間のものを中希土と呼ぶこともある。

元素ごとに分離されたものを分離希土、分離されていないものを混合希土(ミッシュメタル)と呼ぶ。

産地 [編集]
中国が世界の産出量の90%以上を占めており、その他の産地もインド、オーストラリア、ブラジルなどに偏在している。日本は世界需要の約半分を占めるが、大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っている。最近の中国の経済成長によって中国からの輸出が減少しており、世界的な需給バランスの逼迫が懸念されている。

最近の研究で日本国内のマンガン鉱床に花崗岩を上回る割合で希土類元素が含有されている事が判明し、現状打破の新たな資源として注目されている。また、火力発電所等の集塵機で回収される石炭や石油の灰にも含まれている為、今後の利用促進が期待される。また、海底のマンガン団塊やコバルトクラスト、熱水鉱床等の海洋資源も供給源として期待される。

ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)の中重希土類は、これらを多く含むイオン吸着鉱が中国でしか産出しない。今後、需要が増加すると見られるハイブリッドカーや電気自動車用の高出力モーターの磁石にネオジム(Nd)とジスプロシウム(Dy)の添加で保磁力が高まるため、不足が懸念される。中土類の産生が期待されるカナダのThor Lake鉱山の稼動開始が2010–2011年であり、少なくともそれまでは、中国に依存する体制が続く[1]。
用途 [編集]
水素吸蔵合金、二次電池原料、光学ガラス、強力な希土類磁石、蛍光体、研磨材などの材料となる。
マグネシウム合金に微量添加することで機械的特性を向上することが知られている。
レア・アースの種類と用途例[1] 用途 21
Sc 39
Y 57
La 58
Ce 59
Pr 60
Nd 61
Pm 62
Sm 63
Eu 64
Gd 65
Tb 66
Dy 67
Ho 68
Er 69
Tm 70
Yb
磁石 ○ ○ ○
光磁気ディスク ○ ○
蛍光体 ○ ○ ○ ○
レーザー ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
光ファイバ増幅器 ○ ○
コンデンサ ○ ○ ○
水素吸蔵合金 ○

出典 [編集]
1.^ a b c 日経エレクトロニクス 2007年8月27日号「レア・アース」
関連項目 [編集]
レアメタル
白雲鉱区: 世界最大の希土類元素鉱床・バイヤンオボ鉱床がある、中国内蒙古自治区包頭市の市轄区。
白雲鉱区(バイユン/バイヤン/バヤン-こうく)は中華人民共和国内モンゴル自治区包頭市の北部に位置する市轄区。ランタンやセリウムなどの軽希土類元素に富む世界最大級の希土類元素鉱床である白雲鄂博(バイヤンオボ)鉱床があり、中国包頭鋼鉄グループにより露天掘り採掘が行われている

キドカラー:日立製作所が製造・販売していたカラーテレビの商標・愛称。輝度を上げる為にブラウン管内部の蛍光体材料に希土類が用いられたことから「輝度」と「希土」をかけて「キドカラー」と名付けられた。
外部リンク [編集]
日本希土類学会
社団法人新金属協会
レアアース資源を供給する鉱床タイプ



カナダ鉱山
http://resource.ashigaru.jp/top_mine_1.canada.html

by momotaro-sakura | 2010-08-29 08:30