地震発生でとんぼ返り…試された危機管理能力

地震発生でとんぼ返り…試された危機管理能力



 7日午後5時18分頃、最大で震度5弱の地震が東北地方を襲い、民主党政権に緊張が走った。

 野田首相は午後、東京都内を遊説して回っていた。JR池袋、渋谷、蒲田の各駅前での街頭演説を終え、目黒区の東急東横線・自由が丘駅に車で向かう途中で地震に見舞われた。同駅まで400メートルの場所だったが、首相が乗った車は直ちに、サイレンを鳴らした警護車に誘導されて首相官邸に戻った。

 首相は午後5時49分、官邸に到着し、記者団に「(危機管理を)今、徹底します」と語った。5階の執務室に陣取ると、防災担当者から地震被害や現地の危機対応に関する説明を受けるなどした。

 今回の衆院選は、補欠選挙を除けば東日本大震災後、最初の国政選挙で、各党の危機対応能力も問われている。首相は昨年12月、北朝鮮の金正日
キムジョンイル
総書記の死去の際、北朝鮮の特別放送が始まる2時間前に情報を受けながら街頭演説に向かい、「甘さ」が批判された。

 この日は藤村官房長官も衆院選公示後初めて、地元の大阪府吹田市に入っており、地震発生時、官邸には芝博一官房副長官しかいなかった。首相がすぐ官邸に戻ったものの、首相周辺は「一つの失敗でも取り返しがつかないことになる」ともらした。

 その藤村氏は地元で、北朝鮮の弾道ミサイルをめぐって「問題発言」をした。吹田市内で記者団に次の地元入り日程を聞かれた時、「要は北朝鮮のミサイルがいつ上がるかだ。さっさと月曜日(10日)に上げてくれるといいんですが」と答えたのだ。

 北朝鮮が10日~22日に発射を予告している弾道ミサイル発射を容認するかのような発言で、自民党の安倍総裁は徳島市内での演説で、「官房長官は直ちに辞めてもらわなければならない」と批判。民主党内からは「危機管理の甘さを露呈し、選挙にダメージだ」との悲鳴が上がった。

 藤村氏はすぐさま、記者団に「発言が一部舌足らずで誤解が生じるとすれば、訂正、おわびしたい」と発言を修正した。苦戦が伝えられる中、次の地元入りのメドが立たないことも頭にあってか、「本当に地元に帰ってお話をしたい。そんな気持ちから言った」と釈明した。

 当初、藤村氏は夜の個人演説会にも出席する予定だったがキャンセルし、飛行機で東京へのとんぼ返りを余儀なくされた。その後、記者団に辞任を否定したものの、とんだ地元入りとなった。


(2012年12月8日10時06分 読売新聞)
by momotaro-sakura | 2012-12-08 12:47