新代表に野田氏 増税ラッシュ?

新代表に野田氏 増税ラッシュ?

2011年8月30日 07時11分東京新聞



 民主党代表選で野田佳彦財務相が勝利し、新首相に就任することが決まった。野田氏は、定期点検などで止めた既存原発は再稼働を認め、極度の電力不足を避ける方針だ。代表選では徐々にトーンを落としたが、財政再建重視なのは間違いない。震災復興や社会保障の対応で増税に踏み切るのは確実とみられ、国民は新たな負担を強いられそうだ。 (荒間一弘)

■原発再稼働に意欲

 原発政策について野田氏は「新たな原発は造れない。寿命が来たものは廃炉にしていく」と明言。廃炉までの間に新エネルギーを普及させ、併せて省エネ社会を構築していくことを訴えた。

 既存原発は安全性を点検のうえ、再稼働を認める。「来年の夏も電力が足りないとなったら経済が持たない。産業空洞化も進む」と、経済活動に配慮するためだ。


 再稼働を認めなければ、現在営業運転中の十三基のうち、八月に再開した北海道電力泊原発3号機以外は来年三月までに定期検査で止まる。国民は、より厳しい節電に取り組まざるを得ない可能性がある。

 立地自治体が反対する場合は、「国が責任を持って現場に行き、了解を得る」とし、再稼働に対する思いは強い。

■消費税も所得税も

 復興財源について野田氏は二十九日の演説で「議員定数や公務員人件費削減に取り組み、それでも財源が足りなければ国民にお願いするかもしれない」と述べた。「財務省推薦候補」などと言われ、「増税ありき」とみられるのを避けるため、代表選では、日に日に「行革」や「無駄削減」を強調した。

 しかし、復興債は、十兆円規模の時限的な所得税や法人税などの引き上げで償還することが政府方針。二十九日も、「政府税制調査会の作業部会が複数の選択肢を出してくるのを待ちたい」と述べ、考えに変わりがないことを示した。代表選で、社会保障と税の一体改革で消費税を10%程度に引き上げるのは政府・与党の決定と何度も強調した

 ただ、菅直人首相の消費税発言で昨年の参院選で惨敗して以来、民主党に「増税アレルギー」は強い。あらためて、党内の説得から始めなければならない。

■円高対策は期待薄

 歴史的な円高について野田氏は「必要なら断固たる措置を取る」と強調、繰り返し為替介入に踏み切る方針を強調している。震災復興が中心となる第三次補正予算にも企業の国内拠点の立地補助や、中小企業の金融支援などの円高・空洞化対策を盛り込むことを約束した。

 しかし、施策としては新味に欠けるうえ、力点は復興に置かざるを得ず、効果は限定的になりそうだ。

 二十四日には一千億ドル(約七兆六千億円)の基金を設置し、日本企業による海外企業の合併・買収(M&A)を支援する対策を発表したが「即効性がない」と批判され、実際、円高は止まっていない。

 市場は二の手、三の手を催促しており、野田新首相は難しい対応を迫られる。

(東京新聞)
by momotaro-sakura | 2011-08-30 09:46