コラム:中国の反日デモは市場の脅威か

コラム:中国の反日デモは市場の脅威か
2012年 09月 19日 10:22

By Wayne Arnold
[香港 18日 ロイター BREAKINGVIEWS]
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE88I00L20120919
 中国で広がる反日デモについて、投資家はことさら頭を悩ませてはいない。車が壊されたり、工場が操業停止に追い込まれるのは確かに懸念すべきことだが、日中両国の報復合戦は結局、得るものより投資や貿易で失うものの方が大きい

日産自動車のように中国で大規模に事業展開する企業は、短期的には反日デモに苦しめられるだろう。しかし、日本企業全体としては、目下の反日デモよりむしろ、FRBの動向にこそ留意すべき点は多い。

日中両国の株式市場から判断すると、尖閣諸島(中国名:魚釣島)をめぐり、世界第2位の経済大国である中国が、同3位の日本に怒りを爆発させたとは読み取れない。

18日の東京株式市場で日経平均株価は0.4%安にとどまり、外為相場では円が上昇した。一方、上海総合指数は今週に入って約3%下落しており、中国市場の方が影響が大きいように見える。ただ、同指数は過去1年で17%下げており、それに比べると下げ幅はまだ小さい。

中国には経済的優位性があるという印象を受けるかもしれない。日本にとって中国は、輸出全体の18%を占める最大の貿易相手国だ。また、日本のサプライチェーンにとっても重要な役割を担っている。日本企業の中国子会社が生産する製品の23%は日本向けだ。一部の日本企業は、売上成長の面でも中国への依存度を高めている。日産にとって中国は、世界販売台数全体の4分の1以上を売り上げる最大の市場になっている。

しかし、中国共産党の機関紙である人民日報が指摘したように、もし中国が経済制裁に動けば、それはもろ刃の剣にもなる。中国が日本から輸入するのは、鉄鋼材や重機、産業ロボットなど主として資本財であり、代替調達先をすぐに見つけるのは難しい。日本は世界第3位の対中直接投資国であり、中国にとって第4位の貿易相手国でもある。また、中国国内のコスト上昇で、日本企業は製造拠点を中国以外にシフトさせつつある

中国の反日デモが今後、日中間の全面的な衝突に発展する可能性は否定できない。ただ、両国経済にとってさらに大きな脅威は、FRBが先に決定した量的緩和第3弾(QE3)だろう。FRBは雇用市場の見通しが著しく改善するまで、月額400億ドルのペースでモーゲージ担保証券(MBS)を買い入れるとしている。


QE3によって米ドルは下落し、中国と日本の外貨準備の投資利益は減り、両国の輸出を圧迫する可能性が高い。投資家は、現実に火を噴く武器は、バーナンキFRB議長のバズーカ砲だけだと見込んでいる


*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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QE3は中国の輸出拡大にプラス=IIF総裁


サーチナ 9月19日(水)15時40分配信



 国際金融協会(IIF)のチャールズ・ダラーラ総裁は18日、先般米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した量的緩和第3弾(QE3)は短期的に米国経済への刺激効果があり、輸出の拡大を望んでいる中国にもある程度のプラスの影響があるだろうと述べた。19日付中国証券報が伝えた。

 一方で、チャールズ・ダラーラ氏は、QE3は米国の失業圧力の緩和に一時的な効果があるが、長期的に見れば、米国の経済競争力を高める面で効果が限定的となると指摘した
。(編集担当:陳建民)
by momotaro-sakura | 2012-09-19 16:18