無気力試合に「悲しい」 ロンドン五輪で主審の遠井さん

無気力試合に「悲しい」 ロンドン五輪で主審の遠井さん
(8月10日)下野新聞

 次の試合を有利に進めようと、ロンドン五輪バドミントン女子ダブルスで起きた前代未聞の「無気力試合」。4ペアが失格になった2試合のうち、1試合の主審を国際審判員として臨んだ宇都宮南高教諭遠井努さん(43)=上三川町在住=が務めた。「なぜオリンピックでこんなプレーができるのか。悲しかった」。8日未明に帰国した遠井さんが険しい表情で振り返った。

 問題の試合は大会4日目の7月31日。遠井さんは4ペアで争う1次リーグのA組1、2位を決める最終戦を担当した。世界ランク1位中国と同3位韓国の注目カード。「いい試合に当たったとすごく気合が入った。ところが始まってみたら…」

 両ペアは決勝トーナメントの組み合わせを有利にしようと2位通過狙い。サーブを何度もネットに掛けたり、ラリーもしない。会場は失笑とブーイングの嵐に包まれた。

 「国際大会でも消化試合で気のないプレーは見るが、許される範囲を超えていた」

 競技規則では「目に余る不品行な振る舞い」は処分対象となる。

 両ペアを呼び「勝つためのプレーを」と2度強く注意した。しかし一向に変わらない。処分権限を持つ競技役員長を呼び、より厳しい警告が示されたが、改善されないまま試合は終了。次の韓国-インドネシア戦でも繰り返され、翌日にベスト8の半分を占める4ペアが失格となった。
 主審として初めて臨んだ五輪。過去に例のない試合を裁いた後、競技役員長から「やれることをやってくれた」とねぎらいの言葉を掛けられたという。

by momotaro-sakura | 2012-08-10 09:34