■「建設・不動産」は大手にも“黄信号”

■「建設・不動産」は大手にも“黄信号”
過去に営業CF赤字が1回でもあった企業は60社。全体の約2割だ。6期中に営業CF赤字が2回以上あったところとなると1割を切る17社に減少する。
調査対象企業が大企業中心とはいえ、営業CF赤字が少ないことは評価していいだろう。ただし、「建設・不動産」では営業CF赤字が複数回あった企業が目につく。08年に米国発のサブプライム問題が国内に波及して不動産不況が深刻化、アーバンコーポレイションなど倒産ラッシュが続いた。経営体力のある大手といえども、今後も営業CF赤字を繰り返すようであれば、継続に“黄信号”が点滅する可能性がないとはいえないだろう。
「安定性」の評価では、営業利益や当期純利益、自己資本比率、手持ち現金の推移なども評価の対象にしている。
自己資本比率が高いということは、借入金の割合が少ないということ。「精密機器・医療機器・工作機械」「電子部品・自動車部品」「医薬品・化粧品」などで、高い自己資本比率の企業が多い。オーナー系や世界トップ級のニッチ製品を手がけている企業が、業界大手を上回る例が目立つのも特徴だ。
「稼ぐ力」では、現金ベースの「投資活動によるキャッシュフロー(以下、投資CF)」を重視した。
「投資CFは、将来の利益獲得・拡大に向けた企業の資金活動を見るうえで欠かせない指標。意外に誤解が多いのがこの投資CFです。『赤字=悪』と思い込んでいるからでしょう。工場新設、企業買収などの活動を活発化すれば、子会社の売却や工場の譲渡などで得る資金を上回ることになる。すなわち、入金よりも出金のほうが大きい出金超というわけです」(池田総合会計事務所所長・池田陽介氏)
つまり、投資CFがマイナスであるほうが、前向き姿勢と見ることも可能ということ。もちろん、投資すればいい、というわけではない。業界・業種別に投資CFの推移を見てみよう。
日立製作所やパナソニック、ソニーなど電機大手9社合計の6期累計投資CFは、約18兆円の出金超である。パナソニックが三洋電機やパナソニック電工を完全子会社化したり、シャープが大阪府堺市に液晶パネル工場を新設と、大手9社は過去6年間、企業買収や設備投資に18兆円を投じてきたといっていいだろう。…
by momotaro-sakura | 2013-05-22 07:15 | ブログ