ノーベル平和賞に劉暁波氏 投獄中の中国民主活動家

2010年10月9日 13時26分 毎日JP
<ノーベル平和賞>中国各紙、ほぼ黙殺  発表から一夜明けた9日付の中国各紙は、授与決定を非難する外務省報道局長の談話を伝えた国営新華社通信の配信記事を小さく掲載した。「劉暁波は罪人だ。こういう人物に平和賞を授与したのは平和賞への冒とくだ」との文言だが、扱いは事実上の黙殺に近い。


 9日付の香港紙「明報」(電子版)は、北京や上海、山東省などで民主活動家が劉氏へのノーベル平和賞授与決定を祝おうとしたところ、公安当局に妨害され、一部が連行されたと伝えた。



中国でノーベル平和賞のNHKニュース視聴できず 当局制限か
2010.10.8 18:30


 中国で8日、2010年のノーベル平和賞に同国で投獄中の劉暁波氏が選ばれたことを報じていたNHKの海外テレビ放送のニュース番組が、突然視聴できなくなった。画面が突然真っ暗になった。中国当局が放送を制限したとみられる。(中国総局)


ノーベル平和賞に劉暁波氏 
投獄中の中国民主活動家

2010.10.8 18:04出典・産経ニュース


劉暁波氏【ロンドン=木村正人】
 ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、中国共産党の一党独裁体制の廃止などを求めた「08憲章」の起草者で、中国で服役中の民主活動家、劉(りゅう)暁波(ぎょうは)氏(54)に2010年のノーベル平和賞を授与すると発表した。中国の民主活動家の受賞は初めてで、中国政府が激しく反発するのは必至だ。

 劉氏は吉林省出身で、北京師範大や米ハワイ大などで中国現代文学などを講義。1989年の天安門事件の際には、米国から帰国して天安門広場でハンストを実施し、逮捕された。

 天安門事件後、民主化運動の指導者や知識人の多くが海外に脱出する中、91年の出獄後も国内で民主化を求める論文を書き続けた。

 2008年、共産党の一党独裁体制の廃止や民主選挙の実施とともに、言論、宗教、集会、結社の自由などを求めた「08憲章」を、中国の学者ら303人の署名を添えてインターネット上に発表。劉氏はその直前に拘束された。
 10年2月、国家政権転覆扇動罪で懲役11年、政治的権利剥奪(はくだつ)2年の判決が確定。現在、遼寧省錦州市の刑務所で服役している。


ノルウェーのノーベル賞委員会によると、中国の外務省高官が今年6月、「(劉氏に平和賞を)授与すれば、ノルウェーと中国の関係は悪化するだろう」と同委に圧力をかけていた。

 劉氏のノーベル平和賞受賞を契機に、国際社会から中国の民主・人権状況に対して非難の声が高まる可能性がある。

 1989年にチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞した際、中国政府は激しく反発した。2000年には、フランスに亡命した作家、高行健氏が華人として初めてノーベル文学賞を受賞している。

 昨年のノーベル平和賞は、「核兵器のない世界」の実現を掲げたオバマ米大統領に授与された。




【プロフィル】劉暁波氏

りゅう・ぎょうは 1955年、吉林省長春市生まれ。88年、北京師範大文学部で博士号を取得。89年春、研究生活を送っていた米国から帰国し北京の民主化運動に参加。天安門事件後、反革命罪などでたびたび投獄される。

 2008年12月、「08憲章」を中心になって起草し発表。国家政権転覆扇動などの容疑で逮捕され、09年12月、北京の第一中級人民法院で懲役11年、政治的権利剥奪(はくだつ)2年の判決を受けた。10年2月には、北京の高級人民法院が劉氏の控訴を棄却、実刑判決が確定した。夫人は劉霞さん(49
)。
産経ニュース



零八憲章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


起草者の一人の劉暁波『零八憲章』(れいはちけんしょう、拼音: Língbā Xiànzhāng )は、1948年12月10日の『世界人権宣言』発表60周年の記念日となる2008年12月10日付け(実際の発表日は記念日前日の12月9日)で、中華人民共和国の作家劉暁波ら303名が連名で出した、中国の政治・社会体制について、中国共産党の一党独裁の終結、三権分立、民主化推進、人権状況の改善などを求めた宣言文のことである。

目次 [非表示]
1 概要
2 批判
3 内容
3.1 基本理念
3.2 主張
4 署名者の内訳
5 影響
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク

概要 [編集]
中華人民共和国は憲法で中国共産党を中華人民共和国を指導する政党として指定し、一党独裁制をとっている。また、人民代表大会を最高の国家権力機関と定めているが、中国共産党の意思に合う代表を選んで議決を行っており、中国共産党が国の権力を掌握しているのが実情である。

このため、党の方針に合わない思想を排除し、言論統制を行い、人権侵害が行われている実態がある。

このような中で、中国共産党の執権と政策に批判を行うことは身の安全が脅かされる行為であるが、中国の立憲100周年、『世界人権宣言』発表60周年、「民主の壁」誕生30周年、中国政府の『公民権および政治権に関する国際条約』締結10周年に当たる2008年の12月10日付で、前代未聞の303名もの有識者らが実名で政治体制の民主化や国民の人権保護などの状況改善を訴える意見を示したのが、『零八憲章』である。12月23日には署名者は6191人に膨れ上がった
[1]。

批判 [編集]
憲章はその時点での中国を「党の天下」と表現し、「党が政治、経済、社会の資源を独占し、大躍進や文化大革命、第二次天安門事件を生みだし、国民と国家が極めて大きな代価を払った」と批判している[2]。そのうえ、基本理念と主張を挙げている。 内容 [編集]
『零八憲章』は「前言」、「我々の基本理念」、「我々の基本主張」、「結び」の4部分と、一次集約段階で303名の実名による署名からなる。

基本理念 [編集]
自由 - 言論、出版、信仰、集会、結社、移動、ストライキやデモ示威等の権利
人権 - 人は国家の主体であり、国家は人民に服務し、政府は人民のために存在する
平等 - 公民は、社会的地位、職業、性別、経済的状況、種族、皮膚の色、宗教や政治思想にかかわらず、その人格、尊厳、自由はみな平等である
共和 - 「皆による自治と平和な共生」、分権制と利益バランスを求める
民主 - 主権は国民と国民が選んだ政府にある
憲政 - 法治によって政府権力を制限し行為の境界を主張する

主張 [編集]
基本理念に基づいて19の主張をする。

1.憲法改正
2.三権分立
3.立法と民主化 - 直接選挙による
4.司法の独立
5.公器公用 - 人民解放軍を共産党の軍隊から国軍にする、公務員の体制改革
6.人権保障
7.公職選挙
8.都市と地方の平等
9.結社の自由
10.集会の自由
11.言論の自由
12.宗教の自由
13.公民教育
14.財産保護
15.税制改革
16.社会保障
17.環境保護
18.連邦共和制度 - 香港、マカオの自由保護
19.正義 - 名誉回復など
署名者の内訳 [編集]
職業別に見ると、人権・民主活動家等78名、学者60名、作家・詩人37名、法律家34名、マスコミ関係者・フリーライター25名、芸術家・農民などその他69名となっている。これらの人達は著名な民主派知識人ともいわれる[2]。

地域別に見ると、香港、マカオを含まない中国大陸部に限られ、北京市80名、湖北省38名、上海市30名、広東省25名、浙江省24名、貴州省20名、山東省10名、その他76名となっているなど、地域的な人口分布に比例せず、偏りがある。

影響 [編集]
公表と同時に、賛同者の署名を募っており、共感した人がブログに転載するなど、内容が世界的に知られつつある。しかし、中国国内では政府側の指示で閲覧をできないようにする工作が行われている。

起草者の劉暁波ら数名が発表前日の12月8日に拘束されたと伝えられた。そのために、当局によるもみ消しを避けるために発表予定日の前日9日に公表されたと思われる。[3]

2009年12月25日、劉暁波は北京の第1中級人民法院で国家政権転覆扇動罪により懲役11年の判決を言い渡された



中国指導部に大きな試練 劉暁波氏のノーベル平和賞受賞 2010.10.8 18:23


2008年秋、中国の反体制派知識人を追悼する記念式典で弔辞を読み上げる劉暁波氏(関係者提供) 【北京=伊藤正】ノルウェー・ノーベル賞委員会が、中国の反体制作家、劉暁波氏にノーベル平和賞授与を決めた背景には、中国が経済発展の陰で、国民の民主的権利を抑圧しているとの国際的批判の高まりがある。中国政府は「内政干渉」と反発するだろうが、国内でも政治改革への圧力が強まる中、中国指導部は劉氏受賞への対応に苦慮しているとみられる。

 劉暁波氏が平和賞の有力候補と伝わった後、ある中国の知識人は「もし受賞すれば、共産党のおかげだな」と話した。劉氏に対する懲役11年の判決には、世界各国から批判と抗議の声が上がり、劉氏は一党独裁体制の犠牲者、民主化運動の殉教者として同情と共感を集めたからだ。

 1970年代末に改革・開放に転じて以来、中国は経済発展のために、対外開放路線を取り、国際化を進める一方、党に対抗する言論や活動は弾圧し続けた。改革・開放開始直後の79年、一党独裁を批判した魏京生氏を懲役15年に処したのに始まり、89年には、民主化運動を武力鎮圧した天安門事件が起こった。

 魏氏に適用された「反革命宣伝扇動罪」は、97年の刑法改正で国家政権転覆扇動罪と名称を変え、今回の劉暁波氏の罪名になったが、党批判を封じ込める本質は不変だ。弾圧は、言論にとどまらず、党の意に沿わない宗教活動や人権擁護運動にまで及んだ。
 中国の民主的権利や人権の抑圧には、欧米諸国、特に米国が批判し、改善を要求してきた。中国は、公式には「内政問題」として突っぱねる一方、天安門事件の政治犯を「病気治療」の名目で出国させるなど圧力を交わす取引に応じた。

 しかし中国が経済大国化し、発言力を増した近年は、欧米の対中圧力は著しく弱まった。昨年春以降、訪中した米国のペロシ下院議長やクリントン国務長官は人権問題に触れず、中国の知識人層を失望させた。11月に訪中したオバマ大統領も同様で、その翌月、劉暁波氏に重刑判決が出た。

 劉氏へのノーベル賞授与が、中国の民主化や人権問題への国際的関心を高めるのは間違いない。それは中国が軍事拡張を続け、北朝鮮やミャンマーなどの独裁政権と親密な関係を築いていることへの懸念も背景になっている。

 中国は天安門事件後、一党独裁下で、経済は急成長したが、同時にさまざまな矛盾が噴出、社会には不満が充満している。市場経済化に見合った政治改革が停滞し、少数の特権階層が果実を独占する腐敗構造が形成された結果である。

 中国指導部は社会各層から政治改革の圧力を受けており、「08憲章」で一つの方向を示した劉暁波氏の影響力を恐れたのが重刑を科した理由だった。その劉氏の受賞が国内に与える影響は、徐々に大きくなっていく可能性が高い。

 1984年のロサンゼルス五輪で中国選手が金メダル1号を獲得したとき「ゼロの突破」と国中がわいた。ノーベル賞も中国の悲願だが、今回の「ゼロの突破」は国内報道も規制されるだろう。

 経済はじめ多くの分野で国際標準化しながら、普遍的価値観を拒絶する中国を「異形の大国」と表現したのは、ある改革派の知識人だ。劉氏の受賞にどう対応するかは、内政問題も絡み中国指導部の試練になりつつある。
出典・産経ニュース


平和賞の推薦は2月1日に締め切られ、ノーベル研究所(オスロ)は、今年の候補として過去最多となる計237の個人・団体の推薦を受けた。ロイター通信は、中国の著名民主活動家、劉暁波氏や、ロシアの人権団体「メモリアル」などが候補に挙がっているとしている
by momotaro-sakura | 2010-10-08 18:17