EV急速充電4000カ所整備 日産・住商など20年メド

日経ニュース
EV急速充電4000カ所整備 日産・住商など20年メド
広がる連携、普及に弾み

公開日時2012/9/5 0:16
 日産自動車と住友商事、JX日鉱日石エネルギーなどは4日、共同で電気自動車(EV)の急速充電設備を2020年までに4000カ所に増やすと発表した。各社が独自に展開する有料サービスも相互に使えるようにする。国内には4万カ所近いガソリンスタンドがあるが、充電拠点もその1割を超す規模に増える。消費者にはEVを運転する環境が整い、新車購入時の選択肢が広がりそうだ。


 電池の性能が技術革新の途上にあるEVは、1回当たりの充電で走れる距離が短いのが課題とされていた。国内の急速充電設備は現在約1300カ所、EV自体も累計3万台程度しか普及していないのが現状だ。

 今回、充電設備の設置で中心になるのは日産、住商と昭和シェル石油が出資する「ジャパンチャージネットワーク」(JCN)。同社はまずファミリーマートや東日本高速道路、成田国際空港などと連携し自動車販売店やコンビニ、高速道路のパーキングエリアなど首都圏約20カ所に急速充電設備を設ける。

 JCNはこれまで急速充電設備の普及を促すために充電サービスを無償で提供していた。10月からは有料に切り替え、専用決済カードで1回420円(最も使用頻度が少ないプラン)から充電サービスを提供。事業化をめざす。

 一方、1月に会員制充電事業を始めたJX日鉱日石エネルギーや出光興産など石油元売り4社とも提携。首都圏を中心に約30カ所のガソリンスタンドでサービスをしている4社の決済カードと利用しあえるようにする。

 今後は充電設備の整備も共同で進め、20年にも計4000カ所に拠点を増やす。設置コストは1カ所400万~500万円程度。国内のガソリンスタンドの1割に相当する規模まで増えればEVの普及に追い風となる。JCNは20年にもEVの普及が50万台以上(累計)に達するとみている。

 自動車業界の試算によればガソリン車1台をEVに換えた時の二酸化炭素(CO2)の年間削減量は約0.9トン。EVが50万台普及すると年45万トン程度(保有台数で計算した自動車の総排出量の1%弱)のCO2削減につながる可能性がある。

 充電サービスはトヨタ自動車や中部電力も独自に展開。日立製作所やNTTデータなども充電インフラ整備のための実証実験に取り組んでいる。

 EVの急速充電設備を巡っては日本の標準規格「CHAdeMO」と欧米の「コンボ」方式の規格争いが激しい。急速充電設備の普及で日本が各国を一段と引き離せば、規格争いを優位に進める効果も期待できそう。

 ただトヨタやホンダはハイブリッド車にも力を入れ、EVの普及に最も熱心な日産とは戦略面で温度差もある。本格的な普及には小型車でも300万円以上する価格の高さも課題だ。

by momotaro-sakura | 2012-09-05 09:33