発電から家庭まで一体 電機、総合力で世界狙う

日経ニュース
発電から家庭まで一体 電機、総合力で世界狙う
公開日時2011/11/4

 電機大手がスマートコミュニティーの技術開発を加速している。この分野では米ゼネラル・エレクトリック(GE)やIBM、独シーメンスなど世界の有力企業が先行している。これに対し日本の電機大手は太陽光や風力発電機器、交通システム、家電などを幅広く手掛け、これらをつなぐITも社内に蓄積するなど潜在力では負けていない。国内で実績を重ねたうえで、総合力を生かして海外展開に乗り出す。



柏の葉キャンパスシティで、省エネ型の植物工場の実験が続く
 「省エネだけでなく、太陽光で発電する『創エネ』や蓄電池でためる『蓄エネ』。総合的にソリューションを提供することが重要だ」。パナソニックの大坪文雄社長はスマートコミュニティー関連市場に照準を合わせる。薄型テレビなど家電製品の販売競争が激化するなか、「単品の商品で『こんな機能がある』という提案では不十分」と実感しているためだ。

 戦略は具体的に動き出した。神奈川県藤沢市の自社工場跡地で進めているプロジェクト。2013年度の開業を目指し、19ヘクタールの土地に住宅約1000戸を建てる計画で、すべての住宅に太陽光発電システムや蓄電池を設置する。先進の環境技術を駆使し、街全体の二酸化炭素(CO2)排出量を1990年に比べて7割減らす。藤沢での取り組みを最初の具体例と位置付け「国内はもちろん、世界で提案していく」(大坪社長)と事業展開を加速する。

 三井不動産と千葉県、柏市、千葉大学、東京大学などが連携して開発を進める柏の葉キャンパスシティ(千葉県柏市)。07年に一部分譲が始まったこの街で、日立製作所などが参加するエネルギー一元管理のためのシステムが始動する。

 14年の稼働を目指しており、管理する広さは国内最大級となる見込み。電気自動車の共同利用や省エネ型野菜工場の実証実験に取り組む。「ここでの試みを広く展開したい」(三井不動産の岩沙弘道会長)という。

 日立は中国重慶市とスマートコミュニティーの開発などで協力する。日本で身につけたきめ細かな街づくりの技術やノウハウを世界で生かす。

 東芝は大阪府茨木市で自社工場跡地にスマートコミュニティーを建設するための事業化調査に乗り出した。三菱電機は自社の研究所や工場が集積する兵庫県尼崎市でスマートグリッドの実証実験を始めた。電機各社の先陣争いが日本発のスマートコミュニティーの利便性を高めていく。

by momotaro-sakura | 2011-11-05 14:14