ホメオパシー否定、広がる波紋=代替医療への影響も懸念

2010年8月30日 05時11分
ホメオパシー否定、広がる波紋=代替医療への影響も懸念  科学者の代表集団である日本学術会議が民間療法「ホメオパシー」を全面否定する会長談話を出したことに、波紋が広がっている。日本医師会など9団体が相次いで賛同する一方、政府が推進を検討している代替医療全体への影響も懸念される。

 ホメオパシーは、植物や鉱物などを水に入れて極端に希釈し、砂糖玉に染み込ませて用いる。山口県では、必要なビタミンKの代わりにこの砂糖玉を投与された乳児が死亡し、訴訟に発展した。

 会長談話は、治療効果があるとの主張を「荒唐無稽(むけい)」と切り捨て、治療に用いることは「厳に慎むべきだ」とした。特定の療法を強く否定する談話は極めて異例だ。

 問題視するのは、必要で有効な治療を受ける機会を逃す恐れがあること。「欧米ではエイズの治療に使って悪化するなど何年も前から問題になっている。日本ではまだだと思ったら死者が出てしまった」と唐木英明副会長。ホメオパシーを信じる人が多い欧米では規制が難しいといい、広がる前に先手を打った形だ。 


ホメオパシーは、「健康な人間に与えたら似た症状をひき起こすであろう物質をある症状を持つ患者に極く僅か与えることにより、体の抵抗力を引き出し症状を軽減する」という理論およびそれに基づく行為である。ホメオパシーは、200年以上前にドイツ人医師が提案した思想をもとにした理論である。今日でもイギリスを中心とした複数の国にホメオパシーは浸透しているが、少なくとも科学的な効果は全くないといえる。学術誌を含むいくつかの文献によって、科学的根拠及び有効性を示す試験結果が欠落していることが指摘されている[1][2][3][4][5]。特に、2005年ランセット誌に掲載された論文(これまでのホメオパシーに関する臨床試験を綿密に検討し、メタアナリシスを行った上、プラセボ以上の効果はないと結論づけた)はホメオパシーの有効性研究に対する集大成であり、最終結論と評価されている[6]。また、サイモン・シンらが行った根拠に基づいた医療(EBM)手法を用いた調査において、ホメオパシーはプラセボ以上の効果を持たないとして、その代替医療性は完全に否定されている。近年日本国内でも、与えるべきビタミンKシロップを与えず、いわゆる「レメディー」を用いて新生児を死に至らしめたとして助産師が訴訟を起こされた(「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」参照[7])ように、現代医学や科学的な思考の否定をその構造にもつホメオパシーの危険性を指摘する声は高まっている。

未だイギリス、インド、中南米各国など民間医療として普及している国は多いが、自然科学の研究者の間ではホメオパシーが疑似科学であることは間違いないとされており、日本においては日本学術会議が2010年8月24日、ホメオパシーは荒唐無稽と公式発表し、その効果について全面否定し、医療従事者が治療法に用いないよう求める会長談話を発表[8][9][10]した。

歴史 [編集]
ウィキメディア・コモンズには、サームエル・ハーネマンに関連するマルチメディアおよびカテゴリがあります。ウィキソースにHahnemann, Samuel Christian Friedrichに関するブリタニカ百科事典第11版のテキストがあります。
サームエル・ハーネマンホメオパシーは、ドイツの医師医療ライターであるサミュエル・クリスティアン・フリードリヒ・ハーネマン(Samuel Christian Friedrich Hahnemann, 1755年 - 1843年)によって創始された。

マラリアの治療薬であるキニーネを自ら飲んだところマラリアそっくりの症状が(キニーネの重篤な副作用にマラリアの黒水熱に似た症状がある)出たことが、この理論を考案するきっかけとなったという。ハーネマンの主著『オルガノン』(1810年刊)によると、彼は類似したものは類似したものを治すという「類似の法則」を発見し、ある物質を健康な人に投与した時に起こる症状を治す薬として、その物質そのものが有効であると彼は考えた。さらに、その物質が限りなく薄く希釈される(ハーネマンの表現を借りれば「物質的でなくなる」)ほど治癒能力を得ることが出来ると考えたのだ。ギリシア語で「同じ」を意味する ὅμοιος- と、「苦しむ」を意味する πάθος の合成語として「ホメオパシー」という語を造語した(ホメオパシーの対義語として、一般的・伝統的な医療を「異なる」 ἄλλος と πάϑος を合成した「アロパシー」(allopathy) という用語で呼ぶことがある)。これが、ホメオパシーの起源である。 [ハーネマンの死後、ホメオパスたちは二分した。いわゆる「低効能派」は希釈度合を濃くしたレメディーを患者に投薬し、「原理派」はあくまでハーネマンの主張通りの薬効を主張している。現在、ホメオパシーには大別して「クラシカル」と「プラクティカル」の2派があるといわれ、前者はハーネマンの理論を重視して、症状にふさわしいレメディーを処方する。一方後者は、複数の1970年頃にハーネマンの理論を見直す動きから生まれたとされるが、複数種のレメディーの処方を推奨している。

理論 [編集]
(以下はホメオパシー信奉者による主張であり、科学的根拠は与えられていないことに注意)

ハーネマンの理論を踏襲した現代のホメオパシーは、ある病状を引き起こす成分をそのままでは有毒であるので水によって極めて高度に希釈したものを砂糖に染み込ませる。希釈の度合いは様々であり、10倍希釈を9回繰り返したものを9X、100倍希釈を200回繰り返したものを200Cなどと表現する。最もよく用いられるのは30C、すなわち10030=1060倍に希釈したものである。これがいわゆるレメディーである。希釈の度合いは、通常の科学的常識に反し、薄めれば薄めるほど効くとされる。あまりにも高度に希釈されているため原成分は1分子も残っていない可能性が高く[11]、科学的にはそれはただの砂糖玉であるが、ホメオパス達もそれを否定していない[12][13]。レメディーのもとになる原成分としては、各種の薬草、鉱物などが多い(主なレメディーの一覧:英語)。

レメディーは、すでに現れている症状の治療目的に使われることもあるが、本格的な「治療」に当たっては、表面に表れた症状よりも、その病気を引き起こした根本的な原因を「治療」しようとする。このために、レメディーの服用にあたっては「ホメオパス」と呼ばれるホメオパシー「治療」を専門に行う者の処方による。ホメオパスになるためには数年の訓練が必要とされ、そのための専門のスクールも存在する。

このようにレメディーの元となる薬効成分は多くの場合極めて高度に希釈されており、元となる物質は1分子も含まれていないが、そこには元となる物質の「オーラ」や「波動」、「パターン」が染みこんでいて[14]、1分子も含まれていない毒物(成分は1分子も含まれていないためリスクは全くない、という)の「パターン」や「波動」に対する体の抵抗力を引き出すことにより、自己治癒力などが高まるとする。 ホメオパシーのレメディーが効くかどうかは波長が合うか合わないかで決まるので、本質的には必要な波の影響しか受けない。それゆえホメオパシーのレメディーは必要な時にしか効かず、健康体の人にレメディーを処方しても何の効果もない。ある病気の人に適切なレメディーを処方した時のみに効果がある。このため副作用のない最良の療法であるとされる。ただ、希釈濃度を変えずに毎日多量のレメディーを飲み続けると、危険で重大な影響が起こるとハーネマンは注意している。 ホメオパスは人が健康なら体も健康という基本的な考えの元に働きかけ、心理的、感情的、精神的な状態に適合したレメディーを処方する。このため、ホメオパスとのセッション(面会)では、十分な時間(2時間程度の事が多い)をかけ、患者の心理的、精神的な状態や、成長の過程、とくに過去の大きな問題についてのインタビューが持たれる。そうして基本的な人のタイプを見て、現在の問題を判断しレメディーが処方される。

日本ホメオパシー協会は、レメディーは医薬品ではなく食品であると主張しており[15]、レメディーが効能・効果をもつ医薬品であるとうたわれた場合や、あたかも医薬品であり効能・効果があるという誤認を招く表現とともに販売された場合は、それぞれ薬事法、消費者保護法令に抵触する可能性が高い。

ホメオパシーと科学 [編集]
ホメオパシーの問題点は、その科学的裏付けが全く存在せず、臨床においても有効性が統計的に(つまり科学的に)全く立証されていないことである。実際、ホメオパシーは数百年前に立てられた「思想」であり、実際の治療効果を疑問視する医者は少なくとも100年以上前からすでに存在した。

ハーネマンを原理とする「少量の毒によって健康を増進する」という考え方は、アレルギー治療における減感作療法と類似したものと捉えられることもある。しかし与えられる物質はホメオパシーの理論上は「同種」とされるに過ぎず、医学的観点からはアレルゲンのような症状の原因ではないという点で減感作療法とは異なっている。 また、減感作療法についてはそれが有効であるということが科学的にも立証されており、またその効果は免疫に寛容を誘導することにより発揮されているというメカニズムも解明されている。しかし、ホメオパシーの理論では極度に低濃度の物質を用い、生体に何らかの影響を及ぼすことは考えにくいため(発案当時は分子や原子の存在が未確認であった)、この点においても減感作療法とは異なる。 レメディーの原料のほとんどは前述の薬草・鉱物・動物であるが、結核や梅毒などの病原菌、各種の癌細胞、場合によってはベルリンの壁の破片、X線、月光といった種々雑多な物体も使用される。これら性質も形状も全く異なるものが、「水で希釈する」という同一の操作によって治療薬となり得るというのは、科学的見地からは極めて考えにくい。

ホメオパシーには「自然治癒力」と言う単語がさかんに用いられている。本来これは「免疫学」の用語であるが、ホメオパシーと「自然治癒力」の関係性が「免疫学」の見地から科学的に立証されたことはない。また、ホメオパシー団体は「レメディーを服用することで医者にかからなくても症状が軽減した」という「体験談」を頻繁に利用し、その理論的根拠にしているが、そういった体験談と偶然の自然治癒を区別することは困難である。体験談の真実性・信憑性もさることながら、科学的根拠も有効な統計も存在しない。それにも拘らず彼らはレメディーを服用することによって体内の毒が排泄され、一時的に症状が悪化する「好転反応」が起こると主張している[16]。

これまでにもホメオパシーの有効性を立証したと主張する論文が何度か発表され、そのたびに議論になったが、いずれも対照群の設定や母集団の数、主観の入りにくい調査の実施などが不十分とされ信頼性は低いと判断されている。権威ある医学専門誌ランセットの2005年8月号に、ホメオパシーに関する臨床検討の論文110報をメタ解析した調査[6]が報告され、ここにおいてもホメオパシーの効果は「プラセボ」と同等であると結論されている。しばしば物質の記憶が残るのだという主張もされるが、液体状の水分子は流動的で熱運動によって常に情報が失われる方向へと構造が変化しており、例え一時的に水分子が造る構造に情報が記憶されたと仮定しても、物理的には次の瞬間(ピコ秒オーダー)にはその情報は失われていると解される。

以上の点を問題とする立場の者は、ホメオパシーが完全な疑似科学であるとする。ホメオパシー側はしばしばホメオパシーにプラセボ効果があることを主張している[17]。

プラセボ効果についても、効果以上の治癒効果の可能性が有る「代替医療」ではなく、全く治療効果のない「偽医療」であると主張している者もいる[18]。

各国での評価 [編集]
インドや南米の貧困国など一部で医学として認知されている地域も存在するが、先進国のほとんどではその科学的根拠の無さが指摘されて医療・科学の現場からは排除されている。

イギリスでは代替医療として公的保険の対象となった時期もあったが、議会がホメオパシーを「プラセボ以上の効果はなく公的保険の対象とするべきではない」と結論付け公的な保障は打ち切られつつある。

米メリーランド大学教授のロバート・L・パーク[19]等、その有効性について真っ向から反論するものも科学界には少なくない。また、ホメオパシー理論と思われる「水の記憶」の研究発表をした化学者として有名なジャック・ベンベニストには2度もイグノーベル賞が贈られている(1991年化学賞と1998年化学賞)[20]。しかし、どちらの研究も反証実験が行われており、その結果は否定されている[21] [22]。 又、病気の予防効果がないにもかかわらず予防薬として用いることが問題となっており、実際にマラリアに罹患するなどの被害が出ている。この件では、王立ロンドンホメオパシー病院理事で、エリザベス女王の主治医としても知られるペーター・フィッシャー (Peter Fisher, クラシカルホメオパス) ですらも、マラリア予防にホメオパシーを用いることを非難している[23]。

イギリス [編集]
イギリスにおいてホメオパシー代替医療の人気は高い[24]。2007年の市場規模は推定で3800万ポンド、2012年には4600万ポンドになると予測されている[25]。2000年頃より英国内6つの大学で理学士(BSc)の学位を提供し始めているものの、いくつかの大学では教材の開示を拒否しており、Central Lancashire大学とSalford大学ではホメオパシーの授業内容を公開することを拒否している[1]。これらの大学は主に職業訓練を行ってきた学校が、政府の機会均等方針によって大学の資格を与えられた教育機関が多い[1]。これはホメオパシーに不当な科学的信用性を与えるとして、懸念する科学者もいる[1]。英国においてこれほど隆盛している要因として、2006年に導入された法改正が指摘される。同規制において、ホメオパシー(ホメオパシーレメディ)に対する科学的義務(臨床試験データによる治療効果の証明)がなくなったため、科学的根拠のないホメオパシーレメディに対する規制を行うことができなくなっている。

ロンドン大学 ユニバーシティー・カレッジの薬理学者David Colquhoun氏は、大学がホメオパシーについて科学の学位を授けることは、科学ではなくて反科学(アンチサイエンス)であると批判している[2]。 英国王室内においてもホメオパシーは古くから利用されており、チャールズ皇太子は熱心なホメオパシー利用者として知られる。しかしながら彼の主張は、東洋医学、薬草医療、マッサージ、芸術など様々な代替医療を国民医療サービス(NHS)に組み込む事で、ホメオパシーのみを意図したものではないことに注意が必要である。一方で、彼の言動は非科学的であるという批判もある[26]。

また、マラリア予防、HIV治療などをホメオパシーに頼ることで生命の危険に晒される人が現れるなど社会問題化している。このような流れの中で、一部病院運営団体はホメオパシー治療の保険適用を拒否するなど、国民保健サービス基金の保険適用でのホメオパシー治療は保障されなくなりつつある[27]。

2010年2月22日イギリスの庶民院科学技術委員会(House of Commons Science and Technology Committee)が「プラセボと同程度の価値しかなく国家がNHS(公的保険として支援)とするに値しない」と結論づけ[28][29][30][31]、保険適用は国ではなく地元のNHSと医師の判断に委ねられた[32][33]。

同科学技術委員会ではまた、ホメオパシーレメディを販売する英国大手薬局チェーン店「Boots」のコンプライアンス責任者が「効くと信じている(believe)消費者からの需要があるから売っているだけで、効能に対する科学的証拠は持っていない。」と証言した。Boots: 'we sell homeopathic remedies because they sell, not because they work' - Telegraph

ドイツ [編集]
ドイツにおいては過去に「特殊な治療の形態」として認識された時期もあったが、2004年よりホメオパシー治療はいくつかの例外を除き公的な健康保険では保障されなくなった。またホメオパシーは大学教育において、医学のトピックの一部として取り扱われるだけで科学の一科目にはなっていない[1]。

現在でも薬局、インターネットの薬局でも風邪などの一般的な病気の対処法として多くのホメオパシーが取り扱われている。2004年以降現在でも、本人の希望があれば別料金になるがホメオパシーの治療がほとんどの健康保険で保障されている。内科、小児科でも特に重大な病気でない場合はホメオパシーを勧める場合がある。

スイス [編集]
スイスにおいては、医者に処方された場合に限りホメオパシー治療は公的な健康保険システムで保障されていた。しかしながら5年間の試験期間を経てもホメオパシー治療の効果が認められないとして、2005年より公的な健康保険システムでは保障されなくなった。ただし、一部民間の健康保険ではまだホメオパシー治療を保障するものも存在している。

アメリカ合衆国 [編集]
1978年当時ミズーリ大学のトーマス・D・ラッキー生化学教授が著書にて「ホルミシス効果」について発表した。国立衛生研究所 (NIH) の一部門である国立補完代替医療センター (NCCAM) においては、ホメオパシーの有効性については疑問視されており、健康食品と同等の扱いとなっている。

日本 [編集]
21世紀に入り、イギリスやアメリカなどホメオパシー先進国の影響を受けた新興の国内団体がつぎつぎに発足しているが、前述の「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」などの発生を受けて、その危険性を指摘する声も高まっている。 助産師とホメオパシーの親和性がたびたび批判され、助産師界のトップにホメオパシーを支持する人間がいるのではないかといった疑惑がある。

日本においては、イギリスのように公的保険の対象にはなっていない。しかし2010年(平成22年)1月28日の予算委員会で民主党の長妻昭厚生労働大臣が「統合医療の省内でプロジェクトチームをつくりまして、これを一本にまとめていくということで検討していくということであります。統合医療は、もう言うまでもなく、西洋医学だけではなくて、伝統医学、漢方、鍼灸、温泉療法、音楽療法、芸術療法、心身療法、自然療法、ハーブ療法、ホメオパチー(原文ママ)などいろいろな広がりがあるものでございまして、厚生労働省といたしましても、この二十二年度の予算でかなりこれまで以上に、研究分野の統合医療の研究について十億円以上の予算を計上しまして、その効果も含めた研究というのに取り組んでいきたい」と答弁した[34]。

2010年、国立市在住の43歳女性が、通っていたホメオパシー療術所「あかつき療術所」所属のホメオパス[35]の助言により体調の悪化にもかかわらず病院へ行かなかったため手遅れの悪性リンパ腫で死亡する事件が発生している[36]。この件は刑事事件としては立件されなかったものの、死亡した女性と親交のあった東村山市カンバーランド長老キリスト教会めぐみ教会荒瀬牧彦牧師が先頭に立ち「あかつき」問題を憂慮する会」を結成した。[37]

財団法人日本ホメオパシー財団は2008年12月1日に設立された[38]とされるが、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律が同日に施行されたため、同日以降の財団法人の設立はありえない(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律43条)。実体は株式会社ホメオパシージャパン、ホメオパシー出版株式会社と、次の「日本ホメオパシー医学協会」の企業群である。「ホメオパシージャパン系」と称される。

日本ホメオパシー医学協会は1998年4月に任意団体として設立され、日本ホメオパシー財団の財団法人設立とともに、その下部組織として編入されている。[39]
日本ホメオパシー医学協会の由井寅子(同協会の「認定ホメオパス」No.1)は、著書[40]において、インフルエンザに対するそのワクチンの有効性について疑義をとなえる一方で、朝日新聞の取材[41]に対して「ホメオパシーはガン治療にも有効である」と宣言している。
この他に医療関係者などにより構成される「日本ホメオパシー医学会」、「日本ホメオパシー振興会」などがあるが、「ホメオパシージャパン系」諸団体との直接の関係はない(しばしば対立している)。

これらの諸団体も含めて、日本においてホメオパシーを標榜する任意の団体、個人から、「ワクチン危険論」と称する主張がなされることがある(HPVワクチンに関する事例)。また、予防接種の不必要性についての喧伝がなされている。

2010年のハイチ地震に際し、日本ホメオパシー医学協会が支援する団体が現地入りし、2000人を超える人数をホメオパシーにより”治療”したと広報された。[42]また同団体は「雨季が始まると、デング熱、マラリア、コレラ、その他、熱帯地方の疾患を治すレメディーが必要とされるという大きな懸念があります。 」と宣言しているが、これら伝染病に対し適切な医学的処置をとらなかった場合、日本発のこの運動によって、現地に大変深刻な事態が起こることが懸念される。


2010年8月24日、日本学術会議はホメオパシーに関する会長談話を発表した。その声明で日本学術会議会長の金澤一郎は、

「科学的な医療改革・医学教育からのホメオパシーの排除により、質の高い現代医療が実現した」
「効果があるとする過去の論文は全て誤り」
「(ホメオパシーに)治療としての有効性がないことは科学的に証明されている」
「水の記憶などとは荒唐無稽」
「欧米では(ホメオパシーを)非科学的であることを知りつつ、信じる[43]人が多いために排除することが困難な状況」
「現段階でホメオパシーを信じる人は(日本国内では)それほど多くないが、医療現場から排除されないと『自然に近い安全で有効な治療という誤解』が広がり、欧米と同様の深刻な事態に陥ることが懸念される」
と指摘。「科学的根拠は明確に否定されており、医療関係者が治療に用いることは厳に慎むべき行為であり、多くの方に是非御理解頂きたい。」とした。

また同会議副会長唐木英明は「(非科学性や無効果である点を)十分理解した上で個人的に使うことは自由だが、科学的に全否定されているものを医療従事者が使うことは、通常医療を遠ざけることにつながり危険。日本学術会議として、『ホメオパシーは効かない』というメッセージを伝えることが重要と考えた」と説明した。[44]

インド [編集]
インドでは、十分な医療を受けることが出来ない貧困層も多いため、今も活発な伝統医学であるアーユルヴェーダの長い伝統が残り、イギリス等から持ち込まれたホメオパシーが医療の一部と認識されている。ガンジーがホメオパシーを最良の医療としたこと、お金がかからないということから70%の病気やけがの治療がホメオパシーで行われている[要出典]。 また、ホメオパシーの導入が進んだ国と考えられており、現代医学と同様に国家資格で治療している。アーユルヴェーダが病気治療よりも健康維持、健康増進を主な働きかけとするように、ホメオパシーもまた同様の目的で利用する人が多い。2007年において、およそ1億人が医療としてホメオパシーのみに頼っている。しかし、その一方では、ニューデリーの全インド医科学研究所の国立薬物監視センターが行った、120種の民間薬についての調査報告(2000年)によると、アーユルヴェーダ製品25種、ホメオパシー製品5種、その他の製品16種から副腎皮質ホルモンが検出されたこともある[45]。HIVに対する奇跡のホメオパシー治療薬の代金にするため、自分のトラクターを15万ルピーで売ったが、結局何の効果もなく、病状が悪化した男性の例なども報告されている[46]。

中南米 [編集]
インドと同様に十分な医療を受けることが出来ない貧困層が多いため、またホメオパシーが優れた医療であるという認識をもっている者も多いため、貧困層などを中心に広く行われている。

アフリカ諸国 [編集]
上記イギリスや日本の諸団体、およびそれら諸団体から支援を受ける団体が活動し、アフリカ諸国に患者の多いHIV(AIDS)や熱帯性の伝染病に対し、ホメオパシーで治る(科学療法、ワクチン等は効果なし。むしろ有害)などという宣伝活動を行っている。
by momotaro-sakura | 2010-08-30 10:44 | 健康管理/先端医療