地方票とは差 県連が注文も

地方票とは差 県連が注文も
2012年09月27日

開票作業をする県連関係者

◇自民党総裁に安倍元首相
 自民党総裁に安倍晋三元首相が返り咲いた。県内の党員・党友による投票でトップになったのは、石破茂前政調会長。国会議員による決選投票の結果は、地方の意思とは異なった。「永田町の選択」に、不安と期待が広がった。
◇県議「衆院選に影響」
 「地方の声が国会議員に覆されてしまった。衆院選にも影響が出るのでないか」。安倍氏が新総裁になったことについて、石破氏に投票した自民県議はため息交じりにこう評した。
 地方票では全国トップだった石破氏は、埼玉県でも広い支持を集めた。2万人余りの党員・党友による投票の結果、県連に割り当てられた8票は、石破氏5票、安倍氏2票、石原氏1票と配分された。
 ところが、県内に4人いる国会議員のうち新藤義孝、柴山昌彦の両衆院議員と古川俊治参院議員は朝日新聞の取材に対し、「2回の投票とも安倍氏に入れた」と回答。関口昌一参院議員も石破氏以外の候補を支援する動きを示していた。
 「安倍氏の国家観や覚悟、挫折の経験は国難の今こそ役立てられる」(柴山氏)と、政権奪還への先導役として期待する声もある。党員の意識との差をどう埋めていくか。長沼威県連幹事長は「地方票の重さを新総裁が今後どれだけ生かし、吸収していくかが大事だ」と注文をつけた。
 前回の2009年の衆院選では、自民は県内15小選挙区すべてで敗退。次期選挙は議席奪還が最優先課題だ。与党民主の退潮が続く中、総裁選で「選挙の顔」を決め、決戦に向け勢いをつけたいところだった。
 安倍氏の再登板について、民主党のある県議は「手ごわい印象もある」としながらも、「政権を途中で投げ出した人物に、有権者がもう一度託すとは考えにくい」と話していた。
◇派閥の思惑心配■体力は?
 安倍氏の選出について、JR大宮駅周辺で聞いた。
 石破氏に派閥のしがらみを断ち切る政治を期待していたのは上尾市の公務員中村操さん(38)。「国会議員の投票で逆転した安倍さんは、派閥の思惑に埋もれ、思い通りの政治ができないのでは」と心配する。
 2007年に病気のため首相を辞任しただけに、健康が不安だ。さいたま市大宮区の主婦森川昌子さん(64)は「東北の復興と被災者支援が一番大事。でも、先頭に立ってやり遂げる体力があるのかしら」と疑問を投げかける。
 駅前の路地で客待ちの男性占師(68)は「安倍さんの名前の『晋』の字には、物事が進むという意味がある。少しは期待できる」と前途を占う。
朝日新聞埼玉版
by momotaro-sakura | 2012-09-27 12:52