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松井秀 悲願の世界一&MVPに輝く

松井秀 悲願の世界一&MVPに輝く
フィリーズ戦の試合終了後、日本人初となるワールドシリーズMVPを受賞し、トロフィーを掲げるヤンキース・松井秀とガッツポーズのジラルディ監督(左)=ヤンキースタジアム(撮影・大橋小太郎) 「ワールドシリーズ第6戦、ヤンキース7-3フィリーズ」(4日、ニューヨーク)

 ヤンキースが4勝2敗で9年ぶり27度目の優勝を果たした。ヤンキースの松井秀喜外野手(35)は「5番・指名打者」で先発出場し、二回の先制2ランなど4打数3安打6打点の大活躍で、日本選手初となるシリーズ最優秀選手(MVP)に選ばれた。松井秀の本塁打は今ワールドシリーズ3本目で、シリーズ通算4本目。1試合6打点はシリーズタイ記録。

  ◇  ◇

 二塁ベース付近に設けられたお立ち台に、ヤンキースの選手で最初に上がったのは、松井秀だった。バド・セリグコミッショナーから名前を呼ばれると、帽子を取って大歓声に応えた。手渡されたトロフィーはズシリと重かった。

 「最高ですよね。このために戦ってるわけですから」

 メジャー7年目の念願がついに成就した。ワールドシリーズ制覇。しかし、手にしたのはそれだけではない。MVPにまで輝いた。「おまけみたいなもんですよ」。そう照れ笑いするが、最高殊勲選手の名に恥じない活躍だった。

 「自分でもビックリです。何かそういう力が働いたのかもしれない」

 本拠地に戻り、スタメンの座を取り戻した。敵地で決まらなかったことも、いまなら感謝さえできる。野球の神様は、最高のご褒美を用意してくれていた。

 第1打席で右翼2階席に先制2ランを放った。第2打席では中前へ2点適時打。“締め”は3打席目の右中間2点適時二塁打だ。1試合6打点はワールドシリーズ史上最多タイ記録。13打数8安打3本塁打8打点と文句なしの内容だった。

 03年からヤンキースの一員になった。最初の3年間は、世界一になれなかったこと以外は順風満帆だった。契約を更新した06年以降、毎年のように故障に悩まされた。左手首骨折に両ヒザ手術。「プレーできれば苦しいことはない」と言う男が、悶々(もんもん)とした日々を過ごした。先の見えないリハビリに耐えられたのも、この日を夢見てきたからだ。

 夫人の内助の功も不可欠だった。「家族には感謝してる。いつも支えてくれるわけだから」。チームメートの家族とは違い、優勝決定後もグラウンドに降りてくることはなかった。決して表には出てこないが、松井秀が最初に報告する相手は決まっている。

 契約最終年に最高の舞台で最高の結果を残したことで、去就にはさらに注目が集まる。お立ち台に立った松井秀は、中継のインタビューで「残留希望か」と聞かれ、こう答えた。

 「そうなればいいですね。ニューヨークが好きだし、ヤンキースが好きだし、チームメートが好きだし、ファンが好きですから」

 このシーズンオフに何が起こるかは、まだ誰にも分からない。間違いなく言えるのは「ヒデキ・マツイ」の名前が、誰の胸にも強烈なインパクトを残して刻まれるということだ。

(2009年11月5日)
by momotaro-sakura | 2009-11-06 15:43 | ブログ