明暗分けた“10秒”

明暗分けた“10秒
2011.2.26 10:08

 地震で倒壊したCTVビルに入居していた語学学校「キングズ・エデュケーション」。地震が襲ったのは、午前の授業が終わった後の昼食時間だった。助かった生徒らの証言から、同校カフェテリアで食事をしていた多数の日本人生徒らが行方不明になり、わずかに離れた場所にいた人は救出されていた。

 「悪い夢を見ているよう。今でも信じられない」

 同ビルが倒壊したのは、同校生徒のタイ人、ユワディさん(30)がビルを出たわずか10分後。22日午後0時50分ごろ、昼食を取るため付近の自宅に帰った直後、大きな揺れが襲った。四方から叫び声が聞こえる中、外に出ると周囲の風景は一変。ビルのあった場所は「何もなくなっていた。学校も友人もすべて」。

 午前の授業が終わったのは午後0時半。富山外国語専門学校の生徒ら、日本人生徒の多くは連れだって4階のカフェテリアに入ったという。そこでは当時、全部で60人ぐらいが食事をしていた。「トヤマから来た学生は昼、いつもそこで食事していた。ビルの外で食べていた学生らは助かった」とユワディさんはつぶやく。

 右脚切断の手術を受けて救出された奥田建人さん(19)=同専門学校1年=は「ランチタイムに友達みんなとカフェテリアでサンドイッチなどを食べていたら、揺れが強くなって床ごと下に落ちた」と当時の様子を語る。

 地元紙ニュージーランド・ヘラルドによると、日本人生徒を教えていたキングズ・エデュケーション教師のデービッド・ホースレイさんは、外出のため4階のエレベーターに乗ろうとして地震に遭遇。崩れずに残った建物のわずかな部分に取り残され、救助隊に救出された。10秒早くても、また10秒遅くてもがれきに埋もれていた。「自分が生き延びた理由はタイミングだけ」とホースレイさんは振り返る。(共同)

by momotaro-sakura | 2011-02-26 13:42 | ブログ