いじめ対策:文科省、学校・教委任せ転換 200地域に専門家チーム/弁護士らアドバイザー

いじめ対策:文科省、学校・教委任せ転換 200地域に専門家チーム/弁護士らアドバイザー
毎日新聞 2012年09月06日 東京朝刊

 文部科学省は5日、いじめ問題で学校を支援する専門家チームを全国200地域で新設することなどを定めた「いじめ対策アクションプラン」を発表した。従来、学校や教育委員会に対応をゆだねてきたいじめ対策の方針を転換、国の体制を強化する。プラン実現のために来年度予算の概算要求に今年度(約46億円)の約1・6倍にあたる約73億円を計上する。

 昨年10月に大津市立中2年の男子生徒(当時13歳)が自殺し、全国でいじめを受けた児童生徒が警察に被害届を出すケースが相次いでいることを受け策定した。プランでは、月内に弁護士や精神科医、元警察官ら計5〜7人を「いじめ問題アドバイザー」に委嘱。同省が防止策を作成する際や教委を指導する時に助言をもらう。いじめ問題を抱える学校や教委から要請があれば、現地で開かれるシンポジウムなどへの出席も検討する。

 教委が大学教授や弁護士らでつくる「いじめ問題等支援チーム」は、各学校の問題の解決を支援することを目的にする。学校で対応できない問題が発生した時に、学校に直接行き対策にあたることも想定する。設置する場合は国が費用を全額負担する。また、いじめを受けた子供が学校に相談できない場合も想定。自治体に「第三者機関」を設置して対応できるようにする。その際も財政支援する。

 いじめの発生を把握したり、子供や保護者を直接支援したりするため、臨床心理の専門知識を持つスクールカウンセラーと、社会福祉士など学校と家庭をつなぐスクールソーシャルワーカーも大幅に増員。カウンセラーは公立中は全校に、公立小は1万3800校(全体の約65%)に配置し、ソーシャルワーカーは現在の1113人を倍増する。




すべての学校・教育委員会関係者の皆様へ[文部科学大臣談話]

平成24年7月13日


 いじめが背景事情として認められる生徒の自殺事案が発生していることは大変遺憾です。子どもの生命を守り、このような痛ましい事案が二度と発生することのないよう、学校・教育委員会・国などの教育関係者が担うべき責務をいまいちど確認したいと思います。

 いじめは決して許されないことですが、どの学校でもどの子どもにも起こりうるものであり、その兆候をいち早く把握し、迅速に対応しなければなりません。文部科学省からの通知等の趣旨をよく理解のうえ、平素より、万が一の緊急時の対応に備えてください。

 学校においては、日常において決していじめの兆候を見逃すことなく、いじめを把握したときは抱え込まずにすみやかに市町村教育委員会に報告してください。

 報告を受けた市町村教育委員会は、当事者としての責任をもって、学校とともに迅速かつ適切な対応を行ってください。

 また、児童生徒等の生命又は身体の安全がおびやかされるような重大な事態に至るおそれがあると認めるときは、そのような事態に至る前に、すみやかに関係者で連携することが必要です。都道府県教育委員会は、学校や市町村教育委員会を可能な限り支援してください。文部科学省も積極的に支援いたしますので、市町村教育委員会、都道府県教育委員会はすみやかに文部科学省へ状況を報告してください。

 子どもの生命は非常に大切であり、守らなければなりません。このため、学校、教育委員会、国などの関係者が一丸となって取組んでいきたいと考えています。

文部科学大臣 平野 博文
by momotaro-sakura | 2012-09-06 07:56