レアアースの効率的なリサイクルで中国離れ加速?

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8/2810:12
<話題>レアアースの効率的なリサイクルで中国離れ加速?
 中国商務省は22日、12年第2回目のレアアース輸出割り当て枠を合計9770トンにすると発表した。内訳は軽希土類が8537トン、中重希土類が1233トンとなったもよう。第1回の割り当てと合わせると輸出枠は3万996トンとなり、前年同期に比べ2.7%の増加となった。同国のレアアース輸出規制に関し、日米欧によるWTO(世界貿易機関)へのパネル(紛争処理小委員会)設置要求もあり、輸出枠拡大への動きにつながった面もあるようだ。

 今回は中国が規制を緩めて譲歩した格好だが、レアアースは中国外交の切り札の一つであり、レアアースのリサイクル体制の確立が求められている。すでに国内では、レアアースを「使用しない」または「大幅に削減」する動きが進む。日立製作所<6501.T>は、「ネオジム」や「ジスプロシウム」といったレアアースを使用せず、急速冷却で凝固させたアルモファス金属で代替する技術を開発。東芝<6502.T>は、ネオジム磁石に比べ磁力が劣るサマリウム・コバルト磁石に同社独自の熱処理技術を使い、同等以上の磁力を持つ高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石の開発に成功している。
 NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は21日、使用済みレアアース磁石のリサイクル技術開発事業として、使用済みのハイブリッド自動車や家電製品から効率的にレアアースを取り出す技術の開発・実証の助成先を決定した。助成先には、日立、三菱マテリアル<5711.T>、豊田通商<8015.T>と共同申請した豊田メタル(非上場)、豊通リサイクル(非上場)の3グループが選定された。

 日立は、省エネ家電製品やストレージ装置などから回収したレアアース磁石から、低コスト・低環境負荷でレアアースを抽出・分離するプロセス技術を開発するとともに、環境影響などを含めた統合コスト評価を行う。

 三菱マテリアルは、ホンダ<7267.T>製のハイブリッド自動車を、豊田通商グループ3社はトヨタ<7203.T>製ハイブリッド自動車をそれぞれ主な対象として、駆動用モーターからレアアース磁石を効率的に回収するための技術を開発する。また、使用済みハイブリッド自動車を回収するプロセスなどを含めた、リサイクルシステム全体の設計や実証なども行う計画。


 「都市鉱山」とも呼ばれるほど、レアアースをはじめレアメタルなど希少金属を使用した製品が多く普及しており、再利用を効率化、低コスト化するための技術開発の進展、中国一国への依存という状況の変化にも期待がかかる

提供:モーニングスター社
by momotaro-sakura | 2012-09-05 09:25