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【中国高速鉄道事故】

<中国高速鉄道>早期再開に市民ら疑念
毎日新聞
7月25日(月)23時41分配信

 中国の鉄道当局が高速鉄道事故で高架橋から落下した先頭車両を土中に埋め、事故からわずか1日半で運転を再開したことが反発と疑念を生んでいる。【温州(中国浙江省)隅俊之、北京・成沢健一、石原聖】

【写真特集】車両がぐしゃぐしゃに、埋められる先頭車両…事故を写真で

 事故現場では25日午後、列車が速度を落として警笛を鳴らしながら走行していた。市内の衣類メーカーに勤める林仁慶さん(33)は「1日半で安全が確認されるとは思えない。当面の移動は車か飛行機を使う」。寧波からの高速列車で温州南駅に到着した林思思さん(21)は「大丈夫かと緊張したが、便利なので使わざるをえないのが実情」と話した。

 05年4月に兵庫県尼崎市で起きた福知山線脱線事故で、現場検証や安全検査後に営業運転を再開したのは55日後だった。だが、中国では早期の運転再開は珍しくない。08年4月に山東省で70人が死亡した列車の正面衝突事故では、翌日に運転を再開した。

 北京・上海間を結ぶ高速鉄道(中国版新幹線)も6月末の開業後、トラブルが相次いでおり、25日夕にも安徽省定遠付近で送電設備に不具合が生じ、列車が一時停止するトラブルがあった。

 日本の鉄道評論家やJR、事故調査の専門家らは、中国当局が列車を埋めたことに「必要性が分からない」と一様に首をかしげる。鉄道評論家の川島令三さんは「中国がどのような形で運行を記録しているのか判然としないが、都合の悪い結果が出ないように埋めた面があるのではないか」と見る。
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【中国高速鉄道事故】
独自報道認めず 当局、責任問う声封じ込め狙う?
2011.7.25 08:10
高速鉄道事故現場の高架橋から降ろされる車両の一部=24日、中国浙江省温州市(共同)
 中国のメディア関係者は25日までに、浙江省温州市で起きた高速鉄道の列車追突事故について、中国共産党中央宣伝部が国内メディアに対して独自報道をしないよう求める通知を出したことを明らかにした。鉄道省報道官は24日深夜、死者は43人ではなく35人として国営通信新華社の報道を事実上修正。当局が情報管理や世論の動向に神経をとがらせていることをうかがわせた。

 関係者によると、通知を受け取ったのは事故翌日の24日午前。事故の報道は新華社の配信記事を使用し、独自取材に基づく報道をしないよう要求している。事故に対する当局の責任を問う声を封じ込める狙いがあるとみられる。新華社は24日夜、救助隊が新たに8遺体を発見したと報道。確認されていた死者35人と合わせ計43人となったが、鉄道省報道官は同日深夜の記者会見で、死者は35人と言明、負傷者も211人から192人に修正された。(共同)


<中国高速鉄道>事故の負傷者「安全だと信じていたのに」
2011年7月25日 01時09分 (2011年7月25日 02時17分 更新)毎日jp
 【温州(中国浙江省)隅俊之】「安全だったんじゃないのか」。乗客の家族は激しい怒りをぶちまけた。23日夜、高速鉄道の追突事故が起きた温州市の現場は雨で地面がぬかるみ、救出活動は難航していた。「こっちにもいる」と救助隊員の怒号が飛び交う。血まみれの乗客が担架で次々と運び出される。目撃者は「落ちた車両から運び出された女の子は息がないようだった」と涙声で語った。

 温州市中心部から西数キロの田園地帯。24日早朝、記者が現場に入ると、白地に青のラインが美しかった「和諧」号は黒ずんだ無残な姿をさらしていた。高さ約15メートルの高架橋から転げ落ちた1両は、地面に突き刺さるように高架橋にもたれかかっている。地面には落下した2両が完全に横倒しに。連結部が激しくひしゃげ銀色ににぶく光る。

 転落した4両のうち損傷が激しい先頭車両は運転室に事故の重要情報が残されているとみられるが、重機で粉々に取り壊され、地面に埋められた。残る3両や高架橋に取り残された車両は同日夕方までに地面に下ろされ、重機で並べられた。

 住民によると、事故発生の約1時間半前から降雨が激しくなり一帯の民家も停電していた。その後、切り裂くような金属音の後、激しい地響きが起こった。脱線した車両は盛り上がるようになった後、防音壁を乗り越えて約15メートル下まで転げ落ちたという。

 乗客の話では、追突された列車は現場の手前付近で急に速度が出なくなり臨時停車。「天候の理由で臨時停車します」とのアナウンスが流れた。その約7分後、再び動き始めたかと思った瞬間、後ろから激しい衝撃があり後続列車が追突。車内は助けを求める悲鳴で「地獄のようだった」という。

 追突した列車は、温州南駅への到着に向けて徐々に減速し、乗客の多くが立ち始めた時だった。乗客の一人は「衝突前に急ブレーキは感じなかった」と話した。闇の中を安全装置が働かずに衝突した可能性がある。

 現場から車で約20分の「温州手足外科医院」に搬送された陳姿さん(40)は夫卓煌さん(39)と長男睿※ちゃん(6)と先頭車両に乗っていた。全身打撲の陳さんの隣のベッドで、左目が腫れた睿※ちゃんが「家に帰りたい」と泣き叫ぶ。(※は吉が横に二つ)

 事故後、陳さんが気づいた時はベッドの上だった。夫は助かったのか、今も分からない。「安全だと信じていた高速鉄道で惨事が起きるなんて。二度と電車に乗ることなどできない」
by momotaro-sakura | 2011-07-25 08:52