事故再発のリスクも=運行システムに重大な欠陥―中国高速鉄道

事故再発のリスクも=運行システムに重大な欠陥―中国高速鉄道
時事通信 7月24日(日)12時40分配信

 【北京時事】中国高速鉄道(中国版新幹線)の追突事故は、この国の列車運行・安全管理システムが抱える重大な欠陥を浮き彫りにした。営業最高時速300キロの北京―上海線も含め延べ1万キロ近い高速鉄道網で、事故が再発する恐れも懸念されている。
 事故があった2本の列車はいずれも当初、最高時速380キロの最新型とは異なるとみられていたが、中国メディアの報道によると、追突された列車は最新型とみられる。また、追突した後続の列車は北京―上海線を経由し、福州(福建省)に向かう途中だったことも判明。北京―上海線でも同様の事故が起きるリスクがあることが分かった。
 中国鉄道省によれば、高速鉄道の走行中にトラブルが発生した場合、本来は「自動停止システムが必ず始動する」(何華武技術主任)が、機能しなかった。しかも、追突した列車は時刻表の上では、衝突された列車よりも前に温州を通過するはずだった。順序が入れ替わった原因は調査中だが、各地の鉄道管理当局の管轄地域が複雑に入り組んでいることが影響した可能性もある。 中国は1990年代、高速鉄道の自主開発に乗り出し、試作車両も完成させたものの、故障の頻発など本格的な実用化には至らず、2004年から、外国から技術を導入する方針に転じた。
 しかし、日本や欧州、カナダから、車両や地上設備、運行管理システムの技術をバラバラに導入。鉄道関係者は「一体で提供しないと安全を保証できない」と重大事故のリスクを懸念してきた。中国政府がこうした声に謙虚に耳を傾けることができるか、注目される。 




高速鉄道計画に不安の声=広州と接続予定の香港
 【香港時事】中国浙江省温州市で23日発生した高速鉄道列車の追突脱線事故を受け、広東省広州市と結ぶ高速鉄道プロジェクトを進めている香港で、安全性について不安の声が出ている。
 24日付の香港紙リンゴ日報によると、広州-香港高速鉄道プロジェクトに批判的な市民団体の代表、黎広徳氏は「香港では以前から本土の鉄道の安全性に強い懸念があったが、今回の大事故で問題の深刻さが暴露された」と指摘。「広州-香港高速鉄道で香港側が管轄するのは香港域内の区間だけだ。これでは鉄道システム全体を信頼することはできない」と語った。
 また温州の事故に関して、香港のある鉄道専門家は「先進的な鉄道システムには列車の自動制御装置があるのに、なぜ追突事故が発生したのか。人為的な要因があったのではないか」と述べた。
 広州-香港高速鉄道は現在建設中で、2014年にも全線が開通する。
(2011/07/24-15:19)

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出典: サーチナ
危険を生んだ中国高速鉄道の背景(1)「無茶な大躍進」
Y! 【社会ニュース】 【この記事に対するコメント】 2011/07/24(日) 14:17



  浙江省温州市で23日夜、停車中の高速鉄道列車に後続列車が追突、脱線して車両の一部が高架から転落する事故が発生した。網易は24日、高速鉄道開通以後頻発する大小さまざまな事故について、中国高速鉄道の「大躍進」現象と、この現象を導いた鉄道業界の体質が原因であると論じた。
■「中国の鉄道高速化・高速鉄道」写真特集
  「大躍進」とは毛沢東氏が1950年代に進めた農工業増産政策。名称とは裏腹に大量の餓死者を出したことから、その後失策を揶揄(やゆ)する語としてしばしば使われるようになった。

  中国高速鉄道の「大躍進」は今年2月に失脚した劉志軍氏が2003年に鉄道部長に就任してから始まったと指摘。20年までに営業キロ10万キロを実現する『中長期鉄道網計画』のもと、大量の資金をつぎ込み急ピッチで新路線を建設してきたことに、専門家からは「やりすぎ」との指摘も出ていたと紹介した。

  ばく大な債務負担のほかに、「ドイツ人が2-3カ月かけて学ぶ高速鉄道運転を中国は10日で学ばせた。ドイツ人トレーナーが『無茶だ』と言ったが、中国側は『10日で北京に返す』と話した」という鉄道部機関誌『旅客報』の記事を紹介。人材育成方法においても「大躍進」は安全面で隠れたリスクを残したと分析した。(編集担当:柳川俊之)

危険を生んだ中国高速鉄道の背景(2)「政府独占でやりたい放題」
Y! 【社会ニュース】 【この記事に対するコメント】 2011/07/24(日) 14:57



  浙江省温州市で23日夜、停車中の高速鉄道列車に後続列車が追突、脱線して車両の一部が高架から転落する事故が発生した。網易は24日、高速鉄道開通以後頻発する大小さまざまな事故について、中国高速鉄道の「大躍進」現象と、この現象を導いた鉄道業界の体質が原因であると論じた。
■「中国の鉄道高速化・高速鉄道」写真特集
  高速鉄道の「大躍進」は表向きな現象であり、その根源には鉄道部が「ネットワーク独占者、大手運輸業者、価格制定者、運行制御者、業界管理者、行政執行者」を一手に掌握する「政企不分」があると指摘。直接的な採算勘定の必要がない鉄道部では一部の上層部が高規格、高速度ばかりを追求して行政権力を振るっているとした。

  鉄道部の元サブチーフエンジニア、周翊民氏は北京―上海、武漢―広州などの高速鉄道が当初の時速350-380キロメートルから300キロメートルに減速したことについて「外国企業との契約は時速300キロメートルが最高営業速度だった」と語った。劉志軍・前鉄道部長は在任中、一つ覚えのように何でもかんでも「世界一」と言っていたという。

  また、事故を起こした2本の列車がそれぞれ南昌鉄道局、上海鉄道局の管轄であったことを挙げ、「計画経済下鉄道事業のエリア分けにより、各地域鉄道局どうしの連係がとれていない」ことが悲劇を生んだとも分析した。

  最後に、中国高速鉄道の技術が「これまでわずか2度の脱線事故のみで死傷者を出していない日本の新幹線を上回ると自称」する鉄道部に対して「それならば、問題は体制にあるとしか言いようがない」と断じた。(編集担当:柳川俊之)
by momotaro-sakura | 2011-07-24 16:01