サムスン存在感、日本市場で増す…スマホ訴訟

サムスン存在感、日本市場で増す…スマホ訴訟

 スマートフォン(高機能携帯電話)の特許を巡る米アップルと韓国サムスン電子の訴訟で、東京地裁ではサムスン側勝訴の判決が出た。

 日本市場ではサムスンの存在感がさらに大きくなりそうだが、各国で異なる司法判断も相次いでおり、関連業界は当分、両社の訴訟合戦に振り回される状況が続きそうだ。(中根靖明、鹿川庸一郎)

 世界のスマートフォン市場は、アップルの「iPhone」(アイフォーン)シリーズが終始リードしてきた。しかし、サムスンのスマートフォンは、日本市場でもアップルのライバルとしての地位を固めつつあり、シェア(占有率)を伸ばしている。躍進のきっかけはアイフォーンを扱っていないNTTドコモが、サムスンの「ギャラクシー」シリーズを主力機種に位置づけたことだ。

 調査会社BCNによると、6月末に発売した「ギャラクシーS3」は7月の携帯電話の販売台数で、アイフォーンを抑えて国内トップに立った。世界共通モデルに、ドコモとの共同開発で日本独自の「おサイフケータイ」機能などを加えたのが好評を得た。

 アップルとサムスンの訴訟で、もし米国に続いて日本でも敗訴すればサムスン製品のイメージダウンが深刻だったとみる向きも多かっただけに、サムスン勝訴でドコモも胸をなでおろしている

 調査会社MM総研によると、国内市場の2011年度のスマートフォン出荷台数は2417万台と、前年度の2・8倍に急増した。12年度は2790万台に伸びるとみられる。携帯電話全体でみても、11年度のメーカー別順位で、アップルは前年度の6位から2位に急伸した。サムスンは2年連続8位だが、シェアを前年度から約5割伸ばした。

 両社は世界市場での販売力を背景に、スマートフォン開発に巨額の投資をしている。スマートフォン需要が伸びるほど、2社に有利とみられ、国内市場頼みの日本メーカーは苦戦を強いられる構図となっている。

 ただ、アップルとサムスンは、これまで世界10か国で訴訟合戦を繰り広げており、東京地裁でも、アップルが画面表示に関する特許をサムスンに侵害されたとしている別の訴訟が残っている。サムスンの株価は、米国での特許侵害の認定後に急落した。今後も訴訟の行方がアップルとサムスンの競争を左右しそうで、巻き返しを図る日本勢の動向にも影響しそうだ。

(2012年9月1日 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2012-09-01 16:43