相続時精算課税選択の特例

[平成27年4月1日現在法令等]

相続時精算課税選択の特例

1 制度の概要
 平成31年6月30日までの間に、父母又は祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた20歳以上(贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者に限られます。)の子又は孫が、次のいずれかの条件を満たすときは、贈与者の年齢が60歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます。

(注) 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例」の適用を受ける場合には、同特例適用後の住宅取得等資金について贈与税の課税価格に算入される住宅取得等資金がある場合に限り、この特例の適用があります。

  • (1) 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、住宅取得等資金の全額を居住用の家屋の新築又は取得のための対価に充てて新築又は取得をし、同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき
  • (2) 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、住宅取得等資金の全額を自己の居住の用に供している家屋について行う一定の増改築等の対価に充てて増改築等をし、同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき

2 受贈者の要件
 次の全てに当てはまる必要があります。

  • (1) 次のいずれかに該当する者であること。
    • イ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
    • ロ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
    • ハ 贈与を受けた時に、日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有している。
  • (2) 贈与者の直系卑属である推定相続人である子又は孫であること。
  • (3) 贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上であること。

3 住宅取得等資金の範囲
 住宅取得等資金とは、贈与を受けた者が自己の居住の用に供する家屋の新築若しくは取得又は自己の居住している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭をいいます。
 なお、居住用の家屋の新築若しくは取得又はその増改築等には、次のものも含まれます。

  • ・ その家屋の新築若しくは取得又は増改築等とともにするその家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得
  • ・ 住宅用の家屋の新築(住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の翌年3月15日までに行われたものに限ります。)に先行してするその敷地の用に供される土地や借地権などの取得

 ただし、贈与を受けた者の一定の親族など贈与を受けた者と特別の関係がある者との請負契約等により新築若しくは増改築等をする場合又はこれらの者から取得する場合には、この特例を受けることはできません。
 一定の親族とは、次の者をいいます。

(1) 受贈者の配偶者及び直系血族

(2) 受贈者の親族((1)以外の者)で受贈者と生計を一にしているもの

(3) 受贈者と内縁関係にある者及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの

(4) (1)から(3)に掲げる者以外の者で受贈者から受ける金銭等によって生計を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの

4 居住用の家屋の要件
 居住用の家屋とは、次の要件を満たす日本国内にある家屋をいいます。
 なお、居住の用に供する家屋が二つ以上ある場合には、贈与を受けた者が主として居住の用に供すると認められる一つの家屋に限ります。

(1) 家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上であること。

(2) 購入する家屋が中古の場合は、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

イ 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。

ロ 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。

ハ 地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」又は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類により証明されたものであること

ニ イからハのいずれにも該当しない家屋の場合で、その家屋の取得の日までに同日以降に耐震改修工事を行うことについて所定の手続きをし、かつ、入居の日までに耐震改修工事を完了し、耐震基準に適合することとなったことにつき、一定の書類で証明されたものであること。

(3) 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。

5 増改築等の要件
 特例の対象となる増改築等とは、贈与を受けた者が日本国内に所有する自己の居住の用に供している家屋について行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事のうち一定のもので、次の要件を満たすものをいいます。

(1) 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。なお居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上でなければなりません。

(2) 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。

(3) 増改築等後の家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上であること。

(4) 増改築等に係る工事が、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。

6 適用手続
 相続時精算課税選択の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税選択の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、相続時精算課税選択届出書、住民票の写し、登記事項証明書など一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

【登記事項証明書を取得される方へ(法務局からのお知らせ)】

 土地・建物の登記事項証明書の請求については、登記所の窓口での請求、郵送による請求のほか、自宅・会社等のパソコンからインターネットを利用してオンラインによる請求を行うことができます。オンラインによる請求は、手数料が安く、平日は21時まで可能です。
 オンラインによる登記事項証明書の請求手続の詳細については、法務局のホームページをご覧ください。

(相法21の9、措法70の2、70の3、措令40の5、措規23の6、平25改正法附則11、措通70の3-3の2、70の3-5)

参考: 関連コード

4504 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の計算(相続時精算課税の選択をした場合)

4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
非課税の特例の適用を受けるための手続

 非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に計算明細書、戸籍の謄本、住民票の写し、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。


住宅資金贈与の特例の手続きの方法

1.どのぐらいの贈与の非課税枠があるか把握しましょう

上記の表を見て、どのぐらいの金額が非課税で受けられるか確認しましょう。

2.贈与契約書を作り、贈与を受けましょう

贈与契約書を作成しておきましょう。

3.贈与の申告をしましょう。

贈与を受けたときから翌年の2月1日~3月15日までに贈与税の申告書を税務署に提出しましょう。

その際に必要となる書類は
・非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書
・申告書の計算明細書
・戸籍謄本
・住民票の写し
・登記事項証明書
・新築や取得の契約書の写しなど一定の書類
です。

まとめ:住宅資金の特例は早めに活用しましょう。

これまで見てきたように、住宅資金の特例は暦年贈与とも併用できますし、メリットが大きいです。しかしながら期限が平成31年6月までなので、早めに活用するほうがいいでしょう。

贈与税、相続税の総合的な対策は税理士に相談しながら行うといいでしょう。



相続時精算課税制度について

相続時精算課税制度は、2500万円まで非課税で贈与ができます。
この制度は、生前贈与の非課税枠の中で、1番メリットがあるものです。

生前贈与を行った人が亡くなった時、その贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額の合計金額を基に相続税額を計算します。

そして、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」があります。

これは、どちらか一方しか選べません。併用はできません。
平成15年1月1日以後に財産の贈与を受けた人は、条件を満たせば、相続時精算課税を選択できます。※暦年課税は、1年間で110万円以上の贈与に対し課税する方式。

贈与者の財産総額が相続税の課税対象金額の6000万円以下であれば、2500万円までは、贈与税も相続税も1円もかからずに、財産移転が可能となります。

※2500万円を超える贈与には、とりあえず一律20%の税金がかかります。ただし最終的に相続税が発生しない状況であれば、払った贈与税は後日に戻ってきます。

適用対象者

贈与者は60歳以上の親
受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の推定相続人(子)及び孫
(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)

適用対象財産、回数

贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

贈与税額の計算

相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の範囲
この課税方式を選択をした年以後、その贈与者(親)から1年間に贈与された 財産価額の合計額を基に贈与税額を計算する。

贈与税の額

贈与財産の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額を控除した後の金額に、 一律20%の税率を乗じて算出します。

(限度額:2500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります)

相続時精算課税を利用した贈与の例

1年目:1300万円の贈与を親から受ける。
(非課税枠残:2500万円-1300万円=1200万円)

2年目:600万円の贈与を受ける。
(非課税枠残:1200万円-600万円=600万円)

3年目:1000万円の贈与を受ける。
(非課税枠残:600万円-1000万円=-400万円で非課税枠を使い切る)

3年目で非課税枠を使い切って、(1000万円-600万円)×20%=80万円の贈与税がとりあえずかかる。ただし最終的に相続税が発生しない状況であれば、払った贈与税は後日に戻ってくる。

※相続時精算課税を選択した場合、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできません。

生前贈与において贈与者と受贈者は1対1の関係にありますので、両親それぞれが、子供に贈与する場合は自由に課税方式を選べます。


父(相続時精算課税、暦年課税のどちらかを選択できる)
→ 子供への贈与に相続時精算課税を選択。

母(相続時精算課税、暦年課税のどちらかを選択できる)
→ 子供への贈与に暦年課税を選択。

叔母(暦年課税しか選択できません)
→ 甥への贈与は自動的に暦年課税になる。

相続税額の計算

相続時精算課税を選択した場合の相続税額は以下の通り。

  1. 相続時に、それまでに贈与された財産(※)と相続した財産の価額を合計
  2. 上記の合計額を元に、相続税額を計算
  3. 計算された相続税額から、以前納めた贈与税分を引いたものが相続税額
※相続時精算課税の適用を受ける贈与財産

例1:税金が発生しない場合

①相続時精算課税を選択した親から2500万円の贈与を受ける。
②親が死亡して1000万円の現金を相続する。
③この場合の相続財産の合計は3500万円。
④そして贈与は2500万円なので贈与税の支払いはありません。
⑤従ってこの場合は、3500万円に対する相続税を支払えばよい事になります。
⑥相続税は3600万円以上の資産がなければ発生しないため、この場合は相続税も0円となります。

例2:相続税の還付を受ける場合

①相続時精算課税を選択した親から、1500万円の贈与を受ける。
②親が死亡して1000万円の現金を相続する。
③この場合の相続財産の合計は2500万円。
④贈与は1500万円なので贈与税は410万円。
⑤従って、2500万円に対する相続税から410万円を引いた額を支払う。
⑥この場合は相続税が0円なので、410万円が後日に還付金として戻ります。

なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。


適用を受けるための手続き

手順

  1. 相続時精算課税を使う事を決める
  2. 贈与を行う(不動産なら名義変更、預貯金なら渡す)
  3. 贈与を行った、翌年2月1日~3月15日の間に税務署に書類提出
税務署
納税地(住んでいる場所)の所轄税務署。
必要書類
贈与税申告書、相続時精算課税選択届出書、受贈者の戸籍謄本など。

この選択は、受贈者である兄弟姉妹が各々、贈与者である父、母ごとに選択できます。
最初の贈与の際の届出により贈与者の相続時まで継続して適用され、途中で暦年課税に変更することはできません。(関係法令等 相法21条の2、21条の5、21条の9~16、33の2、措法70条の2、相令5、相規10、11)

贈与契約書のサンプル


            贈与契約書

○○を甲とし、△△を乙として、甲乙間で次のとおり贈与契約を締結した。

第1条 甲はその所有する下記の財産を乙に贈与することとし、乙はこれを承諾した。

    1、現金1000万円

第2条 甲は当該財産を平成27年1月31日までに乙に引き渡すこととする。

以上の契約を証するため本書を作成し、署名捺印のうえ、各自その1通を保有する。

                             平成27年1月10日

                          甲(住所)××市◇◇町12番地
                            (氏名)        印

                          乙(住所)××市◇◇町24番地
                            (氏名)        印

不動産の表示がある贈与契約書のサンプルは以下のようになります。


            贈与契約書

○○を甲とし、△△を乙として、甲乙間で次のとおり贈与契約を締結した。

第1条 甲はその所有する下記の財産を乙に贈与することとし、乙はこれを承諾した。

(1)宅地   所在 〇〇市〇丁目
   地番   〇〇番〇〇
   地目   宅地
   地積   〇〇〇〇平方メートル

(2)建物   所在 〇〇市〇丁目〇〇番地〇〇
   家屋番号 〇〇番〇〇
   種類   居宅
   構造   木造瓦葺平屋建
   床面積  〇〇〇〇平方メートル

第2条 甲は当該財産を平成27年1月31日までに乙にを引き渡し、移転登記を行うものとする。

以上の契約を証するため本書を作成し、署名捺印のうえ、各自その1通を保有する。

                             平成27年1月10日

                          甲(住所)××市◇◇町12番地
                            (氏名)        印

                          乙(住所)××市◇◇町24番地
                            (氏名)        印

不動産の贈与の場合、この贈与契約書がそのまま登記原因証明情報になりますので、きちんと作成しましょう。

≪確定申告書用紙の様式≫

確定申告書用紙は、次のとおりの様式に分類されています。初めて確定申告する人は迷うことかと思いますが、税務署で「○○業をしています」「サラリーマンですが、医療費控除を受けたいと思います」「自宅を売却しました」などと告げれば、必要な申告書用紙をもらえます。さらに、その申告書用紙を記入するための詳細で平易な手引書ももらえます。

1 確定申告書A(第一表と第二表からなります)

申告する所得が給与所得、雑所得、配当所得、一時所得だけの場合に用います。基本的構造は下記2「確定申告書B」と同じです。しかし、サラリーマン(給与所得)の医療費控除や住宅借入金等特別控除、年金生活者(雑所得)が確定申告書を提出する人の多くを占めることから、これらの人に必要な部分のみを記入するための申告書がこの確定申告書Aです。当然のこととして、確定申告書Aで足りる人が確定申告書Bを用いてもかまいません。

2 確定申告書B(第一表と第二表からなります)

総所得金額、いわゆる総合課税の対象となる所得のすべてを記入するための申告書です。わが国の所得税が、すべての所得を総合しそれに累進税率を適用するのを原則とすることからすれば、この申告書が「基本形」で、上記1「確定申告書A」はこれの簡略版、下記3「確定申告書(分離課税用)」と下記4「確定申告書(損失申告用)」は追加提出分と考えることができます。

3 確定申告書(第三表、分離課税用)

分離課税の所得がある場合に、上記2「確定申告書B」に追加して提出する申告書です。なお、この申告書は第一表と第二表である確定申告書Bの追加であることから「第三表」とされます。

4 確定申告書(第四表、損失申告用)

「その年の所得金額が赤字」「雑損控除の結果その年の所得金額が赤字」「前年までの繰越損失額をその年の所得金額から控除する」場合に、上記2「確定申告書B」に追加して提出する申告書です(第四表とされます)。

《青色申告は青い色の申告書用紙で申告する?》

以前は「白」と「青」の用紙がありました。青い色の用紙は、事業所得、不動産所得、山林所得がある納税者がその申請により青色申告を行う場合に用いていました。しかし、現在は、青色申告と白色申告で申告書用紙の色に違いはありません。共通の用紙の所定の箇所に青色申告の場合はマークをします。

《利子所得はすべて分離課税?》

「利子所得」の欄は不要ではと思われるかもしれません。しかし、利子所得は国内で受け取る分については源泉徴収されることで課税が終了しますが、海外の預金や債券の利子については総合課税となりますので「利子所得」の欄は必要なのです。

《準確定申告》

その年に死亡した人の確定申告のことを「準確定申告」といい、死亡した人の相続人が相続開始から4か月以内に申告しなければなりません。この申告書の様式も上記と同じですが、表題は「確定」ではなく「準確定」と記入します。

《修正申告・第五表》

当初申告した税額を誤って少なく計算していた場合には修正申告をして税額の増加分を納付しなければなりません。修正申告をする場合は、第一表と第二表を書き直すとともに、「第五表」に修正前の所得や税額と修正申告によって増加する税額を記載します。なお、申告書の表題は「確定」ではなく「修正申告書」となります。

≪確定申告書の構造(確定申告書Bを前提として)≫

1 第一表

申告書の「表紙」として、あて先(所轄の税務署長)、納税者の住所、氏名、生年月日などの基本的事項を記入します。申告書の最終目的が税額の算出であることから、「収入金額」「各所得金額(収入から一定の金額を差し引いたもの)」「所得から差し引かれる金額(所得控除)」「税金の計算(課税される所得金額とそれに対する税額)」を記入します。

2 第二表

上記1、第一表の「明細」に相当します。「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」は、第一表の「収入金額等」や「税金の計算」と関連します。「事業専従者に関する事項」「雑所得(公的年金等以外)配当所得・総合課税の譲渡所得・一時所得に関する事項」には、第一表には記入しない所得金額についての詳細を記入します。「所得から差し引かれる金額に関する事項」では、第一表には記入しない所得控除についての詳細を記入します。「住民税・事業税に関する事項」は、国(国税=所得税)と地方(地方税=都道府県民税、市町村民税)がつながっているということです。

3 申告書の添付書類

「所得の内訳(源泉徴収税額)」については源泉徴収票と支払調書、「所得から差し引かれる金額に関する事項」の医療費控除については医療費の明細書(所定の様式あり)と医療費の領収書(病院などが発行したもの)、生命保険料控除については保険料支払についての証明書(保険会社などが発行したもの)が必要です。なお、事業所得や不動産所得の場合には、それぞれの所得を「収入-必要経費」として計算したプロセスである損益計算書(青色申告決算書あるいは収支内訳書)などを添付しなければなりません。事業所得や不動産所得がある人の確定申告作業の大部分が、損益計算書の作成(日常の記帳)です。

4 記入の手順

第二表から記入し(損益計算書が必要な場合には青色申告決算書あるいは収支内訳書から)、第一表で「総括」します。第二表で集計した数値が第一表での税額算出の基データとなるからです。

《申告書の控》

申告書を提出する際には税務署用(1枚目)、納税者控用(2枚目、1枚目の複写)を持参し、控に税務署の受付印をもらいます。この控は、税務署に対しての申告書を提出したことについての証拠、納税者自身の来年の参考資料として活用します。さらに、事業所得者や不動産所得者の場合には金融機関から融資を受ける際の審査資料としても必要です。大切に保管しておいてください。(平成21年までの申告書用紙は3枚複写で、1枚目が税務署用、2枚目が住民税用(市町村へ送付用)、3枚目が納税者控用でした。平成22年からは市町村への報告を紙ではなくデータでするようになりました。)

《番号》

第一表、第二表などに「番号」という欄があります。初めて申告する場合にはこの番号はありませんので記入の必要はありません(事業所得者などで申告書の用紙が送付されてくる場合は除く)。翌年以降は税務署から送付されてきた申告書の用紙にこの番号が印字されています。税務署の内部処理に必要な番号であり、この番号の記入がないからといって申告書を受け付けてもらえないということはありません。当然、税額にも影響しません。

≪下書き用申告書≫

いきなり申告書の用紙に記入すると後から何度も訂正をすることになり、「二重線と訂正印だらけ」の申告書となってしまうことがあります。このような事態を避けるためにおすすめしたいのが「下書き用申告書」の利用です。これは税務署が配布している「所得税の確定申告の手引き」の最終ページにあります。

1 記入は第二表から

申告書を第一表から記入する人が多いですが、第二表から記入します。第一表は第二表の記入内容に基づいて内容が決まってくるからです。下書き用の第二表が記入できれば、それを提出用の第二表(複写式)に書き写します。次に、記入した提出用の第二表を基に下書き用の第一表を記入します。第一表の記入は特に間違いやすいです。なぜならば、給与所得控除、公的年金の所得金額、生命保険料控除などの計算をしなければならないからです。

2 下書き用の第二表だけでも自力作成する

計算が複雑な第一表に比べて第二表は比較的簡単です。給与所得の源泉徴収票、公的年金の源泉徴収票、生命保険料の控除証明書を書き写せばよいからです。ここまで記入しておけば、後は税務署で教えてもらえば何とかなります。

3 税務署でパソコンに入力する

税務署には申告書を作成するためのパソコンが設置されています。中身は国税庁サイトの確定申告書等作成コーナーと同じです。このパソコンは第二表の内容を入力すれば第一表が完成するようになっています。当然、「手計算」のように間違うことはありません。

≪第一表と第二表は切り離します≫

税務署から配布された確定申告書の用紙は第一表と第二表がつながった状態ですが、これを切り離して記入します。このようになっているのは印刷コストを削減するためだと思います。第一表、第二表とも2枚複写になっています。1枚目は税務署用(国税=所得税)、2枚目は納税者の控用です。納税者の控用がいらない場合には2枚目は不要です。また、2枚目は下書き用に使い、控用は清書した1枚目をコピーして「控」と明記しておけば、提出の際に受付印を押印してもらえます。申告書に添付が必要な書類は「添付書類台紙」という用紙に貼り付けることになっていますが、糊で貼りつける必要はなくホッチキスで止めてもかまいません(添付書類台紙は平成22年分から新たに設けられた用紙です。以前は第二表の裏に貼り付けていました)。




平成27年4月にマイホームを購入(消費税等の税率8%)し、夫婦連帯債務で4,000万円の住宅ローンを組みました(夫負担分3/5、妻負担分2/5)。マイホーム(土地・建物)の取得価額は5,500万円で、自己資金として1,500万円払っています。今年の年末の住宅ローン残高は3,985万円でした。この場合の住宅ローン控除の限度額はどのように計算しますか?
(住宅ローン控除のその他の要件はすべて満たしているものとします。)

この場合、夫・妻それぞれの住宅ローン控除の限度額は以下のとおりです。

計算方法
夫・・・(3,985万円 × 3/5)× 1% = 239,100円
妻・・・(3,985万円 × 2/5)× 1% = 159,400円

by momotaro-sakura | 2016-01-11 11:21 | ブログ