暴徒化した反日デモ 日系企業を襲撃 中国各地で

暴徒化した反日デモ 日系企業を襲撃 中国各地で2012.09.15産経ニュース

 【北京=川越一】日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモは15日、北京の日本大使館前で参加者が2万人を超え、1972年の日中国交正常化以降、最大規模に膨らんだ。

 湖南省長沙市など3都市でも1万人規模のデモが発生し、全国のデモ参加者は少なくとも28都市、計6万人以上に上った。満州事変の発端となった柳条湖事件から81年となる18日を控え、デモの拡大が懸念される情勢となってきた。

 尖閣国有化後初の週末となった15日、日本大使館前のデモは学生らを中心に激化。靖国神社参拝問題などを受け、1万人が集結した2005年4月のデモを超える規模となった。

 長沙市では日本国旗が焼き捨てられ、日本車が破壊されたほか、各地で日系の百貨店やスーパーが標的となった。日本大使館は中国外務省などに在留邦人と日本企業の安全確保を申し入れた。


日本大使館前で日の丸を燃やす反日デモ参加者 =15日、北京(共同)

炎上する日本車から立ち上る黒煙の中、暴徒化した反日デモ隊を鎮圧するため投入された警官隊 =15日、中国陝西省西安市(共同)

暴徒化し日本車を破壊した反日デモ参加者ら =西安(ロイター)

 インターネット上では16日以降も30都市以上でデモが呼びかけられている。日本製品のボイコット運動も展開されている。中国側も16日に6万4千人収容の北京工人体育場で予定されていたサッカーの試合を延期するなど、大人数が集まる状況を回避する措置を取り始めた。

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「対日宣戦だ」大使館にタマゴ・瓶 日本料理店など略奪放火
 
【北京=矢板明夫、上海=河崎真澄】真っ赤な中国国旗や横断幕、プラカードで、北京の日本大使館や上海の日本総領事館の周辺が埋め尽くされ、デモ参加者の叫び声が飛び交った。

 北京の日本大使館周辺でも15日、尖閣諸島の国有化を決定した10日以降で初めての週末を迎え、デモ参加者は前日までの数百人から最大2万人まで膨れ上がった。

 デモには大学生風の若者や労働者風の参加者のほか日中戦争時の八路軍の軍服を身にまとった中年男性もいた。警察隊が警戒するなかデモ隊は、「釣魚島(尖閣諸島の中国での呼称)から出ていけ」「日本軍国主義を打倒せよ」などと叫んで大使館前の道路をほぼ占拠した。

 興奮した参加者の一部は「対日宣戦だ」などと叫び、タマゴやペットボトルを大使館内に投げつけた。デモ隊に壊されることを警戒し、「車は日本製だが心は中国人」などと紙を張った日本車もみられた。一部の参加者は大使館前に設けられた鉄柵を突破しようとして武装警察隊と激しくもみ合い、一時は制御不可能な状態に陥った。

 デモ隊を取材した日本人記者同士が、日本人であることに気づかれないよう中国語で会話する場面もあった。

 この日のデモは、湖南省長沙や江蘇省蘇州、陝西省西安などでも1万人が参加する大規模なものとなり一部が暴徒化。長沙ではデモ参加者が日章旗に火をつけたほか、日本車のガラスを次々と破壊。日系スーパー「平和堂」に侵入して設備を壊した。店内が放火されたとの情報もある。

 西安や蘇州ではデモ隊の一部が日本車や10軒以上の日本料理店を襲い、略奪も目撃された。山東省青島の日本総領事館によると、青島では「ジャスコ」のほか複数の日系企業が襲撃され、15日夜に入っても放火などが続いたという。

 中国最大の経済都市で約5万6千人の日本人が暮らす上海では15日、デモは数十人と小規模だったが、日本人を標的にした暴行事件が相次いでいるだけに、同総領事館は在留邦人に外出を控えるよう通知するなど、緊張が高まっている。

by momotaro-sakura | 2012-09-17 08:39