暴力団排除条例、県内24市町村制定へ 未定は11

2011年8月22日(月)茨城新聞
暴力団排除条例、県内24市町村制定へ 未定は11

県内の市町村で暴力団排除条例を制定する動きが高まっている。県暴力団排除条例が4月に施行されて以降、県警から条例化を提言されているためだ。茨城新聞の取材によると、21日現在で土浦、石岡、龍ケ崎、かすみがうらの4市が施行。残り40市町村のうち、6割の24市町村が制定する方向で検討している。一方で、約3割の市町村は「県条例で補完できている」などの理由から状況を静観している。

■働き掛け
県条例は組事務所の開設や暴力団への利益供与、暴力団の公共工事への参入などを禁止する。組織の資金源になっている行為を取り締まり、活動を制限する効果が期待されている。

7月から条例を施行した土浦市は制定理由を「商業地は繁華街が多く、組事務所もある」と説明。かすみがうら市は「県条例に準じた。市民生活を脅かす存在を排除したい」と意欲を見せる。

市内に指定暴力団の組事務所が2カ所ある龍ケ崎市は「警察から働き掛けがあった」と明かす。同市を管轄する竜ケ崎署管内の河内町は9月議会に条例案を提出する予定だ。

■独自条項
石岡市は、県条例にはない市独自の条項を盛り込んだ。同市は昨年12月、県議選候補者の事務所に保冷車が突っ込み、男性がひかれて死亡する事件が発生。容疑者として暴力団関係者が複数逮捕された。

毎年9月に開かれ、約40万人の人出がある「石岡のおまつり」でも昨年、暴力団関係者とみられる人物がトラブルを起こした。

市条例は祭りなどの行事で暴力団を利用する行為を禁止した。暴力団員は露店を出せず、みこしの巡行に参加できない。行事の運営に支障を及ぼす行為をした場合、市は警察署長に対して安全確保に必要な措置を講ずるよう要請できる。市は今年9月のおまつり前に条例を施行するため、事件後から検討を始めた。8月に臨時議会を開き、議案を可決した。 

■温度差
条例を制定する予定がないのは11市町村。水戸市は「県条例が市民全体に適用されている」と主張。制定時期や独自条項の策定は未定としている。日立市も同じ理由で制定の予定はない。古河市の担当課職員は「他の市町村の動向を踏まえて検討する」と話す。

県警組織犯罪対策課によると、県内の指定暴力団は5団体、118組織で約1650人を把握。最大勢力は松葉会系で構成員全体の約42%、次いで住吉会系が約26%、山口組系が約20%と続く。

暴力団に関する相談を受けたり、企業向けの無料講習を開く県暴力追放推進センター(水戸市三の丸1丁目)の掛札栄一事務局長は「暴力団の排除は一つの力では足りない。社会全体で対処するのが大切」と話す。


by momotaro-sakura | 2011-09-06 07:03