新しいステント治療とは・・・

2012. 9. 7

JAMA誌から
生分解性ポリマー使用のバイオリムス溶出ステント、良好な心血管イベント抑制効果
ベアメタルステントとの比較で51%減少、COMFORTABLE AMI試験
大西 淳子=医学ジャーナリスト

関連ジャンル: 虚血性心疾患 医療機器  ST上昇心筋梗塞(STEMI)患者に対するPCIに、生分解性ポリマーからバイオリムスが溶出するステントを用いた場合の転帰をベアメタルステントと比較した無作為化試験COMFORTABLE AMIの結果が、JAMA誌2012年8月22/29日号に掲載された。著者のスイスBern大学病院のLorenz Raber氏らは、バイオリムス溶出ステントの方がその後1年間の有害な心血管イベントが有意に少ないことを示した。



新しいステント治療とは・・・
   薬剤溶出性ステント(Drug-Eluting Stent=DES)
 現在カテーテル治療の中で最も進んだものがこの薬剤溶出性ステント(DES)です。すなわち、これはこれまでに述べた再狭窄がほとんどないステントで、画期的なものです。これによって、かなり冠動脈バイパス手術が減少していくのではと考えられています。

 初期のカテーテル治療だけ成功すれば、その部位は半永久的に悪くなることがないという時代になったということで、患者さんにとってはかなりの福音であると思います。しかしながら、現在でもカテーテル治療をするには難しすぎてできない場合もあり、これから先は今までとは別のバランスで心臓外科の先生達とのコラボレーションを考え、当院心臓血管外科山口部長ととも皆様の健康を守っていきたいと考えています。

DESと医療費について
山 中 鈴 美 
 薬剤溶出性ステント(以下DES)は会報誌32号にて、仙台の横山初江さんが国内初の治療を受けたことでその内容を「免疫抑制剤を塗布し、コーティング剤のポリ乳酸で覆ったステントを冠動脈内に埋め込む。免疫抑制剤は血管内へ少しずつ染み出し、内膜組織の増殖を長期的に抑制、ポリ乳酸は約1カ月で体内に吸収される。術後の再発率は3%程度になると期待されている」と紹介しました。そのDESが今年8月に保険適応になったことで、多くの患者さんの治療を有効にしていくことになります。 カテーテル検査と治療費用(カテーテル1本での計算です)
カテーテルの種類 3割負担 老人1割
カテーテル検査のみ 約7万円 40,200円
ステント 約27~30万円 40,200円
サイファ(新ステント) 約30~32万円 40,200円
ロータブレータ・PTCA 約30~32万円 40,200円
ローラブレータ・ステント 約32~38万円 40,200円
ロータブレータ・サイファ 約40万円前後 40,200円
※手法などで金額が若干違います。目安としてください
新東京病院医事課提供


 今回、使用が認められたステントはステンレスの上に免疫抑制剤のシロリムスを塗り、一定期間、薬剤が表面に残るようになっており、通常のステントと比べ劇的に再狭窄を減らすとされています。バイパス手術を終えた方にとってどんなときに使うかと言いますと、バイパスが適応になった時点では、大きな狭窄が数カ所にわたり発生していたり、左主幹部の太い血管に心筋梗塞がある場合でした。この場合にカテーテル治療では新たな心筋梗塞の発生など治療中に生命の危険を伴うことが多いとされ外科的に治療を受けたわけです。

 しかし、いったんバイパスで全体の血流が改善された後に新たに、狭心症や心筋梗塞になった場合はその場所に今回の治療が有効になるといえます。バイパス手術時に10年は大丈夫と言われ、10年を経過した方はそろそろ大丈夫なのか? と心配されているかと思いますが、今回の治療でまた安心を得られるのではないかと思われます。

 DESの治療で課題となっていることは、治療後の抗凝固療法です。血管内に異物であるステントを入れると、血液中の血小板が集まり血栓を作り、新たな心筋梗塞を引き起こす可能性があり、血液の塊をできにくくするために抗血小板剤を使います。この抗血小板剤にクロピドグレルという薬が有効とされていますが日本ではまだ承認されておらずDESの治療においては、抗凝固療法を慎重に検討されるべきであるとの注意もあります(クロピドグレルは海外では販売されているが日本では承認に向けて治験段階の薬剤)。

 次にステント治療の医療費についてですが今回はカテーテル全般についても記しておきますのでご参考になさってください。金額は表のとおりです。老人医療の負担は2割では正確には出ませんので、医事課にお尋ねください。東京都の重度心身受給者証を使用の方は治療費での窓口負担はありません。高額医療費の貸し付け制度や委任払いなどの方法もありますので、医事課または医療相談室までお尋ねください。


(2004. 10月、SHINSHIN Report 第38号より)


成分(一般名) : クロピドグレル硫酸塩
製品例 : プラビックス錠25mg~75mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 : 他の血液,体液用薬/抗血小板剤/抗血小板剤

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   概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 血管内で血液が固まるのを防ぐお薬です。血栓症の治療に用います。
作用

【働き】


血管内で血液が固まり、血流を止めてしまう状態を「血栓」といいます。心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)がその代表です。血管が詰まってしまうので、その先の組織が障害を受け機能を失ってしまいます。

このお薬は「抗血小板薬」です。血小板の働きをおさえて、血液が固まるのを防ぎます。おもに、脳の血管が詰まる脳卒中(脳梗塞)の予防に用いられています。とくに、脳の太い動脈がコレステロールなどで狭くなることで起こる「アテローム血栓性梗塞」、あるいは頚動脈の硬化による「一過性脳虚血発作」に効果が高いと考えられています。経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される狭心症や心筋梗塞にも有用です。

【臨床試験】
この薬クロピドグレルと、標準的な抗血小板薬であるアスピリンとの比較試験が、2万人近くの人でおこなわれています。この薬を飲んでいた人のほうが、心血管系の病気の発症割合が9%ほど少ないという結果でした。
国内で広く使われている従来品の類似薬チクロピジン(パナルジン)を対照とした二重盲検比較試験がおこなわれています。その結果、心血管系の病気の発症予防効果に差はでませんでしたが、肝機能障害など重い副作用の発現率がチクロピジンより少ないことが示されました。
CHARISMA試験は、アスピリンとの併用療法における1次予防効果を検証する試験です。その成績は、期待に反し、この薬とアスピリンを併用しても、アスピリン単独による効果と差はなく、かえっては出血や死亡のリスクが高くなるというものでした。1次予防における安易な抗血小板薬の併用療法は推奨できないと結論されました。

特徴 チエノピリジン系の抗血小板薬です。同系のチクロピジン(パナルジン)と比べ、出血や血液障害、肝機能障害など重大な副作用の発現率がやや低いです。
多くの大規模臨床試験によって、その有用性と安全性が確認されており、世界的にも広く使われています。

注意
【診察で】
持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
服用中の薬を医師に教えてください。また、別の病院や別の科で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを必ず伝えてください。
注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解しておくことが大切です。
手術や抜歯の予定のある人は、事前に医師と相談しておきましょう。出血が止まりにくくなることがあります。


【注意する人】


血が止まりにくくなるので、出血をともなう病気のある人は使用できません。たとえば、血友病、消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血などです。また、手術の前後、使用を休止することがあります。


適さないケース..出血をともなう病気
注意が必要なケース..出血傾向のある人、重い肝臓病、重い腎臓病、高血圧、低体重、高齢の人、手術の前後。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
アスピリンやワルファリンなど他の抗血栓薬といっしょに飲むと、出血しやすくなるかもしれません。これらとの併用は、慎重におこなわなければなりません。
消炎鎮痛薬による消化管出血の副作用を助長するおそれがあります。
胃薬のオメプラゾール(オメプラール、オメプラゾン)との併用により、この薬の作用が減弱するおそれがあります。


【使用にあたり】


症状によって飲む量が違います。指示された用法用量を守ってください。ふつう、空腹時や食間を避け、1日1回食後に飲みます。


【検査】


定期的に肝機能や血液の検査を受ける必要があります。とくに飲み始めの2カ月間は、2週間ごとにおこなうことが望ましいです。


【食生活】


出血が止まりにくいかもしれません。激しい運動や危険な作業をおこなう場合は、ケガをしないように注意しましょう。もしも、ひどいケガをしたときは、直ちに受診してください。
効能

【効能A】


虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制


【効能B】


経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患


急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞

※注意:PCIが適用予定の虚血性心疾患患者への投与は可能である。冠動脈造影により、保存的治療あるいは冠動脈バイパス術が選択され、PCIを適用しない場合には、以後の投与は控えること。

用法

【効能A】


通常、成人は、クロピドグレルとして75mgを1日1回経口服用するが、年齢、体重、症状によりクロピドグレルとして50mgを1日1回経口服用する。


注意1:出血を増強するおそれがあるので、特に出血傾向、その素因のある患者等については、50mg1日1回から投与すること。
注意2:空腹時の投与は避けることが望ましい(国内臨床試験において絶食投与時に消化器症状がみられている)。


【効能B】


通常、成人は、服用開始日にクロピドグレルとして300mgを1日1回経口服用し、その後、維持量として1日1回75mgを経口服用する。


注意1:アスピリン(81~100mg/日)と併用すること。
注意2:ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書を必ず参照すること。
注意3:PCI施行前にクロピドグレル75mgを少なくとも4日間投与されている場合、ローディングドーズ投与(投与開始日に300mgを投与すること)は必須ではない。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用 出血したり、血が止まりにくくなることがあります。もしも、出血がみられたら、すぐに受診してください。たとえば、歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血、血尿などです。重症化することはまれですが、消化管出血や脳出血など重い出血を起こす危険性がないとはいえません。

そのほか、重い副作用としてTTP(下記)や血液障害、肝障害などが知られています。これらはきわめてまれな副作用ですが、下記のような初期症状に念のため注意してください。とくに飲み始めの2カ月間は要注意です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
重い出血(消化管出血、肺出血、脳出血、眼底出血)..歯ぐき出血、鼻血、血痰、皮下出血(血豆・青あざ)、血尿、吐血、血便(赤~黒い便)、息苦しい、頭痛、めまい、しびれ、うまく話せない。
TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)..だるい、食欲不振、皮下出血(青あざ)、発熱、意識もうろう
間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
重い皮膚症状..発疹・発赤、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。

【その他】
歯ぐきの出血、鼻血、皮下出血(青あざ)、血尿、生理の出血が多い
発疹、かゆみ
胃の不快感、食欲不振、吐き気、腹痛、下痢






クロピドグレルとプロトンポンプ阻害薬の併用は心筋梗塞の再発リスクを高める(2009.2.5掲載)




心臓発作(心筋梗塞)後に抗血小板薬クロピドグレル(商品名:プラビックス)と酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)を併用した場合に、クロピドグレル単独使用に比べて心臓発作の再発リスクが大幅に増大することがカナダの研究で判明した。PPIおよびクロピドグレルともに世界的に広く使用されている薬剤であることから、このリスク増大が公衆衛生に大きく関わってくる可能性がある。

カナダ、サニーブルックSunnybrook健康科学センター(トロント)のDavid N. Juurlink博士によると、今回の研究は、制酸薬がプラビックスの効果を低下させることを示す科学的研究の結果を受けて、2002~2007年に心臓発作で入院した患者1万3,636人を対象として開始された。その結果、特定のPPIを使用した人では心臓発作の再発リスクが40%高いことが判明したという。この知見は、カナダ医師会誌「Canadian Medical Association Journal」1月28日号に掲載された。

このような両剤の関連性が示されたのは今回が初めてではない。昨年(2008年)、米国のMedco Heaalth Solutions社が1万6,000人を対象に実施した研究では、ステント留置後にクロピドグレルとPPIを併用した人の39.2%に重篤な心イベントが発生したのに対し、クロピドグレルの単独使用での発生率は26.2%であることが判明している。

「クロピドグレルとPPIはいずれも肝臓で同じ酵素により代謝されるため、併用によりクロピドグレルの血小板凝集抑制効果が低下する可能性がある」と米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のChristopher Cannon博士は述べている。Cannon氏は、個人の遺伝子構造により一部の人ではクロピドグレルの効果が低いことを示した研究グループの一人である。

米国食品医薬品局(FDA)は、クロピドグレルの有効性に対する遺伝的因子および他の薬剤(特にPPI)の影響をさらによく理解するための研究を実施すると発表し、「医療従事者は、クロピドグレルを使用する患者についてPPIによる治療の開始ないし継続の必要性を再度検討する必要がある」と述べている。(HealthDay News 1月28日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=623549
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プロトンポンプ阻害薬




プロトンポンプ阻害薬(-そがいやく、英: PPI; Proton pump inhibitor)とは胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬である。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)があるがプロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、分泌抑制作用は用量に依存する。H2ブロッカーよりも抑制作用が長時間持続する。

適用 [編集]

プロトンポンプ阻害薬は以下の疾患の治療に用いられ、投与中は定期的に血液学的検査を行うことが望ましい。
消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍)
Zollinger-Ellison症候群(en)
逆流性食道炎
ヘリコバクター・ピロリの除菌補助:抗生物質であるクラリスロマイシン(商品名:クラリスなど)とアモキシシリン(商品名:サワシリンなど)と共に用いられる。

相互作用・副作用 [編集]
相互作用が報告されている薬剤等 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤、ジゴキシンメチルジゴキシン、イトラコナゾールゲフィチニブ、アタザナビル硫酸塩、クロピドグレルとの併用は注意また禁忌とされる。 おもな副作用 アナフィラキシー、血小板減少、溶血性貧血、横紋筋融解症、劇症肝炎、低ナトリウム血症、視力障害、血管浮腫
プロトンポンプ阻害薬の例 [編集]
オメプラゾール(製品の代表的なもの:オメプラール・オメプラゾン)
ランソプラゾール(製品の代表的なもの:タケプロン・タケプロンOD錠, 武田薬品工業製造販売)
ラベプラゾールナトリウム(製品名:パリエット, エーザイ製造販売)
エソメプラゾール(製品名: ネキシウム, アストラゼネカ製造, 第一三共販売)





2012. 7. 23

BMJ誌から
クロピドグレルとPPIの併用で心筋梗塞リスクは上昇せず
自己対照ケースシリーズ研究の結果。同じデータベースを用いた従来型観察研究ではリスク上昇
大西 淳子=医学ジャーナリスト

: 虚血性心疾患 脳血管 消化器 相互作用  クロピドグレルとアスピリンを使用している患者がプロトンポンプ阻害薬(PPI)を併用しても、心筋梗塞のリスクは上昇しない―。そんな結果が、英London衛生熱帯大学院のIan J Douglas氏らが行った自己対照ケースシリーズ研究で得られ、BMJ誌電子版に2012年7月10日に報告された。ただし、同じ集団からデータを抽出して行った従来型の観察研究では、併用群における全死因死亡や心筋梗塞のリスク上昇が認められた。(

by momotaro-sakura | 2012-09-08 11:13 | 健康管理/先端医療