小沢氏への刺客、職員擁立で保った民主のメンツ

小沢氏への刺客、職員擁立で保った民主のメンツ


出馬の決意を語る及川敏章氏(1日、盛岡市の民主党県連で)
 民主党は1日、衆院選(4日公示、16日投開票)の岩手4区に、新人で岩手県金ヶ崎町出身の党本部職員、及川敏章氏(56)を擁立すると発表した。

 人選に難航した末、公示直前に辛うじて政権与党のメンツを守った形だ。対立陣営は「徹底抗戦だ」と激しく反発している。

 「要請を受けたのは昨日(11月30日)の午前中だった」

 1日夕に盛岡市内の県連事務所で記者会見した及川氏は、慌ただしく決まった出馬の経緯を語った。

 4区は、日本未来の党に合流する「国民の生活が第一」代表の小沢一郎氏(70)の牙城だ。民主党県連は対抗馬の擁立を検討したが、人選は難航を極め、11月30日に「地元からの擁立は難しい」と判断。結局、党本部の鉢呂吉雄選挙対策委員長が及川氏を説得することになった。

 及川氏は東京都国分寺市在住。大卒後は国政政党の事務畑を歩み、小沢氏が党首を務めた新進、自由両党にも所属した。民主党分裂時に「生活」に移籍しなかったことについて、及川氏は「小沢氏は立派な方だが、私は民主党に骨をうずめる決意だ」と強調した。

 「驚いたよ。小沢先生に弓を引くなんて」

 小沢氏の後援会連合会の小笠原直敏会長は1日、及川氏を擁立した民主党に激しい口調で批判を浴びせた。陣営内には一時、「民主は擁立できない」との観測も流れていただけに、幹部は「後援会は一層燃えるだろう」と敵意をあらわにした。

 1日夜には、民主党の平野復興相と、過去の参院選で平野氏を応援した小沢氏の北上後援会との会合が予定されていたが、及川氏の擁立を受けて中止されたという。

 4区から立候補を予定している自民党新人の藤原崇氏(29)の陣営は、「(擁立は)民主の内紛の延長でしかない。政策論で自民党の差別化を図りたい」と語った。

 共産党新人の高橋綱記氏(64)の陣営は、「党としては全く影響を受けない」と受け流した。

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 民主党の平野復興相(県連選挙対策本部長)は1日、衆院2区への候補擁立を断念すると発表した。


(2012年12月2日12時50分 読売新聞)
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民主、小沢氏と激突 岩手4区・及川氏を擁立

 政権与党の威信を懸け、民主党が衆院選岩手4区で、党分裂の「張本人」である国民の生活が第一の小沢一郎代表と直接対決する。県連の擁立作業は難航したが「不戦敗は許されない」と公示直前に党本部主導で候補の投入を決めた。「逆に組織が引き締まる」と、小沢氏陣営は迎え撃つ。全面対決により、重なった支持基盤の分裂は避けられそうにない。

◎堂々と選挙
 「1、3区は(小沢氏と分裂して)悩みながらも決死の覚悟でやっている。支持の拡大に向けて堂々と選挙をすることは当たり前だ」
 1日に盛岡市であった新人及川敏章氏(56)の出馬会見。選対本部長の平野達男復興相(参院岩手選挙区)は、擁立の理由を語った。
 急転直下の候補者決定だった。県連は地元からの擁立を模索したが難航。11月30日、党本部側が及川氏に出馬を要請し、同日夜に決断した。

◎吹っ切れる
 4区では平野復興相と県議4人が小沢氏とたもとを分かち、民主党に残った。支持基盤が重なる中、擁立は自分たちの基盤も大きく揺さぶる。
 ある県議は小沢氏が岩手1区に達増拓也知事の妻陽子氏を擁立したことに対し「政治の私物化だ」と憤り「正直ちゅうちょしていたが、小沢さんの政治姿勢に対し、県民の不満はかなりある。『小沢王国』の地盤に一石を投じたい」と吹っ切れたように話す。党本部も野田佳彦首相が公示日に応援に入る方向で検討中という。

◎明確な構図
 一方、小沢氏の後援会連合会の小笠原直敏会長は「今までは別居状態だったが、離婚届を出されたようなものだ」と対決姿勢をあらわにする。
 もともと仲間だった民主党の擁立で票が流れる可能性はあるが、別の後援会幹部は「構図が明確になって戦いやすくなった。組織が引き締まる」と歓迎する。
 ただ小沢氏の後援会内には困惑する声もある。民主党に残留した県議の地元の後援会関係者は「一番恐れていた事態になった。県議が本腰を入れれば地域が分裂してしまう」と危ぶむ。

◎県連、2区擁立を断念

 民主党岩手県連は1日、衆院選岩手4区に、党本部職員の及川敏章氏(56)を擁立すると発表した。同時に模索した2区の擁立は断念した。
 及川氏は盛岡市で記者会見し「民主党が衰退したら、他党はマニフェスト選挙を真面目にやらなくなる。前議員の小沢一郎氏への批判ではなく、民主の立場を訴えていきたい」と語った。
 県連選対本部長の平野達男復興相は「支持者から投票できる候補者がいないとの声が強かった。人となりを前面に出して戦いたい」と述べた。
 及川氏は岩手県金ケ崎町出身、駒沢大卒。1981年から民社、新進、自由、民主の各党本部に勤めた。現在は民主党国民運動委員会部長。
 95年参院選比例代表、96年衆院選比例代表東北ブロックにそれぞれ新進党から立候補、2000年衆院選比例代表四国ブロックに自由党から出馬したが、落選している。
 岩手4区には自民党新人の藤原崇氏(29)、日本未来の党に合流する国民の生活が第一の前議員小沢一郎氏(70)、共産党新人の高橋綱記氏(64)が立候補を予定する。


2012年12月02日日曜日

河北新報社
by momotaro-sakura | 2012-12-02 14:55