北朝鮮砲撃:中国、米韓演習容認 現実路線に 管轄権で主張通す

北朝鮮砲撃:中国、米韓演習容認 現実路線に 管轄権で主張通す
 毎日JP【北京・浦松丈二】北朝鮮砲撃事件を受けた黄海での米韓合同軍事演習について、中国外務省が26日に「中国の排他的経済水域(EEZ)での軍事演習に反対する」と発表したことは、国内向けに譲歩したとの印象を与えず、合同演習を事実上容認する意味がある。中国はその見返りにEEZ海域の管轄権で自国の主張を米国に認めるよう突きつける思惑もありそうだ。

 黄海では中国、韓国、北朝鮮が主張するEEZが重なり、対立が続いている。また、公海であるEEZについて、軍事演習が自由にできるとする米国と管轄する沿岸国の許可が必要とする中国が対立してきた。28日からの合同演習が中国が主張するEEZの外で実施されれば、中国は国内向けに米国に主張を認めさせたと宣伝することができる

 中国外務省は今年7月に韓国哨戒艦沈没事件を受けた米空母黄海派遣について「外国軍艦船が黄海など中国の近海に入り、中国の安全保障上の利益に影響する」として断固反対を表明していた。

 米空母の黄海入りを許せば、北京が空母艦載機の作戦行動半径に入るため、防衛戦略上、容認できない事情があったとされる。

 しかし、今回の合同演習は北朝鮮の砲撃を受けた緊急の軍事作戦の色彩が濃い。そのため、中国が独自に反対しても演習を止めることは難しいと現実的判断をした模様だ。そこで、中国は軍などが主張していた「EEZ内での軍事演習反対」を持ち出すことで、演習を容認しながらも、米国にEEZでの自国の主張を認めさせる戦術に出たとみられる

 26日付の中国紙・環球時報によると、中国軍研究機関である中国国防大学の張召忠教授は米空母の黄海派遣について「中国(政府)は関心を表明したが、騒ぎ立てる必要はない」と主張。黄海での領海とEEZの管轄権を明確に表明するよう求めていた。

 EEZとは、国連海洋法条約に基づき設定が認められた経済的主権が及ぶ水域。自国の沿岸から最大200カイリ(約370キロ)の範囲。

by momotaro-sakura | 2010-11-27 08:26