尖閣長期化、中国監視船が次々出没…辛抱の海保

尖閣長期化、中国監視船が次々出没…辛抱の海保

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島など3島が国有化されてから3週間。

 周辺海域は「示威行動」を繰り返す中国監視船や、台湾漁船などによる領海侵入が相次ぎ、海上保安庁は全国の管区海上保安本部から巡視船艇をかき集め、厳戒態勢を敷いている。“国境の海”で続くにらみ合いが長期化する中、海難救助や海上交通の安全確保など、同庁の他の重要業務への影響を心配する声も上がっている。

 ◆波状攻撃

 「やはり戻ってきたか」。1日午後。中国の海洋監視船「海監」4隻が相次いで同諸島の接続水域(領海の外側約22キロ)に入ると、同庁幹部はこう嘆息した。2日には、同じ4隻が領海に侵入。漁業監視船「漁政」2隻も同水域に入った。

 中国監視船が周辺海域に姿をみせたのは、9月11日の尖閣国有化から3日後。海監6隻が約7時間にわたって領海侵入し、同18日と同24日も侵入した。同25日は台湾漁船約40隻と台湾当局の巡視船12隻が続いた。

 中台双方の船は同26日未明までには周辺海域から去ったが、台風17号の接近で海が荒れたためとみられ、同庁幹部は「事態に変化がない限り、中国監視船は今後も繰り返し来る」と語る。

 ◆異例の布陣

 尖閣諸島の領海警備は、那覇市の第11管区海上保安本部が担当している。同本部の巡視船は9隻。補給や点検などがあるため、常に全隻を投入できるわけではなく、中国監視船などへの対応には、全国から巡視船艇の応援派遣が不可欠だ。

 巡視艇は小型で港湾の周辺などで使用されることが多く、同諸島周辺海域での長期戦にはヘリコプターが搭載可能な大型巡視船など様々な船艇が必要。同庁が1度に展開できるのは約30隻で、常時20隻程度の応援がいる。東日本大震災では50隻超で対応したが、領海警備でここまで手厚い布陣は異例だ。


 応援派遣が続く間、9月19日には、7管(北九州市)が長崎県沖で火災を起こした貨物船を救助、中国人船員ら12人を救出した。同24日未明に宮城県沖の太平洋上で漁船と貨物船が衝突した事故では、2管(塩釜市)が約900キロ沖に巡視船を派遣して行方不明者を捜索した。管区本部のある幹部は「海難救助などに影響はない」と強調するが、海保幹部は「同じ海域で救難事故が続けば、即座に対応できるか不安は残る」と語る。


(2012年10月3日08時10分 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2012-10-03 15:39