肺ガンを疑ったときの検査

肺ガンを疑ったときの検査
胸部エックス線撮影
骨や血管、臓器はエックス線を吸収する割合が高く、空気の多い肺はエックス線を透過
させる割合が高いことを利用しています。
肺は白っぽく、骨などは黒っぽく写ります。
癌などの病変はエックス線を吸収する割合が高いので、肺に出来た癌は白っぽい肺の
影の中に黒っぽく写ります。
但し、結核や他の肺疾患でも病変部が黒っぽく写るので即断出来ません。
逆に、黒っぽい部分が写っていなくても肺ガンでは無いと言い切れません。
また、心臓の陰になる肺門部(気管支から肺に入る太い器官)の癌は発見し難くいです。
 
胸部CT検査
身体の周囲360度方向からエックス線を照射し、エックス線センサーで身体を透過した
エックス線の強度を測り、その値から数学的に身体の各部のエックス線の透過度を求めるものです。
利点は、小さな病変組織でも写る、骨や心臓の背後の病変でも写る
欠点は、撮影に時間が掛かる、エックス線の被爆量が単純な胸部エックス線の数十倍になる
撮影枚数が多く、その上、撮影の度に呼吸を止めるなど面倒
 
シングルヘリカルCT
常のCT撮影では一つの断面を撮る度に患者を、頭足方向に動かし、呼吸を止めさせていましたが、ヘリカルCTではエックス線照射部と、それと対向して設置された
エックス線センサーが患者の周囲を螺旋状に回転しながら撮影します。
 
マルチスライスCT
シングルヘリカルCTを改良したもので1回呼吸を止めている間に、肺全部を一気に撮影
してしまいます。
そのため、呼吸の度に肺の各部の位置がずれることが無く、より小さな病変組織まで写すことが出来ます。
エックス線の被爆量は単純なCTと変わりません。
 
造影CT
CT撮影をするときに、エックス線を透過し難いヨウ素を含んだ水溶液を静脈に注入し、
縦隔(左右の胸腔の間にあり、前は胸骨、後は胸椎の椎体により境される部分)や肺門の
リンパ節が腫れているか。他の臓器に転移しているか。の確認には必須の検査です。
しかし、造影剤を注入することにより、一瞬熱感を覚え、
1~3%の人に蕁麻疹やむかつき症状が出ます。
また、稀にショック症状が起き、10万人に1人ぐらいは死に至ることがあります。
 
胸部MRI(磁気共鳴)
強い磁場の中に患者を置き、人体内の原子の状態から身体の内部を像にするものです。
メリットは任意の方向からの断面像が撮れる。放射線の被曝が無いことです。
デメリットは、ペースメーカーを使っている人や、治療のために人体内に金属を入れている人には使えないことです。
肺ガンに関しては必ずしも必要な検査ではありません。
 
腫瘍マーカー(血液検査)
癌細胞が作り出す物質や、
正常な細胞が癌細胞と反応して作る物質などを測る方法です。
手軽などで頻繁に行われますが、癌マーカーになる物質は健康な人にも出ることがあるので、確度が低い検査です。
肺ガンの確定診断

喀痰細胞診
肺癌では病変部から剥がれ落ちた癌細胞が痰に混じることがあります。
そこで、朝目覚めて直ぐの痰を乾かないように容器に入れて検査に出します。
検査回数が増すごとに確度が高くなるので、最低でも3回検査します。
簡便な検査ですが、癌細胞が痰に混じっていないことがあるので、痰から癌細胞が検出
されなくても癌では無いとは断定できません。
 
気管支鏡検査
鼻または口から直径6mmほどの気管支鏡を入れて気管支を観察し、病変部の細胞を
採取します。
気管支鏡を挿入するときは、喉と気道にスプレーで局部麻酔を掛けます。
検査入院の必要はありません。
 
擦過細胞診
気管支鏡を挿入し、病変部分から細胞を擦り取ってきて調べます。
癌が2cmほどの大きさの場合の確度は60%ほどで、
癌が小さいときは癌細胞を擦り取れないことがあります。
 
桂皮的肺穿法(CTガイド下肺針生検)
皮膚の上から細い針を通して病変部の細胞を採取します。
このとき、針が病変部に到達するようにCTで撮影しながら行います。
この検査では肺を覆っている胸膜に孔を開けるので、ここから空気が漏れて「気胸」を起こすことが10%ほどあります。
(気胸は1週間ぐらいで治ります)
その他、肺にある血管を刺しての出血(1日程度で収まる)、麻酔薬によるアレルギー、
ショックなどが起きることがあります。
このため、短期の検査入院が必要です。
そして、針が届き難い位置にある病変からは癌細胞が採取できない。
小さな病変では採取できないことがあるという問題があります。
このようにリスクが大きいので、無闇に行わない方がよいと言われています。
 
胸水細胞診
胸膜の間に水が溜まっている場合は、この水(胸水)には癌細胞が混じっていることがあるので、注射器で胸水を抜いて検査します。
但し、癌であっても癌細胞が混じっていないことがあるので癌細胞が検出されなくても
癌では無いと断定できません。
 
縦隔鏡検査
肺に病変部が見つからずに、気管の周囲のリンパ節が腫瘍で腫れている場合に行われる検査です。
全身麻酔を掛け、切開し、気管を押し退けて縦隔鏡(内視鏡)を入れて気管の周囲の
腫瘍組織を採取します。
 
胸腔鏡検査
胸腔内や肺表面の癌が疑われるときに行われます。
胸を切開し、胸腔鏡(内視鏡)を挿入します。
全身麻酔が必要です。
 
開胸生検
他の検査で癌の疑いが強く、癌が肺に留まっているときに行われます。
肺癌手術と同じ体制で臨み、癌と診断されると、癌の摘出手術に移行することが多いです。
by momotaro-sakura | 2012-05-16 11:11 | 健康管理/先端医療