植物由来のバイオ樹脂続々 素材各社、短所克服の製品開発加速

植物由来のバイオ樹脂続々 素材各社、短所克服の製品開発加速

 素材各社が植物由来の原料を使ったバイオ樹脂の開発を加速している。

JSRはトウモロコシなどからとれるポリ乳酸を原料に使った耐衝撃性の高いバイオ樹脂を開発し、バイオ樹脂分野に参入する。三菱ガス化学も耐熱性に優れたバイオ樹脂を開発し、販売に乗り出した。バイオ樹脂は環境負荷が少ない半面、石油由来の製品より耐衝撃性が低く成形しにくいなどの短所があったが、各社がこうした短所を克服する製品を相次ぎ投入し始めたことで、採用拡大によるコストダウンにも弾みがつきそうだ。

 JSRが11月に販売を始めるバイオ樹脂「バイオロイ」は、ポリ乳酸と、熱によって変形する「熱可塑性樹脂」を組み合わせた。両者を混ぜ合わせる際に使う添加剤を新規に開発したほか、混ぜ方も工夫し、ポリ乳酸を使った既存のバイオ樹脂に比べ耐衝撃性を約5倍に高めた。ポリ乳酸の配合率も5~80%まで変えることができ、幅広い用途や成形方法に対応できるのも特長だ。

 同社では食品包装フィルムや日用品の容器といったバイオ樹脂の採用が進みつつある分野に加え、高い耐衝撃性が求められる自動車の内外装部品や家電製品のケースなどにも採用が見込めるとみている。
 

三菱ガス化学は、原料の半分以上にひまし油からとれる化合物を使用し、耐熱性を高めたバイオ樹脂を開発、販売活動に乗り出した。開発した「ポリアミド樹脂」は、分子構造を最適化して耐熱性を高めたほか、融点を300度以下に抑え、成形や加工を容易にした。同社では耐熱性が求められるLED(発光ダイオード)の周辺部材や自動車のエンジン周辺部品などへの採用を見込んでおり、採用が広がれば新潟県と米バージニア州の工場で本格生産することも検討していく考え。

一方、東レはキヤノンと共同で、バイオ樹脂を使った印刷用複合機の外装部品を開発した。ポリ乳酸を重量比で25%使用。幅640×高さ440ミリ、重さは約1.1キロで、バイオ樹脂を使った従来の外装部品に比べ約11倍の大きさと約6.5倍の重さを実現した。

 キヤノンはこれまでもオフィス向けの複合機でバイオ樹脂を採用していたが、今回の開発により採用機種の拡大を計画している。サンケイ・ビッズ(井田通人)

by momotaro-sakura | 2010-10-27 13:34