またも裏切られた自民鳥取県連…民主も困惑

またも裏切られた自民鳥取県連…民主も困惑

 昨年7月の参院選鳥取選挙区で初当選した自民党の浜田和幸議員(58)が復興担当の政務官就任含みで離党する意向を表明した27日、鳥取県内にも衝撃が走った。

 2009年末の田村耕太郎・前参議院議員の離党で、1955年の結党以来初めて参院の県内全2議席を失い、浜田氏の擁立で面目を保っただけに、同党県連の関係者は「有権者への裏切りだ」と一斉に非難。浜田氏は「復興のため」を強調したが、民主党県連内にも「得策なのか」と困惑する声が上がった。

 「信じられん」――。鳥取市の自民党県連では、午前11時頃から知らせを聞いた幹部らがテレビの前に陣取り、テレビニュースに見入った。

 昼過ぎに同県連で記者会見した山口享会長によると、県選出の国会議員や県連幹部に浜田氏からは事前の相談は一切なかったという。

 山口氏は「参院選では公認候補として民主党のマニフェストを痛烈に批判していた。離党して政権に加わるのは県民を愚弄する行為だ」と怒りをあらわに。浜田氏が「復興を進めるため」と説明していることについても、山口氏は「特例公債法案などの成立に向けて与野党協議の環境が整いつつある中、逆効果だ」と吐きすてた。

 浜田氏は09年12月の田村氏離党後、県連の要請に応えて参院選に出馬。衆院鳥取1区選出の石破政調会長らの全面支援を受けて当選を果たした経緯がある。

 石破氏はこの日「一票を入れてくれた人のことを考えて」と浜田氏に電話で慰留した。取材に対し「自分の選挙以上に注力したのに……。これで自民党と民主党の関係は決定的に悪くなる」と話した。

 一方の民主党県連にも困惑が広がっている。

 同党県連代表の湯原俊二・衆院議員は「参院選で戦った相手を政務官として迎え入れるというのは疑問」。参院選で同党公認として浜田氏に敗れた医師坂野真理さん(33)は「復興のために連立を含めた協議を野党と進めるなら理解できるが、一本釣りはおかしい。誘う方も誘う方だ」と党中央の動きを批判した。

 浜田氏は今月18日、若桜町で開かれた会合で「党派を超えて震災対策に取り組まなければならない」と熱弁を振るっていたという。参加した町内の男性(73)は「政局優先で震災対応が後回しになっている政治の現状に我慢ならなかったのか」と心情をおもんぱかる。

 一方、参院選で浜田氏に一票を投じたという米子市内の主婦(43)は「結果的に与党に取り込まれたのでは。政治家への不信感が深まるばかりです」とため息をついた。(野口英彦、大櫃裕一)

 ◆民主党に入る考え「まったくない」…一問一答◆

 浜田議員は27日、参院議員会館で記者会見し、政務官就任の打診を受けての思いを語った。

 「震災が起こって既に3か月以上がたち、国難の状況にあることはゆゆしき事態だ。自民党に対する思い、(私を)国政に送った鳥取県の気持ちを大事にしたいが、党派にこだわって日本がおかしくなるような状況は看過できない。一刻も早く力を合わせて厳しい状況を乗り越える道筋をつけたい」

 ――鳥取の有権者にどう説明を。

 「ポストが欲しければ、あとひと月かふた月しかない政権にあえて飛び込まない。私利私欲はない。日本は大震災の影響を受け、過酷な状態にある。今何をなすべきか。私を選んでくれた皆さんにも必ずわかってもらえる」

 ――ねじれ国会解消のための党利党略では。

 「そういう見方があるのは承知しているが、党利党略に引っ張られて国会議員の本来の使命や役割がおかしくなっているのでは。(与野党が)足を引っ張りあっている状況が日本のためになるのか」

 ――民主党に入る考えは。

 「まったくない」

 ――無所属か。

 「そうだ」

 ――議員辞職は。

 「議員の職に固執しているわけではないが、政務官として仕事をするとなると、制度的な面から国会議員である必要がある。私なりに国会の場で大きな仕事をして、与野党の一体化を考えたときにやるべきことがあると思っている」

(2011年6月28日12時56分 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2011-06-28 18:24