製造業トップ「反転攻勢の年」 仕事始めで決意

日経ニュース

製造業トップ「反転攻勢の年」 仕事始めで決意

公開日時2013/1/7 13:20

 製造業大手では多くの企業が7日、実質的な仕事始めとなった。厳しい事業環境の中で難しい経営のかじ取りを迫られる各社のトップは年頭にあたり、「反転攻勢」や「世界市場での競争力確保」などをキーワードに掲げた。

 パナソニックの津賀一宏社長は「2年連続の大幅な最終赤字の見通しで、社会の公器としての責任を果たせていない。今年は何としても『反転攻勢』の年にする」と強調。「3月末までに新中期経営計画を策定し、グループ全員で実行するなかで価値創造力を再生する。ピンチをチャンスに変え、復活に向け力強く前進していく」と述べた。

 昨年11月に火力発電システム分野で日立製作所との事業統合を決めた三菱重工業の大宮英明社長は、「俊敏で強靱(きょうじん)なグローバルプレーヤーとなるために決断した。従来の組織の枠組みを変える大改革も進め、世界の競合他社に伍(ご)して規模、収益力ともに成長することをめざす」と訴えた。

 一方、昨年9月に姫路製造所(兵庫県姫路市)で爆発事故を起こした日本触媒の池田全徳社長は「亡くなられた消防隊員のご冥福をお祈りするとともに、関係各位に多大な迷惑をかけたことを深くおわび申し上げる」と改めて陳謝。原因究明と対応策の検討を進めており、「ようやく検討結果を公表できる見通しが立ってきた。今年は信頼回復へ向け社員一丸となり頑張りたい」と述べた。



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日立・三菱重工事業統合で遅れをとった、東芝事業再編の行方

Business Journal 2012年12月13日(木)7時42分配信

「東芝HP」より


 三菱重工業と日立製作所の火力発電事業の統合は経済・産業界に衝撃を与えた。国内では新規の原発建設が事実上不可能となったため、原子力発電事業からは一歩退き、火力発電での協業に軸足を移したものと受け止められている。

 ビッグビジネス同士の事業再編に背を向けているのが東芝だ。事業をシャッフル(再構築)する「選択と集中」では東芝は日立より先行していたのに、どうしたわけか。

 選択と集中とは、複数ある商品や事業部門を絞り込み、絞り込んだ商品や事業に人材を集中することによって競争力を高める経営戦略のことである。

 1980年代に世界最大のコングロマリット(複合企業)、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチCEO(最高経営責任者)が選択と集中を実践し、GEの業績を飛躍的に向上させたことから流行語になった。ウェルチCEOはそれぞれの市場で1番か2番に入らない事業は利益を出せないとして、撤退や他社への売却を決めた。選択と集中のポイントは、成長事業の買収と不採算事業の売却にある。

 選択と集中のスター経営者が東芝会長の西田厚聡氏であった。パソコン分野で頭角を現し、85年にノート型パソコンを初めて売り出した。90年代にはノート型パソコンがデスクトップ型を超えると予測し、ノート型パソコン、ダイナブックに経営資源を集中した。2003年には赤字を出していたパソコン事業を、1年で黒字に転換させたことで知られる。

 05年6月に社長に就任してからは「今後はエネルギー事業が急成長する」と考え、米原子力プラント大手、ウェスチングハウス(WH)の買収を決断する。WHと古くから取引関係にあった三菱重工業がM&A戦線の本命と見られていたが、06年2月、東芝は市場関係者の想定をはるかに超える6200億円という高額の買収価格を提示。最終コーナーで三菱重工を抜き去り、買収に成功した。

 西田氏は、半導体と原子力発電を経営の2本柱に掲げた。東芝は総合電機だが圧倒的にナンバーワンといえる分野はない。選択と集中を進めた結果、半導体は国内首位で世界第3位、原発は世界首位に躍り出た。西田氏の経営手腕は高く評価された。

 2011年3.11の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故が大きな転換点となる。

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、茨城県の主力工場が被災し、業績の悪化に拍車がかかった。そこで官民共同で、“日の丸半導体”の再編に向けて動き出した。東芝とルネサスの半導体部門を分離して新会社を設立。新たな製造会社には官民ファンドの産業革新機構が出資するシナリオだった。

 赤字を垂れ流しているシステムLSIの生産工場を海外のファウンドリー(半導体受託製造会社)へ売却することをめぐって、東芝がファウンドリーが欲しがっている最新鋭生産ラインを出し渋った(売ることに難色を示した)ために、事業統合が流れたといわれている。

 これ以降、東芝は半導体再編に背を向けてしまった。半導体事業を本体から切り離す抜本策を取らず、半導体部門のリストラに切り替えた。東芝との半導体統合計画が白紙に戻ったルネサスは産業革新機構、トヨタ自動車、日産自動車、パナソニックなどが第三者割当増資を引き受けて再建に取り組むことになった。

 3.11の福島原発の大惨事は、東芝のもう1つの経営の柱である原発事業に急ブレーキをかけた。原発は1基つくればメンテナンスで食べていける美味しいビジネスだが、原発事故という大きなリスクと背中合わせであることがわかった。

 東日本大震災前には原発建設の受注残が14基(中国4基、米国8基、日本2基)あった。目標として掲げた1兆円の売り上げを2年前倒しして、14年3月期に達成すると鼻息は荒かった。だが、原発の爆発事故がビジネスを根底から吹き飛ばした。

 原発建設は日本国内では、事実上、不可能である。欧州でも無理だろう。米国ではコストパフォーマンスからいってもシェールガス発電に切り替わるのは時間の問題だ。アジアでも反原発の世論が高まっている。

 三菱重工業と日立製作所が火力発電事業を統合するのは、原発をめぐるこうした環境の激変が背中を押したからである。

 東芝は脱原発の動きに、これまた背を向けた。米WHを買収し世界一の原発企業になったが、まだ元が取れていない。引くに引けないというお家の事情がある。

 WHに出資している米エンジニアリング会社、ショー・グループは手を引く。ショー・グループが保有する20%分の株式のすべてを来年1月4日までに東芝に売り渡す。買い取り価格は1250億円。東芝の出資比率は67%から87%に高まる。

 東芝は買い取った20%を含め36%の株式を米国の原発関連企業に売却して、最終的には過半数の51%を保有するところまでリスクを軽減したいとしている。WHの株式をはめ込む先を首尾よく見つけることができるかどうか。かなりの難問である。

 かつて、選択と集中の先頭を走っていた東芝は、いまや再編の大きなうねりから取り残されてしまった。日立と東芝の株価の格差は、2013年に入ると、もっと開くかもしれない。2012年12月中旬現在、日立の株価は460~470円台、東芝は300円以下である。

●東芝グループの今後はいかに?

 東芝グループは社会インフラ(原子力・火力・水力発電システムなど)、デジタルプロダクツ(液晶テレビなど)、電子デバイス(NAND型フラッシュメモリなど)、家庭電器(冷凍・冷蔵庫など)の4つの事業分野に分かれている。

 デジタルプロダクツ分野では既にテレビの国内生産を終了しているため、その設計開発拠点などの再編・集約が進行中だ。

 電子デバイス事業では12月中にジャスダック上場の半導体製造装置メーカー、ニューフレアテクノロジーの株式を過半数まで買い増して連結子会社にする。東芝の半導体部門と技術面を含めて関係が深いため、連結子会社にして連携を強化する。

 家庭電器分野では、東芝ライテックが照明事業の再編を行う。照明器具製造のLDFとシステム製造を担う東芝照明システムの2社を13年4月1日付で吸収合併する。

 日立に先を越された、社会インフラ分野。原子力・火力・水力発電システムの事業統合を打ち出せるかに関心が集まる
(文=編集部)

※「東芝HP」より
by momotaro-sakura | 2013-01-10 10:48