再始動・菅政権の課題…円高、予算、普天間

再始動・菅政権の課題…円高、予算、普天間
 民主党代表選を制した菅首相は、経済政策や外交・安全保障政策で難しい課題に直面することになる。

 参院で与党が過半数を下回る「ねじれ国会」を乗り切る展望が開けていないことに加え、党内には小沢前幹事長ら反主流派を抱える。16日で政権獲得から1年を迎える民主党にとって、厳しい局面が続く。

 ◆円高・景気対策◆

 首相にとって当面の最優先の課題は、円高・デフレ対応の景気対策だ。政府は雇用対策や家電エコポイント制度の延長などを柱とする総額9150億円の追加経済対策を閣議決定した。首相は「切れ目ない形で対応したい」として補正予算案を検討している。
 だが、補正予算案の時期や規模などをめぐっては、政府・与党内に対立がある。首相周辺は、財政出動に依存しない形の補正予算案を来年1月の通常国会の冒頭で成立させる構えだ。これに対し、小沢氏は「小出しでは効果がない」として、国債増発を視野に入れた大胆な財政出動を主張。秋の臨時国会への補正予算案提出を求める可能性がある。連立を組む国民新党にも大型補正論があり、首相への圧力は高まりそうだ。

 ◆11年度予算編成◆

 代表選では、子ども手当や農家の戸別所得補償を盛り込んだ昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)修正の是非が争点となった。これを受け、11年度予算をめぐって、党内の対立が再燃する可能性がある。

 首相は、マニフェストの修正はやむを得ないとの立場で、社会保障費などを除く政策的経費を各省一律に前年度比1割削減する概算要求基準を決めた。一方、小沢氏はマニフェスト尊重を掲げ、「(首相の予算編成は)自民党政権と同じような官僚主導だ」と強く反発。民主党の政策調査会などで、小沢氏に近い議員がマニフェスト順守を求め、政府を突き上げ、予算編成のやり直しを求める可能性がある。

 ◆ねじれ国会対応◆

 ねじれ国会への対応として、首相は法案ごとに野党の協力を得る「部分連合」を目指しているが、実現は容易ではない。
 予算案は与党が多数を占める衆院で可決すれば、参院で否決されても、衆院の優越規定で成立する。これに対し、赤字国債を発行するための公債発行特例法案など、予算執行に必要な予算関連法案は、野党の協力が得られるメドが立っていない。法案が審議される来春に政府・与党が国会運営で行き詰まるとの「3月危機」を懸念する声が民主党内から出ている。

 ◆普天間移設問題◆

 外交・安全保障政策の難題の一つが沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題だ。

 日米両政府は5月、同県名護市辺野古を移設先とすることで合意。具体的な工法や位置に関する専門家の検討を8月末までに完了することにしていたが、沖縄県から辺野古移設への同意が得られず、結論を先送りした。首相は早期移設が基地負担軽減につながると訴え、沖縄県側の理解を得る考えだが、小沢氏は日米合意の見直しに含みを持たせており、民主党内では辺野古移設反対論も根強い。

 12日の名護市議選では、移設受け入れ反対派が過半数を占め、同市への移設は一段と難しい環境になった。11月28日の沖縄県知事選で「県内移設」に反対する候補が勝てば、普天間返還の頓挫は現実味を帯びる


(2010年9月14日15時59分 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2010-09-14 18:39