巨額の「埋蔵借金」 特会仕分けで発掘? 国民負担も 林野事業は1.3兆円

巨額の「埋蔵借金」 特会仕分けで発掘? 
国民負担も 林野事業は1.3兆円


産経新聞 10月23日(土)7時57分配信

 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)が27日から行う「事業仕分け第3弾」の特別会計(特会)の見直しで、「埋蔵金」ならぬ「埋蔵借金」の扱いが大きな論点に浮上してきた。約1兆3千億円の借金を抱える国有林野事業特会は所管する農林水産省側が一般会計化を求める方針。仕分け人がこれを認めれば、莫大(ばくだい)な借金が国民の直接負担となる恐れがある。無駄削減を目指すはずの事業仕分けが、逆に新たな借金を発掘しかねないという皮肉な落とし穴に直面している。(坂本一之)

 蓮舫行政刷新担当相は22日の記者会見で「埋蔵金も埋蔵借金もどうすべきか議題として上がる」と述べ、今回の仕分けで、特会の負債の返済方法も議論する考えを強調した。

 象徴的なのは、国有林野事業特会が抱える巨額の借金。民主党が昨年発表した政策集「INDEX2009」は、「国有林野事業特会を廃止し組織・事業のすべてを一般会計で取り扱うなど抜本的に見直す」と明記しているが、農水省側はこの“政権公約”を盾に、借金ごと一般会計に繰り入れることを模索する。

 ただ政府内には、受益者負担の原則に基づいてやりくりされている特会の借金を、国民全体の税金で賄われる一般会計に一本化することに強い抵抗感がある。

 国有林野事業特会は木材販売などの事業収益で平成60年度までに約1兆3千億円の借金を完済する予定だが、財務省幹部は「返済するとしていながら一般会計に入れるのは無責任な対応」と批判する。

 他の特会でも、年金特会が約1兆5千億円、交付税および譲与税配付金特会も約33兆6千億円の借金を抱える。特会そのものの存廃を議論する今回の仕分けでは、こうした埋蔵借金問題を避けては通れない。 そもそも首相は1月の財務相就任時に「あらゆる特会や独立行政法人などの問題にしっかりと取り組んでいきたい」と意気込んだが、埋蔵借金の問題に主体的に動くことはなかった。

 にもかかわらず仕分け本番の土壇場に、首相と蓮舫氏が埋蔵借金をクローズアップしたのは、仕分けでの財源捻出(ねんしゅつ)に期待が高まるのに予防線を張るねらいがうかがえる。蓮舫氏らには仕分けで借金の数字を明らかにするだけでなく、国民の理解が得られる対処法を打ち出すことが迫られる

by momotaro-sakura | 2010-10-23 13:01