中国、尖閣諸島周辺に監視船派遣-領土的主張を強化

中国、尖閣諸島周辺に監視船派遣-領土的主張を強化
2012年 9月 12日 8:34 WSJーウオール・ストリート・ジャーナル
中国が領有権を主張する尖閣諸島について日本への反発を強める中で、中国の海洋監視船2隻が11日、諸島周辺の海域に到着した。日本政府は前日、諸島のうちの3島を民間地権者から買収する計画を発表している。
尖閣諸島(中国名:釣魚島)
 国営新華社通信は、「中国の主権を主張する」ため、2隻が同日午前、日本が支配する尖閣諸島の周辺海域に到着したと伝えた。東シナ海にある同諸島は中国では釣魚島と呼ばれている。ただ、海上保安庁は同日、諸島周辺海域での中国船の存在は確認できなかったと発表した。

 中国による尖閣諸島周辺への船舶の派遣は、紛争海域をめぐり主権を主張する同国政府の政策の一環。同政府はこれまで、同諸島の支配を強めようとする日本の動きにもっと強く対応すべきだとの世論に直面しながらも、緊張を一段と高めるような動きは控えてきた。アナリストによると、今回の同政府の反応は、自国経済が弱まる兆しを見せる中で重要な対日貿易に打撃を与えるのを避けながら、国民の間に広まっている反日感情にも配慮する姿勢を示しているようだ。

 中国外務省のシンクタンク、中国国際問題研究所で中日関係を研究している宋均営氏は「われわれは当然われわれの権利を守りたいが、今でも軟着陸は可能だと期待している」と述べた。

 アナリストらは、中国が過去にもこの種の非軍用船を同諸島に派遣しことがあると指摘した。東海大学海洋学部の山田吉彦海洋学部教授は「セレモニーのようなもので、中国は日本がこの海域で何かをすれば報復措置を取るといつも言う」と話した。

 中国政府は10日、外務省のサイトで領有権を主張する諸島の主要周辺海域の正確な緯度、経度を示し、同諸島に対する主張を一段と明確にした。アナリストは、こうした措置は初めてだと指摘、この動きは、中国が主張に法的基盤を構築するのに役立つかもしれないとしている。

 日本外務省の報道官は、同国が中国のこうした動きを「受け入れられない」とし、既に外交チャンネルを通じて抗議したと語った。同省の杉山晋輔アジア大洋州局長は11日、中国当局者と協議するため、北京に向かった。

 一方、同日北京で予定されていた福島県知事と中国の民間航空の監督当局トップとの会談は突然キャンセルされた。日本のメディアは、日本政府による諸島国有化が理由だろうと伝えている。キャンセルについて中国政府からの公式の説明はない。

 海洋監視船を派遣した中国国家海洋局は海洋法の執行に当たる機関で、同国と近隣諸国との領土紛争で中心的な役割を担っている。領有権を主張するのに軍艦を使わないのは、強硬な対応をしている姿を示す一方で、海軍同士の対立になることを避けることが狙いだ。今年春、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)でフィリピン政府船とにらみ合いになった時には、海洋監視船が少なくとも1隻、現場に派遣されていた。

 中国外務省の報道官は定例の会見で、同諸島は古代から中国領土の一部だとの以前からの見解をあらためて表明し、領土保全への侵害は容認できないと強調した。

記者: Brian Spegele、Alexander Martin

by momotaro-sakura | 2012-09-12 15:19