<美浜原発>2号機運転40年 財政依存、延長にすがる地元


<美浜原発>2号機運転40年 財政依存、延長にすがる地元


2012年7月24日 22時38分 (2012年7月25日 00時31分 更新) 毎日新聞

 福井県美浜町の関西電力美浜原発2号機は25日、営業運転開始から40年を迎える。政府が定めた「40年廃炉ルール」が厳密に適用されれば、1、2号機に加え3号機も4年後に運転40年に達し、同町では、全国の立地自治体で初めて全原発が“寿命”を迎える。しかし、経済産業省は今月19日、現行制度に従って2号機の運転延長を認め、今国会で成立した「原子力規制委員会」設置法でも“抜け道”が設けられた。財政や経済を原発に頼る地元では、運転延長の可能性にすがる傾向が強まっている。

 今月12日、同町の山口治太郎町長らが40年ルールの慎重適用を求める要請書を経産省に提出した。同町では、電源3法交付金や原発の固定資産税など原子力関連の歳入が今年度一般会計当初予算の44%。原発関連の雇用も多く、飲食店や民宿も原発関連の客が頼みだ。しかし、政府が1月、「原発の運転期間は原則40年」と決定し、町から原発が消える危機感が強い。

 美浜原発1号機(34万キロワット)は1970年に運転を始め、72年に2号機(50万キロワット)、76年に3号機(82.6万キロワット)が続いた。2号機で91年、蒸気発生器の細管破断事故があり、国内で初めて緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動するなど大きなトラブルも多く経験している。

 関電の原発11基のうち8基に関し、再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)1次評価結果が経産省原子力安全・保安院に既に提出されたが、美浜1、2号機については後回しだ。両機を合わせても、後発の大飯3号機(118万キロワット)の7割の発電量にとどまることも背景にある。

 一昨年8月、町議会は、廃炉後に町内に後継機を建設することを条件に、1号機の40年超運転を了承。老朽化に不安の声も出たが、後継機建設で多額の交付金や雇用などが見込めるからだ。しかし、福島第1原発事故で状況は一変。原子力政策の見直しが進んで後継機建設は宙に浮いた。

 そうした中、先月成立の原子力規制委員会設置法に、同委発足後に40年廃炉ルールを見直す規定が盛り込まれた。また、同委の審査に通れば運転延長が可能なため、これらの可能性に町は期待を込める。
【柳楽未来】
by momotaro-sakura | 2012-07-25 10:55