首相退陣表明 県内 脱原発継承に賛否

福井
首相退陣表明 県内 脱原発継承に賛否

代表選に冷ややかな目も
 菅首相が退陣表明した26日、県内の政界関係者らから、菅首相が掲げた「脱原発依存」に対する賛否などとともに、後継者には、今後の原子力政策の明確化を求める声が上がった。一方で、「首相交代で政治が本当に良くなるのか疑問」と代表選を冷ややかな目でみる避難者らもいる。(青木さやか、小野隆明、冨山優介、久米浩之、辰巳隆博)

■評 価

 民主党県連幹事長の西本正俊県議は、菅首相が浜岡原発の運転停止を要請したことについて「発言が唐突で混乱を招いたが、地震発生の確率が高いことを考えると英断だった」などと一定の評価をした。だが、自民党の仲倉典克県議は「福島第一原発事故から5か月以上たっても、事故を踏まえた安全対策が示されていない。民主党政権が代わらない限り、国民は振り回される」と痛烈に批判した。

 関西電力美浜原発がある美浜町の山口治太郎町長は「次の首相は専門家の意見をきちんと聞いてすみやかに政策の方向性を示してほしい」と訴えた。

■将来像

 脱原発の意見書を可決した小浜、越前両市議会。池尾正彦・小浜市議長は「将来のエネルギー政策の議論をするきっかけになった」と評価し、嵐等・越前市議長は「新代表には古い原発の廃炉などを期待したい」と話した。7月に新たに発足した反原発団体「サヨナラ原発福井ネットワーク」の山崎隆敏代表は「方針を簡単に変えず、新たなエネルギー政策のあり方を示してほしい」と語った。

 一方、ある電力事業者の1人は「浜岡原発の停止要請で世論受けしたことに味をしめて、ひたすら脱原発に突き進んだ印象だった。自らの政権のため、原子力が目の敵にされたと思う」と話した。また、県経済団体連合会の川田達男会長は「脱原発を進めることが、経済にどの程度影響があるか、配慮してこなかった」と批判、「経済界の状況をよく見て、国益を考えた判断を」と指摘した。

■避難者

 県内に避難した福島出身者からは、事故の収束や補償が終わっていない中での首相退陣を疑問視する声も。福島県双葉町出身の川崎葉子さん(60)は「地域社会は崩壊し、避難者の気力、体力は限界だ。首相が代わっても同じでは。政治家には福島の人たちの悲痛な叫びをもっと聞いてほしい」と訴えた。

(2011年8月27日 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2011-08-27 07:15