初のペイオフ発動へ=振興銀、破綻申請―債務超過1000億円超

2010年9月10日 07時48分
初のペイオフ発動へ=振興銀、破綻申請―債務超過1000億円超  中小企業向け融資などを手掛ける日本振興銀行(東京)が1000億円超の債務超過に陥り、経営破綻(はたん)する見通しであることが10日、明らかになった。これを受け、政府と預金保険機構は同日、預金保険法に基づき、預金の払い戻し保証額を元本1000万円とその利子までとする「ペイオフ」を発動する方針を固めた。振興銀は民事再生法の適用を申請する。

 ペイオフ発動は1971年の制度創設後初めて。払い戻し保証額を超える部分は支払いが一部カットされる可能性がある。該当するのは約3500人の100億円程度で、預金者全体の約3%にとどまる見通し。

 振興銀は日銀出身で金融庁顧問も務めた木村剛前会長が中心になって2004年に開業した。金融庁は振興銀に対し、09年5月から異例の約10カ月に及ぶ検査を実施。今年5月に銀行法違反(検査忌避)など重大な法令違反があったと認定し、大口融資などを約4カ月間禁じる一部業務停止命令を発動した。さらに、金融庁は6月、検査忌避容疑で同行と役職員を警視庁に刑事告発し、警視庁が本格捜査に乗り出した。

 7月には警視庁が木村前会長や西野達也前社長らを逮捕。社外取締役の小畠晴喜氏(作家名・江上剛)が急きょ社長に就いて業務体制を刷新し、資本増強も模索していた。しかし、9月中間決算で多額の貸倒引当金を積むことを迫られ、債務超過に陥る見通しとなった


振興銀の場合、3月末時点では全預金(約11万口座、残高約5900億円)のうち、元本1千万円を超える預金は口座数で約4800、金額で687億円、預金保険の対象外の金額は200億円程度。足元では約4000口座、450億円程度に減少。保険でカバーされない金額は約100億円に減っているという。97%の預金口座は全額払い戻しを受けられ、影響が出ない見込みだ。

 預金保険機構は週末、複数の口座を持つ人の預金合計額を算出する「名寄せ」を実施、保護対象となる預金額を確定する。週明け以降、預金者は元本1千万円とその利息分まで預金の払い戻しを求めることができる。

 元本1千万円超の部分がどの程度カットされるかは地裁が民事再生計画を認可・決定した後に決まる。1千万円超部分の払い戻しが受けられるまで約1年かかる見通しだ。

 資金が必要で1年先まで待てない預金者は窓口に申し込めば、一定期間後に予想カット率に基づく「概算払い」も受けられる。予想カット率が5割の場合、1千万円超分が100万円なら50万円を仮払金として受け取る。1年後にカット率が確定した段階で、改めて差額を精算する仕組みだ。銀行から借り入れのある預金者は融資との相殺を申し込むこともできる。【日経新聞 03:00】
by momotaro-sakura | 2010-09-10 08:32