加熱調理殺菌システム『MicVac』を発売

加熱調理殺菌システム『MicVac』を発売

ビタミンなどの栄養素を損なわず美味しさもそのままに冷蔵で30日間保存が可能





風味や栄養素の保持に優れたチルドレディミール

1ラインで製造が完了する加熱調理殺菌システム



大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、冷蔵で30日間長期保存できる調理済み食品(レディーミール)を製造する加熱調理殺菌システム「MicVac(ミックバック)」を10月に本格発売します。

【新製品発売の背景】

単身者の増加や個食化などのライフスタイルの変化に伴い、電子レンジで加熱するだけで簡単に食べられるレディーミールの需要が拡大しています。DNPは、この需要に応える新技術としてスウェーデンのベンチャー企業MicVac社が開発した加熱調理殺菌システム「MicVac」に着目し、同社と2010年にライセンス契約を締結して、日本・韓国での実用化に向けたマーケティングを行ってきました。MicVacは、マイクロ波で食材の加熱調理と殺菌を短時間で同時に行い、専用容器に密封することでビタミンやタンパク質などの栄養素を損なわず、野菜のシャキシャキ感など食材の美味しさを保持しながら、冷蔵で30日間の長期保存を可能にする加熱調理殺菌システムです。今回、国内の食品メーカーから良好な評価を得たため、本格的な販売を開始します。

【MicVacの概要】

MicVacは、(1)トレー容器に生野菜・肉・魚・ドライパスタなどの食材と調味用ソースを充填し、(2)マイクロ波の加熱により食材の調理・殺菌を同時に行い、(3)その後冷却するというレディーミールの製造プロセスを1ラインで完了させるシステムです。専用容器の蓋の部分には、加熱による容器内圧の上昇時に蒸気を放出し、冷却して減圧した後に外気が流入しない特殊な逆止弁機能をもった「MicVacバルブ」を装着したフィルムを利用しており、冷却工程で完全密封となるため長期の保存性に優れています。

【MicVacの特長】

MicVacは、密封された容器内で効率的かつ均一に蒸気で加熱されるため、7~10分程度の短時間で殺菌できます。そのため、充填・密封後30~90分の殺菌処理が必要なボイル(煮沸殺菌)やレトルト(加圧加熱殺菌)などの従来の製造方法に比べ、内容物の風味や栄養素の保持に優れています。また、MicVacで製造したレディーミールは、10℃以下の冷蔵で30日間程度の保存が可能です。MicVacはヨーロッパとオーストラリアで多数採用されており、スウェーデンでは有名レストランのパスタやメインディッシュが販売されているほか、ノルウェーやイギリスなどでも年間数百万食が売れているなど、高い評価を受けています。

■ 食品メーカー・店舗の利点

連続ラインで製造でき、殺菌処理が短時間のため、大幅な効率化が実現できます。また、長期保存が可能となるため、長い流通サイクルの設定や廃棄ロスの低減も図ることができます。さらに、肉や野菜の煮崩れなどで従来のレディーミールでは適さなかったメニューの開発も可能です。

■ 生活者の利点

密封された容器を開封することなく、そのまま電子レンジで加熱するだけで、できたてと変わらない美味しい料理を食べることができます。スーパーやコンビニの弁当にレディーミールが採用されれば、深夜に売切れて手に入らないといった不便から開放されます。

【今後の取り組み】

DNPは、2010年より日本と韓国の食品メーカーにMicVacを提案しており、本年10月に、アジア初となるMicVac商品が日本で販売される予定です。また、DNPとともに食品メーカー向けの充填サービスを行う株式会社日本キャンパックにMicVacのラインを導入しており、テストなどを希望する食品メーカーへの支援体制も整備しています。

DNPは日本国内向けには、食材の素材感を活かした肉じゃが、さばの味噌煮、おじやなどの和風惣菜をはじめ、ラタトゥイユやリゾット、酢豚といった多様なメニューの店頭販売や通販商品などへの展開を進めます。積極的にMicVacの普及を促進し、システムや専用容器なども含めたMicVac関連の売上として、2013年度に5億円、2015年度に15億円を目指します。
なお、DNPは、2012年10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される展示会「2012東京国際包装展 TOKYO PACK 2012」のDNPブースでMicVacの取り組みを紹介します。



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インスタント食品の味とクオリティを高める
革新的なパッケージ技術 ミクヴァックCEO
フィリップ・ノーデルさん
大手チョコレートメーカー、マラボーなどで成功を収めてきた経験を持つ

2008.6.23

画期的なパッケージ方法で、インスタント食品に新風を巻き起こしているスウェーデン企業があります。その名はミクヴァック(MicVac AB)。独自に開発したバルブ(弁)、トレイ、フィルムを組み合わせたパッケージで、よりおいしく、高品質なインスタント食品を提供し、その革新性は海外の食品関連企業からも注目を集めています。ミクヴァックのCEO、フィリップ・ノーデル(Philip Nordell)さんに今後のビジネスの展望などについて聞きました。

2000年8月に設立されたミクヴァックは、食品パッケージの開発、製造を行う企業で、本社はスウェーデン、イェーテボリ市にあります。その画期的なパッケージ技術は、実は別の発明の副産物として誕生しました。

ミクヴァックの創業者、ジョエル・ハーメル博士(Dr.Joel Haamer)が、1970年代にスウェーデンの西海岸で、真水によるムール貝の養殖方法に成功したとき、発明への第一歩が踏み出されました。博士はムール貝を腐らせずに、フランス、ベルギー、オランダといった主要な市場へ運送する方法を考案する必要に迫られたのです。すでに氷の上に貝を載せて運ぶ方法はありましたが、それとは別のさらに良い方法を生み出すことに挑戦しました。

ミクヴァックのCEO、ノーデルさんは、当時を振り返り、次のように話しています。「ハーメル博士は、長い時間をかけて開発に取り組み、ミクヴァックの包装技術である真空方法を発明しました。博士は傷みやすいムール貝を運べるのなら、どんな食品にもその真空包装を応用できることを思いつき、本格的に事業化するため、会社の設立を決意したのです」。ハーメル博士は、シャルマース工科大学関連の投資ファンドをはじめ、海外のいくつかのファンドからも出資を得て、ミクヴァックを創業。その年商は、2001年は300万スウェーデンクローナ(約5300万円)でしたが、2007年には3200万クローナ(約5億7000万円)と10倍以上になり、急成長を遂げています。

急成長の秘密は、独自性と将来性の高い2種類の包装技術にあります。ひとつは、ミクヴァックで最も大きな売り上げを占めるもので、調理済み食品が入った容器を真空に近い状態でパックし、30日間の冷蔵保存を可能にする技術。そしてもうひとつは、生の食品を包装するウィーゼルパックという技術です。このウィーゼルパックは海外からも大きな注目を集めており、フランスの大手ケータリング会社、ソデクソ(Sodexo)も関心を寄せています。いくつかある利点の中で、特に注目されているのが、生の食品に含まれる栄養素がほとんど損なわれずに残ることです。


ブルーのシールのように見えるバルブが特徴。調理済み食品を真空パックする際に開閉して、おいしさを残したまま食品を閉じ込める

「今まで当社のターゲットは欧州と米国でしたが、最近になってインド、タイ、バーレーンのクライアント候補とも話し合いを進めています」とノーデルさん。飲料用紙パックの発明で世界のリーディングカンパニーとなったスウェーデン企業、テトラパックと自社を重ね合わせ、ノーデルさんは次のようにも話しています。「テトラパックと同じように、当社の強みも包装資材にあります。包装用機械を食品関連会社に無償で提供しても、容器の販売で充分な利益を得られる自信があります」

ミクヴァックはまだ日本市場には上陸していませんが、将来の進出を示唆する発言もありました。「日本では食の安全が非常に注目されており、当社の製品は日本の食品会社に大きく貢献できると確信しています」。最近日本のジャーナリストがミクヴァックへ取材に訪れ、その包装技術は日本のメディアでも詳しく報道されており、日本からも注目されています。

ところで、この技術はどんな食品にも応用できるのでしょうか。「魚や野菜には特に向いていますが、牛肉のような赤身の肉は調理時間が長くかかるため、もう少し開発に時間が必要なのが現状です。しかし、カレーなどの調理済み食品に関しては、ずば抜けた力を発揮します」とノーデルさん。「インドと英国では、持ち帰り用カレーに注目が集まっており、当社の技術はそのような調理済み食品の賞味期限を伸ばすのに、非常に有効であることが分かっています」

欧州における調理済み食品の需要はここ数年で急伸していて、確実にミクヴァックの追い風となっています。見た目が美しく、おいしく、栄養価も高いインスタント食品を提供できるミクヴァックの技術は、日本を含む世界の各地にビジネスを拡大していくことでしょう。
by momotaro-sakura | 2012-10-04 12:24 | 健康管理/先端医療