<オスプレイ>週内にも試験飛行 政府19日安全宣言

<オスプレイ>週内にも試験飛行 政府19日安全宣言

毎日新聞
2012年9月19日 02時06分 (2012年9月19日 02時30分 更新)

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垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=古本陽荘撮影

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、政府が19日に発表する安全宣言の原案が18日、判明した。日米両政府は19日の合同委員会でオスプレイの運用ルールに合意する予定で安全宣言は「安全性は十分に確認された」として「飛行運用を開始させる」と宣言している。米側に米軍岩国基地(山口県岩国市)での試験飛行を認め、週内にも同県下関市沖の日本海で開始される見通しだ。

 野田佳彦首相は18日、首相官邸で、森本敏防衛相と玄葉光一郎外相から安全宣言と合同委合意の原案について報告を受け、了承した。

 安全宣言や合意の原案によると、垂直離着陸モードでの飛行を原則として米軍施設・区域内に限定し、回転翼を前傾させる「転換モード」の時間を可能な限り短くする。米軍施設・区域への進入・出発経路はできる限り人口密集地域の上空を避ける。移動も「可能な限り水上を飛行する」としている。

 夜間飛行訓練については、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)周辺の人口密集地に配慮しシミュレーターの使用などで「影響を最小限にする」とした。低空飛行訓練の高度については「地上500フィート(約150メートル)以上」と明記。今年起きたモロッコなどでの墜落事故の再発防止策として、飛行マニュアルに沿った運用▽乗員への運用手順に関する説明の徹底−−を挙げた。機体の安全性も「特段の問題はなく、他の航空機と比べて危険と考える根拠は見いだし得ない」とした
。【朝日弘行】
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オスプレイ安全確保策 運用優先で見切り発車
2012年9月19日琉球新報
 野田佳彦首相は18日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの運用に関する安全確保策や飛行ルールを了承し、米軍普天間飛行場を拠点に運用開始することを決めた。日米合同委員会で19日に正式合意する安全確保策は、低空飛行訓練時の高度制限や騒音規制措置の順守など従来の措置が盛り込まれており、目新しさはない。「運用上必要な場合を除き」との条件が付く項目も多く、米軍の運用が優先される格好だ。
 10月からの県内での本格運用に合わせて、見切り発車で策定された感は否めない。配備に反対する県や市町村の理解が得られないまま、不確かな安全確保策の下、オスプレイが沖縄の空を飛び交う可能性が濃厚となった。
 日米両政府は4月のモロッコ、6月の米フロリダ州で相次いで起きた墜落事故で安全性への懸念が高まったため、7月から日米合同委で、安全確保策や運用ルールを策定する作業を続けてきた。
 両政府の外務、防衛当局者による安全確保策の取りまとめは難航。運用制限を避けたい米側と、地元の理解を得るため一定の成果を残したい日本側の折り合いがつかなかったが、パネッタ米国防長官の訪日もあり、合意に向け進展。尖閣諸島をめぐる日中間の摩擦が強まり、「これ以上、オスプレイの件で米国に迷惑を掛けられない。配備を遅らせることはできない」(外務省幹部)との思惑も働いた。
 飛行が不安定になると指摘された回転翼の角度を前傾させる「転換モード」でどこを飛ぶかが焦点だった。住宅地を避けて普天間飛行場の上空に限定する案は、米側の主張が通り「できる限り短くする」と骨抜きされ、努力規定に近いあいまいな表現となった。
 低空飛行訓練の高度制限の導入に関しても「運用上必要な場合を除き」と条件が付いた。夜間飛行訓練の影響を最低限にすると表現するなど、米軍の運用を規制する実効性は乏しい。市街地の真ん中に位置する普天間飛行場で、進入時に人口密集地上空を避けて飛ぶことは事実上不可能。これまで米軍機の運用に関しては日米合同委で合意しても守られていない現状があり、実行されるかは不透明だ。
 防衛省幹部は「丁寧な説明と安全な運用実績を積み重ね、地元の理解を徐々に得ていく以外にない」とし、地元合意が得られなくとも運用を開始する姿勢だ。沖縄社会を挙げた配備反対の民意に背を向け、野田政権は県内での本格運用に突き進んでいる。(問山栄恵)

by momotaro-sakura | 2012-09-19 08:57