大阪桐蔭の強さのわけは“脱タテ社会”

大阪桐蔭の強さのわけは“脱タテ社会”

デイリースポーツ 8月24日(金)7時36分配信



 「高校野球・決勝、大阪桐蔭3‐0光星学院」(23日、甲子園)

 大阪桐蔭が3季連続決勝進出の光星学院を下し、平成になってからでは最多となる夏3度目の優勝を飾った。センバツ優勝から投打ともひと回り進化。“平成の王者”は追われる立場のプレッシャーに押しつぶされることもなく、前評判通りの力を発揮した。

 選手たちの手で3度、宙を舞った西谷浩一監督(42)は「うちの形で勝ち取った春夏連覇だと思います」と感慨に浸った。春の優勝後も、選手たちは一切慢心を見せなかった。逆に「このままではダメだ」と引き締め合い、西谷監督が「唯一、想定外だったのは、選手に緩みが出なかったこと」と驚くほどだった。

 春以降、エース・藤浪の成長と並行し、攻撃では走塁強化にポイントを置いた。今大会7本塁打の強打が注目されるが、この日は7安打のうち4本が内野安打。五回の2点は4番・田端からの3連続内野安打と敵失で奪ったもの。七回には田端に犠打をさせるなど足を絡めた小技で攻め続けた。

 西谷監督が「上達する欲を持ち続けたチーム。スポンジで言えば乾いた状態で、まだ伸びる、向上心が強い」と表現するように、野球に対するナインの意識は高い。練習での全力疾走、室内練習場では深夜まで自主的にバットを振り込む姿がある。誰から言われるわけではなく、それが伝統として受け継がれている。

 西谷監督は93年に同校コーチに就任すると、下級生が上級生の洗濯をするなどといった“タテ社会”の雑用をなくした。練習時間が公平になり、早い段階から能力を発揮する下級生も現れた

 藤浪をリードした2年生捕手の森は、先輩投手にも物おじせず冷静な意見を出す。日本一目前の九回2死一塁でマウンドに集まった際には「最後は三振を取って、ウイニングボールを僕に下さいね」と笑顔で藤浪に話しかけ、緊張を解いた。
 “約束”通りに藤浪が三振を奪うと、森はボールをポケットに入れた。「試合後、藤浪さんに『ウイニングボールありがとう』と言うと、『アホか、オレのじゃ』と言われました。まだ僕が持ってるけど、たぶん宿舎に帰ったら取られます…」。この大らかな関係が、今年の大阪桐蔭の強さを表している

by momotaro-sakura | 2012-08-24 09:15