米民主党、オバマ氏を大統領候補に正式指名 クリントン氏が強力援護─党大会2日目

米民主党、オバマ氏を大統領候補に正式指名

クリントン氏が強力援護─党大会2日目
2012年 9月 6日 17:23 WSJ
 

【シャーロット(米ノースカロライナ州)】クリントン元大統領は民主党大会2日目の5日夜に演説し、オバマ大統領と民主党の哲学への強力な援護を展開、中所得層に不利だといわれる社会経済システムを変えると約束した。

 この日の目玉は2つあった。1つはマサチューセッツ州の上院議員候補のエリザベス・ウォーレン氏の鋭い共和党攻撃、もう1つが民主党政権の政策が国民を助け、経済的繁栄をもたらしたという主張を柱とするクリントン氏による幅広い政策に関する演説だ。

 クリントン氏は、「あなたが、『勝者がすべてを手に入れる』とか、『自分が社会を支配している』という考えなら共和党の大統領候補を支持すべきだ」、「だが、もしあなたが多くの人が均等に機会を与えられるべきで、誰もがこの社会の一員だという考えなら、バラク・オバマとジョー・バイデンに投票すべきだ」と呼び掛けた。

 また、「わたしも、わたしの前任の大統領たちも皆、たった4年ですべての問題の対処に成功することはできなかった」、「だが、彼(オバマ大統領)は新しい繁栄を皆が分かち合える経済の基盤を築いた」と現政権の経済政策を擁護した。

 さらにクリントン氏は、共和党のロムニー候補のオバマ氏に対する攻撃に1つ1つ反論し、聴衆の喝采を浴びた。演説の最後にはオバマ氏も壇上に姿を現し、互いに肩に手を回して聴衆に手を振った。

 代議員はその後、オバマ氏を大統領候補に指名した。

 クリントン元大統領は、前後の共和党政権時代に国家債務が増加した一方、同氏が年度の収支をバランスさせ黒字にしたことを強調。同氏が財政に「計算」を持ち込んだのが赤字解消につながったと強調、ロムニー氏の案では計算が合わないと指摘した。

 また、オバマ氏が高齢者・障害者向け公的医療保険(メディケア)を犠牲にして医療保険制度改革を行ったとする共和党の批判に対しては、共和党の副大統領候補ポール・ライアン氏が、同様のメディケア削減案を提案していることを指摘してみせた。

オバマ米大統領とクリントン元大統領
 1996年に成立した生活保護制度改革で、給付を受けるためには働かなければならないという要件をオバマ政権が骨抜きにしたとする共和党の批判については、各州がこの就労条件の免除を受けるには、従来より20%多く州政府による求人を増やさなければならないという条件を満たす必要があると強調し、批判は「当たらない」と断じた。

 一方、マサチューセッツ州の上院議員候補ウォーレン氏は、「国民は社会が自分たちに不利に変わってしまったと思っている。そして残念なことに、それは正しい」、「よく見てほしい。石油会社は何十億ドルという補助金をガブ飲みしている。大富豪は秘書よりも税率が低い。金融業界の経営者は、今も恥ずかしげもなく議会周辺を偉そうに歩き回り、優遇措置を要求している」などとして、大企業や富裕層が労働者を食いものにしていると強く批判した。

 また「私は、ケイマン諸島に資産を隠して節税しようとしている人たちではなく、身を粉にして働いている看護師や消防士と話をしている」と暗にロムニー氏を揶揄(やゆ)した。

 この日、民主党は、党綱領に「エルサレムがイスラエルの首都」という文言と、「神」に対する言及を復活させた。オバマ大統領の側近によると、大統領の意向が働いたという。

  オバマ氏の6日の指名受諾演説は6万5000人を収容できる「バンク・オブ・アメリカ」スタジアムで行われる予定だったが、雷雨の可能性があることから1 万9000人収容の室内競技場に変更された。民主党幹部は、オバマ批判派が言うようにスタジアムの席が埋まらないことを心配したのではない、チケットはすべて割り当てられ、1万9000人のキャンセル待ちがいると語った。

 クリントン氏とオバマ氏の関係は冷え込んでいた。2008年の前回の民主党大統領候補選びで、ヒラリー・クリントン氏がオバマ氏に負けたためだ。しかし、この3年間、両氏はランチやゴルフを共にして関係を修復してきた。

記者: Laura Meckler、Carol E. Lee
by momotaro-sakura | 2012-09-06 18:24