矢板に最終処分場案「突然決め打ち、なぜ」 地元 強烈な拒否反応

矢板に最終処分場案「突然決め打ち、なぜ」 地元 強烈な拒否反応

東京新聞2012年9月4日



 突然の提示に、地元は強烈な拒否反応を見せた。東京電力福島第一原発事故で発生した高濃度の放射性廃棄物の処分をめぐり、環境省が三日、矢板市塩田の国有地に候補を絞った最終処分場。市内の除染作業を本格化させる中、新たな壁に住民は不安を隠さない。二〇一四年度中の廃棄物の搬入開始を目指す計画が、いきなりつまずいた。 (神田要一、磯谷佳宏)
 「突然のことで、どう答えていいのか…。助けてあげなきゃという気持ちもあるけど、自分のところに来るとなると何とも複雑」。矢板市役所を訪れた市内の主婦(68)は、放射性セシウムが一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超える県内の指定廃棄物を一手に引き受けることを聞くと、言葉を失った。
 処分場の候補地となった山林は塩谷町とも接するが、県庁で会見した環境省の担当者は「処分場を囲むように尾根があり、隔離されている」と、外部への影響は少ないとした。処分場はコンクリート壁を二重に設け、上から土をかぶせ、屋根も付ける設計。「一〇万ベクレルを超える廃棄物を処分する構造」と安全面も強調した。
 だが、矢板市選出の斎藤淳一郎県議は「地区で話を聞いて回ったが、やはり反対。いきなり一カ所に決め打ちするのはどうか」と断じた。環境省は会見で「地元の理解を得るのが第一」と一定の配慮も見せたが、斎藤氏は「住民説明会だって、地元の力を借りなければ開くことも難しい」。国が自ら生んだ溝の深さを代弁する。
 矢板市役所への訪問に先立ち、県庁を訪ねた環境省の横光克彦副大臣は「八〇〇〇ベクレルを超える廃棄物が各地に保管されているのは好ましくない。集約して処理する場所が決まったのは、国の責任としては一歩前進」と自己評価していた。だが、水面下で選定を進めた結果、地元から招いた予想以上の反発。今後の混迷も予想される。
 国の責任で処分場を設置するよう求めてきた福田富一知事は横光副大臣と会談後、「場所の選定が百パーセントそこでいいかは、県は県で検証する必要がある」と説明。この課題に横断的に対応するため、県庁内に調整組織を今後設ける考えを示した。

by momotaro-sakura | 2012-09-04 08:49