<東京電力>企業年金も「聖域とせず検討」西沢新社長が言明

<東京電力>企業年金も「聖域とせず検討」西沢新社長が言明
2011年6月29日 01時22分 (2011年6月29日 10時33分 更新)
 28日付で就任した東京電力の西沢俊夫新社長(60)は毎日新聞のインタビューに応じ、福島第1原発事故の巨額の損害賠償に対応するため、6000億円を計画する資産売却の上積みを図ると共に、幅広く行ってきた財界活動費を削減する方針を明らかにした。東電の活動費は企業の中で最大規模だが、合理化徹底には経団連や業界団体、経済産業省の外郭団体などへの拠出金・負担金削減も不可避。西沢社長は「(財界活動を)基本的に整理する」と明言した。企業年金給付額の減額については「社員への影響も踏まえなければならない」としつつも「聖域とせず、きちんと検討する」と予定利率引き下げなどを探る考えを示唆した。【立山清也、宮崎泰宏】

 一問一答は次の通り。

 −−未曽有の危機にトップを引き受けた理由は?

 ◆天命と決意した。まずは工程表に沿って福島第1原発事故の収束をやり遂げる。被災者への損害賠償にも国の支援の下、合理化を徹底して誠心誠意対応する。福島県民の方々に不安やご迷惑をかけた。これをぬぐい去るのが東電の責任。そのためにも、(国が東電の賠償を支援する枠組みを定めた)「原子力損害賠償支援機構法案」の国会での早期成立をお願いしたい。

 −−原発事故の賠償負担は兆円単位に上るとされ、追加の合理化策が求められます。

 ◆電力の安定供給に関係ない施設、海外も含めた関係会社、本社も含め6000億円以上の資産売却を行う方針を示しているが、それ以外でも聖域なく合理化を進める。財界活動での負担金も基本的に整理していく方向だ。

 −−東電の経営を監視する政府の第三者委員会は企業年金の見直しも求めています。

 ◆企業年金は働いてきた人たちの財産でもあり、人生設計にも関わる。その点も踏まえないといけないが、一切、聖域というのでなく、(減額など)きちんと検討させていただく。(対応が決まれば)結論を(社員やOBに)説明せざるを得ない。

 −−株主からは原発からの撤退を求める声も出ています。

 ◆今は福島第1原発事故収束に全精力を傾けており、原発の将来を言う立場にはない。今後、国も含めてコストや安全性、温暖化対策との関係、資源小国のエネルギー戦略などの面から多面的に議論されていくと思う。

 −−再生可能エネルギー普及や電力料金引き下げを狙いに、政府内で電力会社の発電部門と送電部門を分離する議論が出ています。

 ◆顧客へのメリットや安定供給への影響をきちんと議論してほしい。

(発送電一貫体制による地域独占には)批判もあろうが、東日本大震災後の計画停電をあれだけで抑えられたのは(発送電)一体で安定供給体制を築いてきたメリットだと思う。

 −−東電の今後は。

 ◆民間企業として経営を維持したい。(現実は)厳しいだろうが、さまざまな支援と協力を得て、自力で資金調達ができるようにしたい。(合理化による)厳しい痛みは覚悟している。

 【経歴】にしざわ・としお。75年、京都大経卒、東京電力入社。企画部長、常務などを歴任。28日の株主総会後の取締役会で社長に就任。長野県出身。

by momotaro-sakura | 2011-06-29 10:56