元衆院副議長・渡部恒三 言葉の重み 自覚促したい

元衆院副議長・渡部恒三 言葉の重み 自覚促したい
2011.1.27 02:58 産経ニュース

 それにしても与謝野馨経済財政担当相の入閣には驚いた。私と与謝野君との付き合いは古い。自民党時代、私が「エネルギー懇話会」を作ったとき、彼や加藤紘一君(自民党元幹事長)ら田中派以外の者もメンバーに入ってくれて、一緒にアラスカ視察に行ったこともある。趣味も同じだ。自民党の国対委員長在任中、当時の社会党の審議拒否で10日も2週間も何もすることがないときに、彼に囲碁を教わったんだ。私も小沢一郎君(民主党元代表)も碁については彼の弟子だ。

 だけど戦前戦後を通じても、大臣やっていた党を政権を失ったからといってすぐに離党し、反対の党にいって、また大臣になるなんて話は聞いたことがない。やっぱり政治家にとってね、政策も大事だけど、それ以上に節操も大事じゃないか。

 ただ、少子高齢化が進んでも持続できる社会保障制度を構築しなければいけない。そのためには与野党を超えて取り組むべきだという主張は私が主張してきたこととまったく変わりはない。消費税を福祉目的税にして、年金も医療保険も介護も心配ありませんと国民に言えるようにする、これは党派を超えて政治家全員の責任だ。

 岡田克也民主党幹事長が、各党に呼びかけた「今後の国会運営のあり方に関する提案」の内容にもちょっと驚いた。

 参議院の問責決議や両院協議会の位置づけから、海外出張をする閣僚の欠席を認めろとか、質問の事前通告を前々日の正午までにしようだとか、いろいろ書いてあるが、あれでは10円から1万円の話まで一緒に並べるようなものだ。野党側が戸惑ったり反発したりするのもわからないでもない。


与党の幹事長が国会改革というからにはテーマはまず、国会議員の定数削減であるべきだ。税制改革を協議しようとしている矢先なんだから。それと、問責決議案のあり方。まずはこの2つに絞るべきだった。残りの項目は、議院運営委員会や国対委員長間で話し合えばいい。

 今はねじれ国会だ。野党が優勢な参院で問責決議が可決したとたん、首相も閣僚も自動的に辞任だということになったら、ねじれが解消されるまでの間、ずっと参院が衆院を左右することになりかねない。逆に、法的根拠がないとして、問責決議を無視して構わないということになれば、参院の権威を傷つける。いずれにしても、結果的に両院制への疑問につながってしまう。

 与党の幹事長にも総理大臣にも言葉の重み、国や政治を動かす中心にいるということをもっとよく考えてもらいたい。もちろん威張ったり、やりこめろという意味じゃない。

 1月6日に首相官邸に呼ばれた際も、菅直人首相に話したことだが、最近は予算委員会の審議で、質問に立った野党議員をやっつけて喜んでいるみたいなことがある。私が閣僚をしていたころは野党議員の顔をいかに立てるか、気を配ったものだ。

 相手がだれであっても謙虚に主張に耳を傾け、良い意見は取り入れるべきだ。言葉尻をとらえてはやっつけようとする野党議員の姿勢も恥ずかしいが、やり返して喜んでいるようでは国民の生活を守る首相、閣僚としていかがなものか。(わたなべ こうぞう)

by momotaro-sakura | 2011-01-27 10:16