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北に政治的意図? 南北警備艇銃撃戦

北に政治的意図? 南北警備艇銃撃戦
2009年11月11日

 【ソウル=築山英司】韓国と北朝鮮の警備艇が10日に西岸の黄海で約7年半ぶりに銃撃戦を繰り広げ、朝鮮半島の緊張が高まった。オバマ米大統領のアジア初歴訪と、ボズワース北朝鮮担当特別代表による訪朝を控え、北朝鮮が再発防止策として朝鮮戦争の休戦協定から平和協定への転換を米朝協議の争点に浮上させる政治的な意図もあるようだ。

 韓国軍合同参謀本部は記者会見で、銃撃戦が意図的か偶発的かとの質問に「分析中」として「(北朝鮮の)正確な意図を把握して対処していく」と述べた。

 銃撃戦は、北朝鮮警備艇が韓国警備艇の5回の警告にもかかわらず、海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を侵犯したことが発端だった。

 北朝鮮は黄海で韓国と初めて銃撃戦を展開した1999年6月以降、NLLを否定。同年9月にNLLより南方に「黄海海上軍事境界線」を一方的に宣布している。

 北朝鮮の人民軍最高司令部は、警備艇の出動理由を「わが領海に侵入した不明な目標を確認するため」と主張した。銃撃戦の背景には北朝鮮のNLL無効の主張がある。

 また、北朝鮮は米国に常に朝鮮半島平和体制樹立を求めてきた。北朝鮮が軍事的に不安定な状態をつくり出し、交戦など衝突を起こす狙いが専門家から指摘され、実際に今年1月に韓国と「全面対決態勢に入る」と警告し、緊張状態になった。8月から対話攻勢に乗り出し緊張は緩和し始めた中の銃撃戦だったが、北朝鮮は「戦争を回避するために新しい平和保障体系を樹立すべきだ」と主張し、米朝協議の議題にのせる動きを強めるとみられる。

北朝鮮、米朝交渉の調整に焦り 黄海銃撃戦、強硬姿勢を演出
 【ソウル=山口真典】朝鮮半島西側の黄海上を南北に分ける北方限界線(NLL)周辺の海域で10日午前、韓国と北朝鮮の銃撃戦が発生、双方は直ちに相手への強い非難を打ち出した。ただ、互いにさらなる衝突を避ける姿勢もうかがえ、危機演出で米朝交渉を巡る米国との調整加速を図る北朝鮮の焦りがにじむ。人命被害がなかった韓国側は北朝鮮の戦術を読んだうえで、南北の対話機運を維持するため、冷静な対応に徹する構えだ。

 韓国国防省などによると、事件発生は午前11時22分ころ。北朝鮮軍警備艇1隻が黄海上のペクリョンドと大青島(テチョンド)付近の海域でNLLを侵犯し、韓国軍艇の警告射撃に艦砲など50発を応射して約2分間の銃撃戦となった。韓国艇は約15発被弾し、北朝鮮艇も破損して北方に戻ったという。聯合ニュースは北朝鮮側で1人が死亡、3人が負傷したと報じた。(07:00)
by momotaro-sakura | 2009-11-11 13:22 | ブログ